昨日のように 甲斐バンド

『英雄と悪漢』というアルバムに入っている
この曲は
ポップコーンをほおばって
と同時期くらいに作られたらしい。

高校の時の憧れの君と付き合うことになった時 その頃の年上の彼女さんは
確かあの時、
甲斐バンドが好きだったようだった。
それこそ
「安奈」のヒットがあってすごく喜んでいたように思う。
彼女に拓郎も聞くように 僕は一生懸命 拓郎を聞かせて勧めた。
当然甲斐バンドが好きだから
拓郎の歌もすんなり受け入れてくれた。

「かんちゃん」というあだ名だった彼女。
女子クラスでよくみんなから可愛がってもらってたみたいだった。
「かぁ〜〜ん ちゃ〜〜ん」
って親しみを込めて 遠くから呼ばれたりもしていた。
あだ名っていつどこで
誰が、って感じでなんとなくつけられるて
それが
そのまま馴染んでしまって、
ニックネームで呼ばれる事って多かったように思う。
年上の彼女さんを呼ぶのに
僕はさすがに、「かんちゃん」とは呼べなかった。

彼女を
僕色に染めたい
という願望の中に
ニックネームは
邪魔なものだったし、
憧れ続けていた人だったし、
もっと神聖で崇高な存在として


すこし大袈裟なようだけと…
…
僕の中に
位置づけられていた。


だから尚更付き合うことになったら


僕色に染めたいと
いう思いが強くなったのだ。
音楽の趣味とか、少なくとも共有事項をひとつふたつ
多く持ちたかった。

『昨日のように』この歌を聞くたびに
時間の止まった僕の高校3年になる前の春休みのあの時
あの時間
あの季節が
あの時の二人が蘇るのだ。