松本隆さんの作品のなかには
似たような
シュチュエーション
情景の作品がちらほらと
ある
今回は
吉田拓郎さんの
【サマータイムブルースが聴こえる】と
大瀧詠一さんの
【Tシャツに口紅】
という作品。
防波堤の上に朝日がさすよ
♪愛なんて言葉使えずに
サラリと手を振って別れたはずさ
帰りバスの中で気づいたよ
Tシャツの背中に
口紅の文字
【サマータイムブルースが聴こえる】吉田拓郎
という情景が映し出され男女の恋の行方が歌われていく
そして
♪夜明けだね
青から赤へ色移ろう空
お前を抱きしめて
♪カモメが驚いたように埠頭から
飛び立つ
【Tシャツに口紅】
どちらも夜明けごろの
海の近くいる
男女。
手当たり次第に声かけ
ナンパして
初めて同士で
関係もって
引っかかった女性
も[寂しかった]
お互い寂しがりや同士。
Tシャツに口紅での男女は
長い付き合いの男女
答えを出そうとする男に
別れることに懐疑的女
二つの歌には
プロローグ的意味を持つ
「サマータイムブルースが聴こえる」と
エピローグ的意味を持つ
「Tシャツに口紅」が
表されて
いるようにも感じる
1981年9月に発売の
サマータイムブルースが聴こえる
1983年9月に発売の
Tシャツに口紅
手当たり次第に声かけて
みんな振られたけど
君だけは付き合ってくれた
♪愛なんて言葉使えずに
サラリと手を振って別れたはずさ
帰りのバスの中で
気づいたよ
Tシャツの背中に口紅の文字
これがのち2年後の
ラッツ&スターの
「Tシャツに口紅」に続いていく物語。
別れたはずのその
君とは
付き合っていたわけだ
同じ夜明けの海辺、防波堤、埠頭のシーンからの始まりの
Tシャツに口紅
松本隆さんが
狙って書いたのか
同じような物語の続きを
切り取りながら
作品に仕上げているのか
プロローグとエピローグ
ひとつの物語は
同じアーティストによって
完結されるのではなく
散りばめられた
個性の延長線上において完結するように
別々に配置され
向こうとこちらで
繋がりを持ち合わせないように
しながらも
その作品の運命を握るものは
密かに物語の完結を
作り上げていたのだろうか?
というより完結は
その歌を聴いた人たちに
委ねていたのだろうか?
如何様にも
その歌を聴くもの達に
その歌の物語を紡いで
いけるように…