水神宮
原村を潤した水神
当祠は水神を祀ってある。もとは、現在地よりやや東の当時の原村(現在の松井田町原村)のはずれにあったという。坂本宿が整備される以前に原村は、四十戸あまりの集落があって、中山道間延絵図によると、道路の端に流れてきた堀を屈折させて村のはずれから道路中央に流れている様子が見える。
これを原村の住民は生活用水として利用していた。この用水路の起点に、清浄と安全と豊富を願って水神を祀ったものと思われる。
水神は、川・井戸・泉のほとりに設け、飲み水や稲作の水を司る民間信仰から生まれた神である。
現在、水は容易に安全に得られることから、ともすれば粗略に扱い勝ちである。水神を詣でることで水への再確認を深めたいものである。
清き水掬して喉を潤へり 峠越えゆく気のみなぎりけり
古歌