眩しいくらいの
空の青。
「悲しいくらいお天気」
悲しいくらい…
どれだけ?
悲しみと同化するのは
雨降りだったり
雨が降り出しそうな
曇天模様だったり
が
悲しい気持ちに近い
一般的な
天気と心情を表すものなのに
このユーミンの
「悲しいほどお天気」
というアルバムタイトル
および
楽曲を知ってから
悲しさにあうのは
ほんとは
ぴーかんの雲ひとつない
晴天なのかもしれない
と
思うようになった。
それはきっと大人への入り口。
大人に到達した感情。
苦さを美味いと感じるように
大人にでしか
わからない
悲しさの深さを知る
お天気。
上天気。
きっと子供のように無邪気な気持ちで空を見上げれたなら
楽しいものなのに
裏腹な感情が交錯する
ことが晴天であれば
あるほど
心を寂しくさせる
心を辛くさせる
今日も抜けるような空の青。
僕の心の底も抜け、少し冷たくなった風に吹かれている。
上水ぞいの小径をときおり選んだ
夏の盛りの日もそこだけ涼しくって
名もない蔦や柳がひくくたれこめて
絵を書く私達 それぞれひとりにさせた
まるで先の人生を暗示するように
みんなまだ
気づかずすごしていたんだわ
ずっといっしょに歩いてゆけるって
だれもが思った ム・ム……
拝啓。今はどんな絵 仕上げていますか
個展の案内の葉書きがうれしかったの
臆病だった私は平凡に生きている
みんなまだ
信じてすごしていたんだわ
ずっといっしょに歩いてゆけるって
だれもが…
いつまでも
私の心のギャラリーにある
あなたの描いた風景は
悲しいほどお天気 ム・ム……
ずっと
一緒に歩いてゆけるって
誰もがみんな思った…
いつまでも
私の心のギャラリーにある
あなたの描いた風景は
悲しいほど
お天気……