京都ホリスティックアロマセラピストてんてんの ~幸せの風日記~

生きることは愉しいことヽ(^。^)ノ~起こること・・すべては愛~

ハッピーハウス

2010-03-26 17:45:18 | 思うこと

「食堂かたつむり」を読んでいて、ふと「ある人」の顔が思い浮かんだ。

そのある人とは数年前まで浜松でアロマの定例会やその翌日に行われる遠方組研修会に

出席する際よくお家にお泊りさせていただいていた「Aねえさん」という方のことだ。

多分年齢はてんてんより5歳か6歳ぐらい年上だとおもうのだけどはっきり覚えていない。

遠方から毎月浜松に行くてんてん達のことを思ってくださり、いろいろとお金もかかる

だろうからと、「よかったらうちは気をつかわなくていい家だからいつでも泊まりにきてね」と

快く声をかけてくださったのだ。

Aねえさんは浅黒い肌に美しいストレートの黒髪、ひきしまったボディでいつもとっても姿勢がよく

同性のてんてん達から見てもすごくかっこよかった。

そんな同性からさえも憧れられるような素敵なねえさんなのだけど、アロマ歴はてんてん

より長いのに何故かアロマのスクールを開くわけでもなく、サロンを開くわけでもなく・・・実は

毎日何をして過ごしているのかさえわからない謎の多いねえさんなのだ。

アロマの定例会などでもほとんど姿を見ることはないけれどたんまに・・忘れかけた頃に

ねえさんを発見することがある。

どこかミステリアスなねえさんなのだ。

きっとねえさんがスクールやサロンをされたら続々と生徒さんやクライアントさんがおみえになる

はずだと思うのに・・・。

でもてんてんは何故だかねえさんに自分から「どうしてスクールをはじめないの?」と聴いた

ことはなかった。

てんてんはあまり人のお家に宿泊させてもらうことが得意ではなかった・・・。

(遠まわしな言いかたでごめんね。)

どんなに親しい間柄であったとしてもどうしても気を遣ってしまってリラックスできないのだ。

なので人んちにお泊りした記憶が限りなく少ない・・・。

大人になってからは「人は1人では生きていけないのだから・・親切に声をかけてくださる方が

いらしたらお願いさせていただこ~」と思い、試しに宿泊させてもらうのだけどどう~しても

やっぱり落ち着かないし眠れない。

結局ホテルで宿泊することになることが多い。

だけど、Aねえさんのお家はちょっぴり違ってた。

最初Aねえさんが声をかけてくださった時は正直ありがたかったけど、遠慮させていただこ~

と思っていた。

しかし、てんてんより一足先にAねえさんのお家にお泊まりさせてもらった友人が

「てんてん!Aねえさんのお家だったらきっとてんてんも大丈夫よ~。

ほんとに全然・・・気を遣わないから・・・。それにAねえさんのお家とっても素敵なの!

きっとてんてんもすぐに気にいるわ~今度一緒に泊まらせてもらおうよ~」と

声をかけてくれたのだ。

その友人が言ってくれた言葉は本当だった。

Aねえさんのお家の外観はお世辞にもお洒落~とはいえなかった。

いつの時代に建てられたのだろ~と思うほどかなり古かったし、建物の横にはトタンがはって

あって、大型の台風がきたら屋根も外壁もどこかへ吹っ飛んでいきそうな感じだった。

しかし・・・玄関の扉をあけた瞬間てんてんは思わず「うわぁ~~」と声をあげてしまった。

まず一番最初に飛び込んできたのはとてもまろやかな「パルマローザ」という精油の香りだった。

そしてセンスのよいアンティークな家具が品よくいくつか置かれていた。

レトロなランプが食卓用テーブルの上とキッチンの上にぶらさがっていた。

ストーブはアラジン

流れている音楽は軽やかなボサノバ・・・。

キッチンもトイレもお風呂もとっても古かった。

でもとってもきれ~に清掃されていた。

この雰囲気がてんてんは一発で気に入ってしまったのだ。

実はこのお家はどこからも光が差し込んでいないのだ。

もちろん昼間は玄関の扉から光は見えるのだけど、多分北玄関だからなのか・・・

光がさぁーーーーっと差し込んでくる・・・ということはなかった。

でも・・・そういうことが全く気にならないのだ。

いつだったか、何回目かに宿泊させてもらおうと、ねえさんのお家の玄関に立ったとき、

玄関の外からねえさんの軽やかな鼻歌が聞こえてきたことがある。

「こんにちは~」と扉をあけると

「いらっしゃぁ~い」という可愛い甘い声で迎えてくださったねえさんはオレンジの精油

でちょうど床の拭き掃除をしていらした。

その姿がなんとも可愛いやら、美しいやら、、、

こんなにうれしそうに~お尻ふりふりしながら床の拭き掃除をしている人の姿を未だかつてみ

たことがなかった。

お家がねえさんにと~~っても愛されていることがひしひしと伝わってきた。

お部屋に流れるパルマローザのうっとりするような香りと棚に置かれているクリスタルがキ

ラキラしていることがそれを証明している。

とにかく・・・こんな暗いお部屋なのに、、、ううん・・・暗いお部屋だからこそ白熱灯の灯りが

更に温かく感じるのかもしれない。

Aねえさんはてんてんがお家に着くと必ずファイヤーキングの翡翠色の珈琲カップに

とっても甘い香りのする「フレーバー珈琲」を入れてくれた。

そう・・パルマローザの香りとこのフレーバー珈琲がAねえさんの香りなのだ。

たわいもない世間話を10分ほどするとねえさんは「じゃぁ~2階で好きにしてね~」と

てんてんを1人にしてくれた。

てんてんはねえさんに一度たりとて人様のお家にお泊まりさせていただくのが苦手なことを

告げたことなかったのに、まるですべてを悟ったかのように本当にいい意味で放っておいて

くれた。

朝になるとねえさんはもう既にお家にいないことも多かった。

1階に下りていくとやはりファイヤーキングの乳白色のプレート皿においしいサンドウィッチと

サラダ、スープが用意されていた。これがまた絶品!!

傍には小さなメモがあって「おはよ~ ちょっとでかけてくるからごゆっくりどうぞ~」

と書かれてあり、珈琲好きのてんてんがいつでも珈琲を飲めるように珈琲セットも用意して

くださっていた。

ねえさんとは特に深い話もあまりした記憶がない・・・。

でもねえさんのことがなぜだかとっても好きだった。

このAねえさんのお家はてんてんのように宿泊でお世話になったアロマ仲間の間で

「鴨江亭」と呼ばれていた。(鴨江という場所にお家があったから・・・)

てんてんだけではなく、Aねえさんのことを慕う人達が数名いた。

そして数年が経ち、ねえさんが再婚されることになった。

鴨江亭をこよなく愛するメンバー達はもうここへはこれないのか・・と思うとちょっぴり残念

だったけど、、、でもねえさんが幸せになってくれることはなによりうれしかった。

ねえさんは結婚されて湖のすぐ傍にとっても素敵なお家を建てられ住んでいらっしゃるそうだ。

ねえさんを見ていて思った。

ねえさんは鴨江亭をこよなく愛されていた。

冒頭にも書いたけど、鴨江のお家は女1人で住むにはちょっと怖いぐらいの薄暗いお部屋と

古さだった。

鴨江亭はねえさんが住む以前はあまり愛されたお家ではなかったように思う。

でもねえさんの愛によってお家が息を吹き返したのだ。

お家は生きている・・・。

物質にはすべて魂が宿る・・・。どんなものにでも・・・。

ねえさんが年月をかけてお家に話しかけ、お家に感謝し、お家を慈しんできたからこそ

こそ素敵なアンティークとして蘇ったのだと思う。

そしてまるでそのお家で・・その土地でねえさんがしなければいけなかったお仕事を全て終え

たかと思われる頃、素敵な方と巡り合われ、素敵な場所で素敵なお家に住めるという流れに

なったのだろうなぁ~と・・・。

そう・・・この鴨江亭も「食堂かたつむり」と同じ匂いがする場所だった。

たくさんの愛が流れた場所・・・。

実はてんてんは最初この桂坂のお家がどう~しても好きになれなかった。

自分達で見て決めて買ったのに、どう~~~しても愛せなかったのだ。

このお話は一から話そうと思うと短編小説になってしまうほどの数々のエピソードがある。

なので・・省略。

そんな時、かつてお世話になったAねえさんのことがとても心の励みとなった。

そしててんてんはこのお家を愛する覚悟を決めた。

だって・・・きっとこの場所に・・・この地に縁があったからこそ住むことになったのだもの。

毎日毎日たくさんの精油を各お部屋に焚いた。

畳も床も精油でいっぱい拭き掃除をした。

そしてお家にいっぱい、「嫌ってごめんね~」と謝罪し「これからどうぞよろしくお願いします」と

柱1本1本にお辞儀をした。

お家にもやはり魂が宿る・・・。

それはそこに住む人達のエネルギーなのだ。

そしててんてん達家族が幸せになる・・・と決めたのだ。

実際にはてんてんが幸せになると決めた。

自分達の力でこのお家をハッピ~ハウスにすることを・・・。

ここへ越してきてもうすぐまる4年の月日が経つ。

随分お家の中の空気が変わったように思う。

どんなことにも「愛をこめる」

それで同じ物質でも・・・場所でも・・・見違えるように蘇生することをてんてん自身の

体験で学んだ。

人の意識・・・愛ってすごいね・・・。

そして改めて精油の素晴らしさにも感謝です・・・。

今日はAねえさんとの懐かしい思い出話を書かせていただきました。

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