ついにやりました! 中高年の星、木村一基九段が王位戦七番勝負を4勝3敗で制し、初のタイトル獲得となりました。
ここまで何度となく、羽生永世七冠や渡辺三冠などに阻まれて、タイトル奪取が叶いませんでしたが、今回は現役最強と言える豊島名人を撃破して念願を成就いたしました。まずは、おめでとうございます! それにしても、勝利者インタヴューで「家族への想いは?」と聞かれて、黙って涙をぬぐうところは、日本中の中高年が感涙するシーンでした。
少しだけ心配なのは、タイトルホルダーになって、木村九段のモチベーションが落ちてしまうこと。今回は「真夏の10番勝負」を戦い抜いて、最後にタイトル奪取となりましたので、普通であれば「燃え尽きて」も不思議ないところ。46歳でもあり、次の目標を見失うと、急に衰えがやってきてしまいます。
そうでなくても、昨年の棋聖戦以来、タイトル防衛に成功したのは、渡辺三冠の棋王戦のみ。タイトル防衛が非常に難しいという戦国時代に入っています。現役最強の豊島名人ですら、まだタイトル防衛に成功できていないという事実が、それを物語っております。
それから豊島名人。これから竜王戦に臨むことになりますが、たとえ竜王位を獲得しても、この状況では「天下統一」は宣言できないでしょう。今回の木村九段の勝利で、将棋界は再び戦乱の世に引き戻された気がいたします。
ますます、秋の将棋界が見逃せなくなってきました。