花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

名農新時代

2020年04月30日 | 生物生産科
緑の芝と木々。そして明るく鮮やかな色の建物。
まるでヨーロッパにでも行ったような風景です。
ここは第1農場。数ある名農の農場の中で最も古く、そして最も大きな農場です。
実は名久井農業高校、70年以上も前にこの地に誕生しました。
つまりここに校舎があり、名農生は実習をしながら学んでいたのです。
当時は畜舎もこの農場にあったらしく
馬淵川が氾濫するたび校舎の2階に家畜を避難させたといわれています。
そこで度重なる水害から逃れるため、
歩いて10分ぐらいの高台に校舎、畜舎などが移転しています。
ではここに残ったのは何でしょう。
それが果樹。移転して苗木から育てていたら
何年経っても勉強ができないからです。
現在はニンニクなどの畑作も少し栽培していますが
この広い第1農場はほぼリンゴ、ブドウ、サクランボ、モモなど
名農が誇る果樹類専用の農場となっています。
今まで果樹は園芸科学科の学習分野でしたが、今年から募集停止になったため
草花分野の学習が環境システム科に移るように
果樹の学習は今後、生物生産科が担当することになりました。
外から見ると単に1学科減っただけに見えますが、
農場の運営や学習のシステムを再構築しなければならず
校内では2つの新学科ができたのと同じ。大きな出来事なのです。
この春入学した1年生は、そんな新しい時代の名農を担うため
大きな期待を寄せられています。
名久井岳を眺めることができる果樹園で、新たな夢を語ってほしいものです。
今日は開校記念日です。
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戦隊ヒーロー

2020年04月30日 | 研究
研究班の活動を記録してくれた
いろいろなカメラをときどき紹介していますが
現在現役のデジタルカメラがこれ。
戦隊ヒーローのようななんとも勇ましい姿です。
今までのカメラとは違い、かなり派手派手なので
なんだか持ち歩くのが恥ずかしいような気がします。
しかし農業高校の研究班であるハンターズの活動を記録するには
最適な機能をたくさん持っているのです。
昔、こんなエピソードがありました。
ある先生が課題研究の授業で当然ながらカメラを持って
圃場に行き、いろいろ生徒の活動を記録していました。
翌日、どこを探してもカメラがないことに気がつきます。
どうやら圃場の木の枝に掛けたまま忘れてきたらしいのです。
ところが天気は昨日の夜から雨。
慌てて回収したカメラはすっかり濡れてカメラも壊れてしまいました。
カメラは安いものではないため、先生はとてもがっかりしたのを覚えています。
このようにカメラは雨はもちろん湿気にも弱い精密機器ですが、
このハンターズの派手派手カメラは完全防水。
なんと水中でも撮影ができるほどの機能を持っています。
さらに高い防塵性。機密性が高いので圃場の土が舞い上がる
春の砂嵐でも安心して使えます。まさに戦隊ヒーロー。
農場が舞台の農高の研究班にはぴったりのタフなカメラなのです。
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On Your Mark

2020年04月29日 | 研究
いつまでたっても人がやってこない馴化温室。
さすがに留守番しているリンゴンベリーもかわいそうになってきました。
しかしよく見ると、冬に比べハンターズが打ち合わせに使う机上に
いろいろな物資がのり始めているのが分かります。
なぜなら農作業は春になると一斉に始まります。
農業研究も同じで、各班待ってましたとばかりにスタートダッシュします。
順調にスタートするために大事なのが事前の準備。
特に土や肥料、種子などの物資は入荷が遅れましたでは済みません。
そこで冬のうちに計画を立てて、春になる前に発注しているのです。
昨年結成したハンターズも気がつくと今年が最後の年。
有終の美を飾るために、今年もさまざまな研究に取り組む予定です。
この机上の資材はそのためのものだったのです。
ところが事件。だいぶ揃ってきたと思ったら、突然休校となりました。
使い手のいない温室はいくら資材があってもどうしようもありません。
5月連休明けには休校が解かれる予定。
果たしてどうなるものか油断できませんが、
いつでもロケットスタートが切れるよう物資を点検する日が続いています。
でも「位置について!」と宣言されてから、長く待たされると体も精神ももちません。
コントじゃないんだから早く号砲を鳴らしてほしいものです。
それにしても大量の土。まるで農業資材屋さんです。
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増えるんです

2020年04月29日 | 学校
これは実験的に露地植えしたリンゴンベリー。
暑い夏を乗り越えて元気です。
ところが先日、よく見ると不思議なものを見つけました。
なんと植えていないところからリンゴンベリーが顔を出ているのです。
○印で囲ったところです。すぐに頭に浮かんだのが実からの発芽。
昨年、数は多くありませんが、真っ赤な実がつきました。
ジャムにできるほどの数ではないため放置しましたが
もしかしたら、こぼれた実から発芽したかもしれません。
しかし、それにしては10cmもの大きさになっているとは不思議です。
リンゴンベリーは樹木なので、草花のようにすぐ大きくなるとは思えないからです。
そこでちょっと調べてみました。するとすぐに謎は解明。
驚くことにリンゴンベリーは地下茎を広げ、
そこから新しい茎を伸ばして株を大きくしていくのだそうです。
樹木なのに変わった増殖の仕方です。
もしかしたら本当にグランドカバープランツに向いているかもしれません。
挿し木でもしようかと思っていましたが、そんな必要もないようです。




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データ整理

2020年04月28日 | 研究
これはハンターズが使っている記録用紙。
現在、最大8項目もの分析をしなければならないからです。
ところが昔、フローラがサクラソウ自生地の種差海岸の環境調査をした時は40項目。
それもわざわざ遠い八戸市まで出かけて行ってです。
調査は海が目の前のフィールド。調査の途中に雨や雪が降ってきたり
風が強い時は、潮風が吹きつけるなど大変でした。
しかし作家の司馬遼太郎が「どこかの天体から人がきて
地球の美しさを教えてやらねばならないはめになったとき
一番にこの種差海岸に案内してやろう」と綴ったように、国の名勝地に指定されている
絶景の中で活動するのは最高の気分。みんな楽しく取り組んでいたものです。
それに比べる彼らの調査は8項目。楽なもんですといいたいところですが
測定対象物が多いので時間がかかるうえ、室内なので気分転換できず苦戦しています。
測定するのはハンターズの5名ですが、どの項目を担当するかで天国か地獄。
あるメンバーは運悪く、1回4時間コースが当たって泣いていました。
それを見て笑っている他のメンバーだって2〜3時間はかかります。
これは三和土(たたき)の耐久性を調査するもので、主任研究員は2名。
でも、もし2名だけで行っていたら、丸一日もかかってしまい
続けるのが難しかったかもしれません。
そんなことから黙々と2名をサポートしてくれる他の3名には心から感謝です。
現在、休校中のため活動自粛中。ハンターズもテレワークしています。
おそらくデータを整理しながら論文作りに励んでいるはずです。
予定ではゴールデンウィークが終わるとまもなく1学期の中間考査。
果たしてテストができるのでしょうか?
テストがあっても対応できるように
学校から山ほどの宿題も出ているので、そちらも頑張ってください。
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