海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

資料:上原栄子著『辻の花』

2012-03-04 13:01:11 | 第32軍司令部壕説明板問題
 上原栄子著『辻の華 戦後篇』(時事通信社)は1989年に刊行されている。上原は4歳の時に辻遊郭に売られ、沖縄戦当時は自らの抱親(アンマー)や妓供(こども)とともに戦火の中を生きのびている。 上巻では、1944年(昭和19年)10月10日の空襲で辻遊郭を焼け出され、首里の第32軍司令部壕に連れて行かれたあと、識名園近くにあった上間村の給水部隊に〈従軍看護婦〉という名目で配置されたこと。そこに〈○○部隊慰安所という名称がついた〉こと。沖縄戦終了後、第32軍司令部壕にいた若藤樓の生き残りの〈お姐さん〉が訪ねてきて語ったという、首里の司令部壕内の様子、摩文仁の司令部壕での最期の様子などが記されている。 第32軍司令部壕の説明板問題を考えるために、資料として紹介したい。                                              . . . 本文を読む