
はやしです。
今日の夜、出先から帰る途中新宿駅に降りたのですが、ムシムシしていてサウナのようでした。まだまだ暑い日が続きますが、展覧会に向けて制作頑張りましょうね!
さて月曜日の幸介先生も危惧されてましたが、火曜日も一番少ないクラスながらまだあと10名以上いるので、油絵的通信簿はまだしばらく続きますがみんなの力作を堪能してください!
左:晴香(6年)
今年からミオスに来た、晴香の作品です。入った時の水彩課題で、丁寧な筆致と色使いのうまさを見て、「絵を描くのが好きなんだな」と思ったのを覚えています。私は「好きだから自分が満足する絵を描きたい、上手になりたい」タイプなんですが、彼女もきっとそうなんじゃないかなと思います。(皆そうですか?)
そんな彼女のこの絵はすごく大人びてて、感性が小学生離れしています。白バラの花びらの重なりとボリューム感を陰影で表現できている所にかなりのセンスを感じます。というか、バラに限らず活けてある紫の花瓶や青い瓶の立体感と映りこみの描写に脱帽です!更に良かったと思うのは、敷布の色を鮮やかにしたこと。花や瓶の陰影は色んな色を混ぜて厚みが出ているので後ろの布も同じように取り組むと全体が沈んでいたかもしれません。モチーフより彩度をあげたことで画面の色にリズムが出て華やいだ画面に出来ています。綿花や蓮、葉にもちゃんと絵の具を盛ったり葉脈を追ったりと手を入れているのですが、気合の入った花、花瓶、瓶のモチーフの前では脇役に徹しているのがこの絵の完成度の高さの表れだと思います。次の絵はどんな絵になるのか、本当に楽しみです。
右:優海(4年)
優海はこれだと決めたらガンガン描き進めていくけど、「これ違うかも」と思ったら自分で止まって話を聞いてくれます。きっと火曜日の先生方ともそうやってやりとりして試行錯誤してこの絵に至ったのではないでしょうか。それにしてもこの絵、パワーがすごい。いま彼は四ツ切の画用紙に森を描いていますがどっしりした幹に、画面に這うように木の枝が描かれてあちこちに向いた枝が木の生命力をいっぱいに表しています。この絵を観たらどんな森を彼が描くのか想像していただけるのではないでしょうか。このモチーフを見た時の第一印象は、レトロで郷愁を誘う秋の切ない雰囲気だったのですが彼の絵は夏真っ盛りのような明るい絵で、飾ってあると周りまで明るくなるようです!ドーンと居座る鉢に対して、枝葉が右に上にと踊るように伸びている差が面白いです。右端のポストです。写真では細部が見えないので勿体無いのですが古びたポストの様子をよく観察しています。本来ほぼ同じように劣化した部分の屋根と側面とを色で変化を出している工夫に「よくわかってるなあ~!」と感激しました。鮮やかな鉢植えの植物と渋いポストの色合いのギャップで絵が明るいだけでもないよ、と言っています。鉢や実にも見られる影の表現ですが、特にトランペットの段階的な影が反りを表現できていてばっちりはまっています。すみずみまでよく追いかけたこの作品、この絵一枚で彼の力が見えてきました。ナイスファイト!
自分の指導していない子の絵と言うのは解読が難しいですが、いち鑑賞者として純粋に楽しませてもらえます。4月に各曜日の小学生クラスに通ったので全員会って話しているのですが、絵を観ていると「第一印象はこんな感じだったけど、本当はこんな性格なのかな」とか彼、彼女を思い出しながら想像しています。皆さんも絵の向こうにいる小さい作家たちを想像しながらお楽しみください!<