花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

あれから14年

2025年03月11日 | 環境システム科
東日本大震災で津波被害を受けた岩手県山田町。瓦礫の山です。
FLORAは震災2ヶ月半後、この場に立ち除塩活動をしていました。
方法はユニーク。マイクロバブルを含んだ水で除塩するのです。
震災後、何か復興に携わりたいと立ち上がった2011年のFLORA2代目。
3代目の2年生を引き連れ、サクラソウの救出活動に取り組みます。
驚くのがそれと同時にマイクロバブルを使って除塩する研究を温室で開始。
こちらを担当したのは2年生。すると理由はわかりませんでしたが優れた除塩効果を発見。
この技術を被災地で試したいと思っていたところ、南部町からお誘いがありました。
除塩場所はこの山田町。たくさんの名農ボランティア、そして現地の山田高校生も協力して
FLORAがマイクロバブルで除塩した道路沿いの花壇に復興の花を植えていきます。
すると通りすがりのNHK。他県の高校生が不思議な除塩をしていると
急遽カメラを取りに戻り、取材が始まります。もちろん帰る時間もあるので話しながら作業。
これが東北、全国に放映され大きな反響を呼びます。
今考えても驚くのはサクラソウ救出活動とマイクロバブルによる除塩活動という
ビッグプロジェクトが同時進行されていたこと。FLORAのこの2つの取り組みは
NHKによって国際放送で世界にも紹介されました。全国から届いた激励のお手紙や
物資、さらに匿名で送られてくる支援金は段ボール箱1つにもなりました。
またこの活動を2年生が青少年水大賞に応募。翌年FLORA初の世界大会に出場しています。
園芸科学科だった草花班が環境保全に大きく舵を切ったのは、これがきっかけです。
なお3.11から3年後、FLORAの除塩技術を学びたいと関西の造園ボランティアの方が来校。
造園さんたちはマイクロバブルを使って岩手や宮城の学校などの除塩ボランティアを行い
復興に貢献されました。あれから14年。この日が来ると、今も鮮明に思い出します。
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FFJ WEEK

2025年03月11日 | 環境システム科
これは2017年6月に撮影されたものです。
青森県の農業高校ではこの時期、農業の甲子園ともいわれる
農業クラブの県大会が開催されます。
この年FLORAは、サクラソウの保全活動で1名が意見発表に、
そして残った2〜3年生の全メンバーがプロジェクト発表にしていました。
体育館の奥で発表しているのが意見発表のメンバー。
座って仲間を応援しているのがプロジェクトメンバーです。
このように全メンバーで取り組むのがFLORAの流儀。
たくさんのメンバーで乗り込むことでチーム意識が高まり、
突破できる可能性があるからです。
案の定、この年はプロジェクト発表は東北大会まで出場、
意見発表ではさらに東北大会を突破し、全国大会まで出場しています。
ところがFLORAは、この年をもって環境研究班として
農業クラブの大会に出場することはありませんでした。
理由は国際大会に出場するようになったから。
忙しい時期が被ることを皆さん知っているため最初から圏外なのです。
しかし「そんなの関係ない!」と思っているFLORAのメンバーたちは
いつもショックを受け、悲しんでいました。FLORAは部活ではなく農クの専門部。
だからいつでも彼らはホームである農業クラブの大会に出場したかったのです。
さて今週はFFJウィーク。今日は意見発表、木曜日はプロジェクト発表会です。
たった3名しかいませんが、今年も彼らが目指すは校内代表。
農クの大会と縁遠くなったFLORAはかつてのようなノウハウは忘れてしまいました。
果たして8年ぶりにあの日に帰れるのでしょうか?
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