
ハヤシです。
先々週、小学生の夏休みが始まった頃から火曜日の小学生クラスで教えています。夏休みはいつものメンバーがお休みだったり、他の曜日の子が振り替えで来たりといつものクラスの雰囲気とは異なる様子です。みんな夏休みの宿題のポスターや工作にいそしんでいます。ミオスに来るようになって初めて小学生たちの「なつやすみ」に触れて、自分も夏休み中のようでなんだかウキウキしています。
さて、今日は火曜日クラスの油絵のご紹介なのですが、油絵に関しては主に水曜日クラスを担当したので私は製作過程を逐一見ていません!みんなが何に執着しながら描いたのか…美術館に来たお客さんの気持ちで想像しながらご紹介します!
左上:実織(4年)の作品で一番目をひいたのはヤカンの光り、映りこみの美しさです。そして雄々しい葉っぱ!この葉の濃い色で影がついているのは彼女が自分で「影」に気づいているからでしょう。植物がすごく活き活きしていたことを描きたかったからこんなにしっかり描けたんじゃないかな?背景の色にまぎれそうなヤカンですが金属らしい輝きをばっちり描いているので同系色だったことが却って絵を優しい印象にしています。でも葉で締める!ほわっとして大人しそうな彼女ですが、今描いている「トンボ」のポスターのイメージ画を描いているときもはっきりしたいことを決めていたので、油絵でもポスターでもどんな絵にしたいかが彼女の頭の中にしっかり出来てることを知りました。真っ直ぐで「優しい」のと隠し持つ「雄々しい」の共同体が彼女の持ち味だと思いました。
右上:洸生(3年)。真ん中にドーンと大きなランプがあっても「安定した絵」になってないのは、ランプの後ろからニュっと見える植物と背景の荒いタッチ、丁寧に追って描かれた敷布のストライプが画面をリズミカルに演出しているお陰だと思います。油絵ならではのタッチが生きた絵です。沢山絵の具をのせたのに必要な色を選んでスコップのつや、ランプのガラスに当たる光を描き、なんといってもレンガの立体感をキチンと描けたことで奥行きが見えます!コツコツとイメージ通りの色を探しながらのせて描いての積み重ねを繰り返せる素直な彼ならではの油絵になっていると思います。それにしても、うねる茎のバランスの絶妙さがにくいです!
下段:菜々子(6年)。この絵をはじめに見た時、瓶と時計に気合が入ってる!と思ったのですが、よく観ているとあれ、あっちもこっちも気合が入ってない?と感じてきました。多分彼女は一点集中型みたいな節があって、時計を思い切り描くまでは瓶は描かない!という風に進めて行くタイプではないでしょうか。絵は全体をまんべんなく進めて行けるのが理想とは思いますが、彼女くらいモチーフを追えて且つこれだけ陰影を捉えて立体を描けるならそう言う段階的な進め方については頭の端に置いておくくらいでいいと思いました。いつか必要になったら彼女自身がそう切り替えて行けそうです。
予想以上に長くなってしまいました!タイトル通りみんなの絵は魅力が沢山あって、観ていると次々と疑問が浮かびます。
スマートにまとめたいのですがいかんせん欲張ってしまいます。次からはもうちょっと短く、でもしっかり紹介したいと思います。