倫敦 とっかあた

ロンドン在住チェンバロ、ピアノ弾き のブログ。同居人は、不良猫と宇宙人かもしれないチェリストの旦那。

ヘンデルコンペティション2013

2013年03月28日 | 音楽
毎年恒例の
Handel Singing Competition.
このコンペティションは、
ロンドン ヘンデルフェシティバルの
催しのひとつ。
ファイナルに残ると、
バロックオーケストラとの共演。
更に、フェスティバルのオペラや
コンサートでの演奏の機会が貰える。
よって、参加者のレベルは、
かなり高い。
プロとして既に活躍中の歌手も
受けていたりする。
私は今年で専属伴奏を務めて、
5年になるけれど、
毎年いろんな事が起きる。

ある年は、ファイナルの途中で
聴衆の一人が、心臓発作に。
周囲の家族は、歌手を気使って
アリアが終了する迄
待ってから、知らせたらしい。
え??心臓発作なのに!??
ファイナルの聴衆の中に
お医者さんがいらっしゃって、
救急車が来る迄、応急処置。
待つこと20分程。
救急車到着後、倒れた人が
無事息を吹き返したと、
指揮者のローレンス・カミングスが、報告。
コンペティション再開となった。
ヘンデルも、驚愕したこと
間違いない。

会場は、毎年ハノーバースクエアの
セイント・ジョージ教会。
ヘンデルが、生前オルガン奏者として
務めていた教会だ。
彼の住んでいた家(現在ヘンデルミュージアム)は、目と鼻の先。
ヘンデル臭が、プンプン。

ある年は、一次予選の会場で、
猫が、調律直後のチェンバロの中に、
侵入。
猫は、弦の上で
ゴロゴロしていたらしい。


勿論チェンバロは、調律前より
音が狂い
去ったばかりの調律師さんを
呼び戻さねば、という事態に。
一時予選開始が30分以上遅れて
始まった。

今年は、一次、セミファイナル、
ファイナルの間が
それぞれ結構空いている。
そのせいか、
歌手達が熱心に
コーチングに通ってきて、
ついついこっちも熱が入ってくる。

コーチングと、伴奏を
頼まれていたソプラノが、
2人揃ってファイナルに残り
とっても嬉しい年となった。
特に一人は、韓国人のソプラノで、
アジア人としては、
初めてのファイナリストだ。
彼女の歌は
何か人を惹きつけるものがある
もう一人のソプラノは、
イギリス人で、こちらも
とっても表現力がある。
2人共、すごく熱心で
謙虚な歌手で
頭が下がる。
4月11日のファイナルが、
楽しみだ。

5年間で、大量のヘンデルアリアを
弾いたり、聴いたはずだけれど、
一向に、飽きない。

ヘンデルは、偉大だ。