阿部寛さん
佐藤健さん
主演
護られなかった者たちへ
重い映画でした。
魂が泣く
というキャッチコピーの表すように
揺さぶられ映画作品です。
劇中 かんちゃんが放った言葉が
とても重くのしかかった
全てを包括した一言として…
「震災は怪物 突然来て何もかも奪って行った」
護ろうとしても
到底護れない
人としての無力を
思い知らされ
全てを塗り替えてしまった
あの震災
あれさえなければ…
この一言に尽きるのだ
運命を変えられた震災
その後におこる人災
「死んでいい人なんて…いないんだ…」
予期せぬ運命に巻き込まれて
多くの人が命を落とした
震災は
選ばれる死でもなく
選ばれた命でもなく
ただ、残った者と
護られなかった者とが
そこにある現実があるだけだった
11年という月日は経ったという事実だけ
簡単ではない、安易に
言葉では綴れない
重く苦しいあの日のこと
簡単に護ろうとして護れたものでもなく
ただ自分だけが生き残ることで
精一杯だった未曾有の出来事の後には
それでも生きていく事の意味を
もう一度刻みながら
誰かのための…そして
誰かのために
命を燃やして生きていく事を
確認しながらの日々だったと思うし
生かされた者たちが生きていく苦しさを
引きずりながらの日々だったのだと…
当事者でないものが
いくら言葉をならべても
その気持ちへは
近づかないものだけど
こうした映画を通して
まだそれぞれが
影の部分を背負って
あれからも…
これからも…
生きているんだな
と
感じ
やりきれなさと
ぶつけることのできない苛立ちと
怒りはまだきっと
どこかで燻り続けているのだろうと
…
でなければ
こんな原作も生まれないのだろうし
浮き上がることのない
水面下で今なお
ドス黒い感情の渦はまいているのだろう。
それでも
生きていかなきゃいけない。
陽は登り
陽が沈み
月が輝き闇夜を照らすように
声を上げること
手を挙げること
世の中捨てたもんじゃ無いと
誰かが必ず手を差し伸べてくれる
と
そんな希望の言葉とセリフで
結ばれたこの作品
そのセリフで救われた。