念じ続ければ願いは叶う、という説がある。それが、はからずも昨日証明された。
私は日々、braryさんの『東京brary日乗』を愛読している(右にリンク有り)。その5月5日の記事『平成の道具屋』を読んで、いたくうらやましく思った。私はめったに他人をうらやましいとは思わないが、その日braryさんは「思わず瞠目する」ような人物にお目にかかられたのである。この日、「そういう人物が実在する!」ということを知っただけでも、私はなんだかわくわくした。
映画やテレビならステレオタイプな人物が登場しても、どうということはないが、現実に「ステレオタイプ」な人物を目にする機会はめったにない。そのめったにない機会に、braryさんは遭遇されたのである。それも『わたしが今まで会った人のなかでも一、ニを争ういんちきな雰囲気満載の慇懃な人物』だと記載されてある。そんな人物に逢えるとは、まさしく僥倖(私にとっては)としかいいようがないではないか!
テレビアニメ『ちびまる子ちゃん』のオープニングソングで
♪おなべのなかからぼわっと~ インチキおじさん登場~♪
という歌詞があるが、まさしく『インチキおじさん』そのひとではないか! 私も逢ってみたい!! インチキおじさんに!
と言う訳で、braryさんの5月5日の記事は私の心にディープインパクトを与えたのであるが、わずか1ヶ月もたたない内に、私の願いは叶えられたのである。どれだけ私の日頃の精進がいいか、わかろうというものである。
昨日。夫が朝、「今日、(車の出入り口などのデコボコを均すための)土砂をもってきてくれはるし、業者さんが行かはる時間が分かったら、メールするわ」と言い残して出勤した。午前中に「お昼過ぎ頃」とメールが来た。
予定通り、お昼過ぎに1台の白い普通車がやって来た。
ちょっとばかし不安そうな顔をした紳士が、揉み手をしながら車から降りて来たのだ。
そのとき虫取りのためビニールハウスにいた私は、車の到着の音でハウスから出て、いかにも不審な紳士を見つめた。
あっけにとられたのだ。あっけにとられるほどに、インチキくさい人物なのだ。
まるで、みのもんたとクルーゾー警部を足してニで割ったような人物である。もしくはとんでもなく嘘くさいクラーク・ゲイブルのようでもある。しかもアメリカの映画に登場する土地ブローカー(!?)のように、表面上は慇懃で陽気な物腰である。申し分なく胡散臭い! 最終的には、チョビ髭あり〼、ということが決定打である。
「◯◯さんですか?」と、ちょっと躊躇しつつ尋ねられる。さも「ワタシは決して怪しいものではありませんよ」と、全身でいいたげな風情なのだ。
ムリや、その出で立ちだけで、充分、怪しすぎるわ~~!! という言葉を呑み込み、「そうです」とあっけにとられたまま、呆然と彼をみつめた。
ぽん!と手を打って、彼は満面の笑みを浮かべた。いまにも「おめでとうございます!あなたは1万人の中から選ばれたラッキーな人です!!」とでも口にしそうなほど、不審な祝福に満ちた笑顔がひろがる。
「ええと。どの辺に土、降ろしたらいいですか?」
「このへんです」(とビニールハウス前の空き地を指差す)」
「このへんですね?」
「はい」
「もう一回来ますので、それもここでいいですか?」
「はい」
トラックが来た。トラックから顔を出す善良そうな運転手と、小声で打ち合わせをする様子も、紳士的であるがゆえに、残念ながらかえって怪しげである。しかも、身振りが「みのもんた」であるから怪しさの2乗である。その後、気取った仕草でトラックがバックするのを誘導する紳士。怪しすぎ!!
トラックは土をゆっくり、ざざっ!と降ろす。広がった土で、突如アロエの鉢が5つほど、生き埋めになる。青天の霹靂な土砂災害に、アロエも驚いた事だろう。もちろんそんなことは、私以外だれも気付く人物はいない。
「では、もう1杯来ますから」となんとなく頭に♪をつけ、リズミカルな歩調で車に戻り、去ってゆく紳士。まるでミュージカルのワンシーンを意識しているような歩きっぷりであった。
こうして私は彼を見送ったが、返す返すも残念なのは、こんな千載一遇のチャンスなのに、braryさんのように、冷静で緻密な観察をし忘れたことだ!
braryさんは、道具屋さんのキャラに瞠目しつつも、彼の服装、靴、鞄という持ち物の様子まで、仔細にチェックされており、その描写からも、持ち主の人となりが色濃く感じられた。私は、ひたすら彼の表情と仕草に意識を集中させるあまり、他をチェックするのをすっかり忘れ去っていたのだ。残念である。残念に思いつつ、アロエの鉢を土砂の中から救出した。
H氏が帰宅したとき、当然インチキおじさんの話で大いに盛り上がったのであった。再度あいまみえる機会があれば。次回こそブログにアップ出来るようファッションチェックを脳みそにメモしとこう。
私は日々、braryさんの『東京brary日乗』を愛読している(右にリンク有り)。その5月5日の記事『平成の道具屋』を読んで、いたくうらやましく思った。私はめったに他人をうらやましいとは思わないが、その日braryさんは「思わず瞠目する」ような人物にお目にかかられたのである。この日、「そういう人物が実在する!」ということを知っただけでも、私はなんだかわくわくした。
映画やテレビならステレオタイプな人物が登場しても、どうということはないが、現実に「ステレオタイプ」な人物を目にする機会はめったにない。そのめったにない機会に、braryさんは遭遇されたのである。それも『わたしが今まで会った人のなかでも一、ニを争ういんちきな雰囲気満載の慇懃な人物』だと記載されてある。そんな人物に逢えるとは、まさしく僥倖(私にとっては)としかいいようがないではないか!
テレビアニメ『ちびまる子ちゃん』のオープニングソングで
♪おなべのなかからぼわっと~ インチキおじさん登場~♪
という歌詞があるが、まさしく『インチキおじさん』そのひとではないか! 私も逢ってみたい!! インチキおじさんに!
と言う訳で、braryさんの5月5日の記事は私の心にディープインパクトを与えたのであるが、わずか1ヶ月もたたない内に、私の願いは叶えられたのである。どれだけ私の日頃の精進がいいか、わかろうというものである。
昨日。夫が朝、「今日、(車の出入り口などのデコボコを均すための)土砂をもってきてくれはるし、業者さんが行かはる時間が分かったら、メールするわ」と言い残して出勤した。午前中に「お昼過ぎ頃」とメールが来た。
予定通り、お昼過ぎに1台の白い普通車がやって来た。
ちょっとばかし不安そうな顔をした紳士が、揉み手をしながら車から降りて来たのだ。
そのとき虫取りのためビニールハウスにいた私は、車の到着の音でハウスから出て、いかにも不審な紳士を見つめた。
あっけにとられたのだ。あっけにとられるほどに、インチキくさい人物なのだ。
まるで、みのもんたとクルーゾー警部を足してニで割ったような人物である。もしくはとんでもなく嘘くさいクラーク・ゲイブルのようでもある。しかもアメリカの映画に登場する土地ブローカー(!?)のように、表面上は慇懃で陽気な物腰である。申し分なく胡散臭い! 最終的には、チョビ髭あり〼、ということが決定打である。
「◯◯さんですか?」と、ちょっと躊躇しつつ尋ねられる。さも「ワタシは決して怪しいものではありませんよ」と、全身でいいたげな風情なのだ。
ムリや、その出で立ちだけで、充分、怪しすぎるわ~~!! という言葉を呑み込み、「そうです」とあっけにとられたまま、呆然と彼をみつめた。
ぽん!と手を打って、彼は満面の笑みを浮かべた。いまにも「おめでとうございます!あなたは1万人の中から選ばれたラッキーな人です!!」とでも口にしそうなほど、不審な祝福に満ちた笑顔がひろがる。
「ええと。どの辺に土、降ろしたらいいですか?」
「このへんです」(とビニールハウス前の空き地を指差す)」
「このへんですね?」
「はい」
「もう一回来ますので、それもここでいいですか?」
「はい」
トラックが来た。トラックから顔を出す善良そうな運転手と、小声で打ち合わせをする様子も、紳士的であるがゆえに、残念ながらかえって怪しげである。しかも、身振りが「みのもんた」であるから怪しさの2乗である。その後、気取った仕草でトラックがバックするのを誘導する紳士。怪しすぎ!!
トラックは土をゆっくり、ざざっ!と降ろす。広がった土で、突如アロエの鉢が5つほど、生き埋めになる。青天の霹靂な土砂災害に、アロエも驚いた事だろう。もちろんそんなことは、私以外だれも気付く人物はいない。
「では、もう1杯来ますから」となんとなく頭に♪をつけ、リズミカルな歩調で車に戻り、去ってゆく紳士。まるでミュージカルのワンシーンを意識しているような歩きっぷりであった。
こうして私は彼を見送ったが、返す返すも残念なのは、こんな千載一遇のチャンスなのに、braryさんのように、冷静で緻密な観察をし忘れたことだ!
braryさんは、道具屋さんのキャラに瞠目しつつも、彼の服装、靴、鞄という持ち物の様子まで、仔細にチェックされており、その描写からも、持ち主の人となりが色濃く感じられた。私は、ひたすら彼の表情と仕草に意識を集中させるあまり、他をチェックするのをすっかり忘れ去っていたのだ。残念である。残念に思いつつ、アロエの鉢を土砂の中から救出した。
H氏が帰宅したとき、当然インチキおじさんの話で大いに盛り上がったのであった。再度あいまみえる機会があれば。次回こそブログにアップ出来るようファッションチェックを脳みそにメモしとこう。
でも、このおじさんはいんちきそうでいけてるのですね。
そうです! このおじさんは、なかなかイケています。第1印象のインパクトはなかなかのものですが(笑)