8月3日(火)に山梨県甲府市の常盤ホテルで行われた叡王戦五番勝負の第2局は、先手番の豊島叡王が161手で逆転勝利を収め、1勝1敗のタイへ戻しました。
序盤は、角換わりから早繰り銀へ、双方が得意な戦型へ、先手の豊島叡王が誘導いたしました。両者ともに、研究し尽くした戦型であるため、五分五分の形勢のまま、終盤戦へ突入するという、ここ数局、藤井聡太二冠が志向している闘い方へ。
想定通り、徐々に藤井二冠が優勢になる形となりましたが、しかし、藤井二冠が最後まで詰め切る手順が見つけられず、結果として、我慢を重ねた豊島叡王に勝利が転がり込むという展開に。
それでも、藤井二冠は、最後の最後まで、豊島叡王のミスを誘う手順を繰り返し仕掛けましたが、豊島叡王は間違えることなく、押し切る形で勝利に。
叡王戦第1局だけでなく、同時開催の王位戦第2局第3局で、藤井二冠に押し込まれる勝負が続いていた豊島叡王にとっては、流れを変える会心の一番だったと思います。次の両者の対戦は、8月9日(月)の叡王戦第3局。楽しみにいたしましょう。
なお、藤井二冠にとっては、8月6日(金)に行われる竜王戦挑戦者決定トーナメント準決勝という大一番が、この勝負の間に挟まってきます。過密スケジュールではありますが、こちらも注目の一戦となります。