モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

油絵的通信簿:その参

2010-08-16 07:17:00 | スタッフ講師
どうも幸介です!!本日も月曜&木曜クラスの油絵の講評を行っていきたいと思います。今日ご紹介するのはアトリエ歴のとても長ーい(僕よりも長い)ベテラン生徒の二人!!

20100516

まずは左の作品、宇明香(うめか)の油絵です。とても面倒見の良い、ちいさなお母さんのような彼女。年下の生徒や体験授業に来た低学年の生徒などに積極的に話しかけたり助けたり、そんな優しい姿が好印象です。そんな姿を体験授業の見学やお迎えにきた親御様方が目にして、「こんな優しい先輩がいるなんて、心の温かいクラスなのね!」と皆様に好印象を与えるのに一役買っています(笑)。制作に関してはとーーっても頑固で、ちょっとやそっとでは折れません。壁にぶち当たっても折れません。一昨年の油絵で細かい柄の入った陶器を描いた時も、去年の水差しに入った花を描いた時も、根気で制作していました。そして今年の作品、とてもストーリー性のある作品に仕上がりましたね!!本の上に置かれた手のデッサン模型や後方に位置するバイオリンなど、ちょっと不思議なモチーフの描写が魅力的です。深く鈍い色合いがアンティーク感を出していますね。派手な色合いの作品ではありませんが、背景の藍色やベロア生地の赤い布など、色彩の幅は豊かですね。先述しましたが、彼女はとても面倒見の良い”お母さん”のような面を持っています。言い換えると、そんなに子供っぽくないんです。それがすごく絵に出ていて、子供でも大人でもないようなギリギリのバランス、まとまりが無いようで色んな要素が細い糸でなんとか繋がっているバランスがこの作品からは感じられます。その危うさがこの絵の魅力をいっそう引き立てていると僕は感じましたが、皆様はいかがでしょうか!?まさか小学生の絵でこんな微妙なバランスが出せるなんて…。恐るべしですね。

そして右は樹奈(じゅな)の作品。幼稚園の時からアトリエに通っており気づけばもう高学年の彼女、出来上がった作品からも分かるような気がしますが、とても頭が良いんです。頭が良いというのは、勉強はもちろんなんだけど物事の理解力と整理力に凄く長けているんです。説明も一回きりでマスターするので、制作に「余裕」が出るんです。そしてその余裕で絶対に怠けないのが凄く良い!!!怠けずに精進したプラスアルファがあるので、この作品も完成度が高いですね。アカデミックなモチーフですが、これだけ奥行きのある構図や渋い陰影のなどが難しい場所です。その深みまで上手に描ききっています。花びらの色もただのピンクや赤ではなくて、上手く混色しないと出せない落ち着いた色合いです。花びらだけではなく花瓶やコップ、トレイや床の布まで、色が美しいです。これぞ”美術”ですね!!彼女の場合は描いたら描いただけ作品に重みを出してくれるので、絵の終わらせ時を躊躇してしまうほどでした。「もっと良くなるかも」と教えるのが楽しくなって、ついついアレもコレもと注文を増やしてしまうんですね。注文した後に返ってくる返答も的を得ていて、小学生というよりもひとりの人間と話をしている感じだなぁと、いつも思っています。そして今回の作品は大きな花と金のトレイに乗ったコップなどアールデコ風の女の子チックなモチーフで、彼女はこういった物も好きですが、宇宙や生物などの科学的な物も好きなんです。なので次の作品は是非とも科学的な方向で作品を作って欲しいです。樹奈ちゃんならきっと魅力的な作品が作れるでしょう…!!


という訳でベテラン勢の秀作2点をご紹介いたしましたが、いかがでしょうか。マチエールや色合いも本物の方がいっそう魅力的ですので、ぜひアトリエにてご覧くださいね!
今回で3回目ですが、1回目紹介人数7人、2回目紹介人数4人、3回目紹介人数2人と、明らかにペースが鈍って来ていますね…。夏は忙しすぎて体力も時間も足りなさすぎる!!夏休みのある小学生時代にもどりたいです!!!

田中幸介

コメント
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