以前にも紹介したが、NHKがインターネットで流している「福島 ふるさとニュース」は、地元の人たちの声を通して福島の状況を知ることができるので有り難い。直接には全国各地に避難している福島県民を対象としたものだが、多くの人が見てほしいと思う。
同ニュースではこの数日、特定避難勧奨地点の問題が取り上げられている。政府が打ち出した一軒ごとに避難地点を示すやり方は、一見きめの細かい対応のように見えるが、地域社会を分断するなど多くの問題点をはらんでいることが、地元住民の声から明らかになっている。
http://www3.nhk.or.jp/fukushima/furusatonews/
チェルノブイリ原発事故の経験から、ホットスポットの問題は福島第一原発事故の発生直後から指摘されていた。3カ月半も経って対応する遅さは当然批判されるべきだし、予算(費用)を抑えるために一軒ごとの対応をすることで、避難できた人と残された人の間に格差や感情のこじれを生み出し、地域社会が分断されていくような事態を生じさせることは許されない。政府は地域住民と丁寧な話し合いを行って、住民の要望に添うよう最大限の努力をすべきだ。