宇宙へのツイッター

踏まれた足を退けることが出来るまで
.
.
.
URLを残されたコメントは非表示となっております

永遠のサンタクロース

2013-12-21 10:53:02 | 日記



クリスマスが近づいて 今年も 2児のママである娘から預かったダンボール箱が ふたつ

どう見ても クリスマスのプレゼントとは思えない外観
毎年 このダンボール箱を目にするたびに いえ そうでなくても クリスマスが近づくだけで 私の脳裏に蘇る出来事があります



その年 
中学2年生だった娘が望んでいたクリスマスプレゼントは 自分の部屋に専用のテレビ
弟で 幼稚園児だった息子は そのころ流行っていた大きな野球ゲーム盤を それぞれが心に描くサンタさんへ お願いしました

しかし
息子の野球ゲームはともかく 受験を控えてテレビなどとんでもないと 我が家のサンタに却下されていた娘は なかば諦めていたのかもしれません

イブが近づいて 娘へのテレビに代わる品は定まらないまま サンタの指令により野球ゲームだけは準備した私は 娘の部屋のクローゼットを その日までの保管場所としました

娘は 既にサンタの真実を知る中学生
その包みが弟へのクリスマスプレゼントである事を伝えて そこに仕舞っておく意味への協力を得なければなりません
その日 下校した娘に クローゼットの扉を開けて野球ゲームの包みを示し 私の背後で きっと母親と大人同士の秘密を共有したことに満足げと思われる娘を振り向いた私でしたが
思いがけず そこには ポロポロと大粒の涙を頬から伝い落として立ち尽くす セーラー服姿の娘がいました  

『 解ってはいたけれど ・・・・・・  
  私のリカちゃんスーパーも メロディーちゃんのヌイグルミも みんな こうやって隠してあったのね ・・・ ・・・・・・・・ 』 




その境い目は それまでの子供らしいグッズから近藤マッチのレコードという 少し大人になりかけた小学校の中学年のころだったにしても 
娘にとっては 幼いころ イブの夜に届いたクリスマスプレゼントは 中学生になった今でも サンタさんがソりに乗って運んできたに違いなかったのです

今は 解ってはいても そのときは ・・・


娘の 心のサンタクロースを失わせてしまった 愚かな母  

その夜 帰宅して 私の思慮浅い罪を打ち明けられた我が家のサンタは 言葉のないまま 長い間 静かな空気が流れました

 息子の幼稚園の時の作品

そして 訪れた12月24日

受験を控えているにも拘らず 娘の部屋に 娘専用のテレビが届いたクリスマスイブ

息子には 間違いなくソリに乗ったサンタクロースからの野球ゲーム

そして 愚かな母にも
 
その年は何だったか忘れてしまいましたが その後のクリスマスイブの夜には 毎年 必ず 娘と息子が望むとおりの
そして 私のところには 万歩計とかマフラーとか サプライズなプレゼントが届くようになったのでした



娘が嫁ぐ日まで サンタクロースの存在を示すべく 我が家の子供にも大人にも届いたクリスマスプレゼント

披露宴のお開きに 両親へ贈る娘からの感謝の手紙は
『 26年間 ずっと来てくれたサンタさん 今日まで ありがとうございました 』 という言葉で結ばれました



今年 私の天使は サンタクロースに なにを お願いしたのでしょう

クリスマスイブの日まで 永遠のサンタクロースの存在を段ボール箱に詰めて 我が家に託す娘の姿に触れては 20年以上を過ぎても色褪せない記憶を振り返り 鼻の奥がツーンとしてしまう母なのです    


閲覧数317 訪問者数140
閲覧数266 訪問者数126