花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

天日干し

2021年05月31日 | 学校
先週のある晴れた日、チームの本拠地である馴化温室に付属した駐車場に
たくさんのプランターが並びました。
どうやら花植えの季節になったため、準備をしているようです。
面白いのは洗ったプランターをきれいに並べた風景。
赤茶色のレンガと真っ白のプランターが
なんともいえないオシャレなコントラストを作り出しています。
またプランターの横には、名農お馴染みの「緑育心」というステッカーが貼られています。
これは緑化活動が認められ内閣総理大臣賞、そして県褒賞を受賞した頃にできたスローガンで
「緑は心を育てる」という意味です。
最近、「緑は心を育て、心は緑を育てる」と解釈したり
名農の第2の校訓だと紹介することがよくありますが
できた当時は第2の校訓はもちろん、このような言葉の解釈はありませんでした。
「緑は心を育てる」だけでした。つまりこれらは後付けされたものです。
しかし名農生の心に深く刻まれている言葉であるのは間違いありません。
さて「緑育心」ができた頃、農業クラブが生徒から募集した緑化スローガンがありました。
それが「みんなの心に緑の風を」。オリジナルは「みんなの心に緑の風を吹き込もう」でしたが
こちらで「吹き込もう」を省いて活動スローガンとしました。
確か「緑育心」以上に校内で使われていたのを記憶しています。
環境緑化日本一を記念してできたのが「学校環境緑化の日」。
全校生徒、職員からスローガンやポスターを毎年募集して表彰したり
有名人を招いて講演会を開くなど学校あげて盛り上がったものです。
植樹も数年間しました。今もある東側斜面のツツジがそうです。
その原動力となったのが園芸科学科と農業クラブ。
園芸科学科はまもなく閉科となりますが、緑と花に親しむ校風は後世に残したいもの。
5月30日、今日は学校環境緑化の日です。
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自分のためでいいんです

2021年05月31日 | 研究
これは水耕栽培で土がわりになるロックウールブロック。
環境システム科では水耕栽培が学習のメインであるため
このような大小のブロックが山のようにストックされています。
このブロックに播種して育てるのですが、いつも気になることがあります。
それが藻類の発生。左のブロックや養液は藻類によってすでに緑に着色しています。
鑑賞魚を飼育する際、水槽を窓辺に置くと魚が食べ残した餌や排泄物など栄養分によって
同じように緑色のアオコなど藻類が大発生し、悪臭を放ちます。
水耕栽培で用いる養液にも高濃度の栄養分が入っているため
光に当たるブロックはこのように藻類によって汚されてしまうことがよくあります。
したがって1回収穫したらブロックを破棄し、装置の植え付け部もきれいに掃除して
藻類を流し落とさなければなりません。
幸いこの藻類によって健康被害があったという話は聞いたことがありませんが
あまり気分の良いものではありません。
消費者が見たらきっと嫌な顔をするでしょうか。
そこで彼が取り組んでいるのは水耕栽培における藻類の発生抑制。
あるメーカーの協力でいろいろなことに挑戦させていただいています。
左が抗菌対策を施したロックウールブロック。
ご覧のように完璧に藻類の発生を抑えているのがわかります。
この藻類抑制のアイデアは昔からあり、決して目新しいものではありませんが
水耕栽培に応用するのはまだ一般的ではありません。
何よりも水耕栽培を行う当事者が自分のために考えた技術はとても有意義。
いいものができることを期待しています。
今日で5月も終了。明日から6月です。
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清水の舞台から

2021年05月30日 | 研究
先日の馴化温室、フローラハンターズの女子が仲良く2人で分析を行っています。
たくさんの研究を同時並行で進めている環境班ですが
面白いことに女子3名が土や水関係のテーマを扱っています。
しかしこの日はそのうち1名の調査日ですが、特別な実験をするため
その他2人がサポート。忙しい彼女に代わって分析をしているのです。
しかし昨年のJr.時代に水質分析経験があるので慣れっこ。
この日の分析サンプルは16種類もありましたが、
先輩譲りの機器を操作して、てきぱきとこなしていました。
さて昔、フローラは園芸科学科から環境システム科に移籍する前年に
サンパチェンスによる水質浄化研究に着手することになりました。
ところが研究を進めるには、どうしても分光光度計が必要になりました。
しかし学校にお願いしても20数万円もする機器など買ってくれるはずがありません。
絶体絶命。そんな研究断念の危機を救ったのは思い切った決断。
フローラが今までいただいた賞金を、すべて投入して買うことを決めたのです。
まるで清水の舞台から飛び降りる気分。
すっからかんになったフローラはもう余裕がありません。
でも懐は寂しくなったものの、心の満足度は100点満点。
みんなで水質浄化研究に没頭しました。
その甲斐あって、後日興味深いデータが続々集まってきます。
研究を始めて2年目、この研究の成果が認められたフローラは
内閣総理大臣賞や文部科学大臣賞などビッグタイトルを続々受賞していきます。
その後、この機器を引き継いだ後輩フローラは水の国際大会で準ブランプリ、
さらに後輩のトレジャーハンターズはなんとグランプリまで受賞。
あの時、躊躇して機器を購入していなかったら、こんな栄光に輝くこともなく
ましてや2021年、現在の環境班フローラハンターズの活動などなかったと考えると
生きたお金の使い方ができて本当に良かったとあらためて思います。
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自由研究

2021年05月30日 | 研究
机に向かって1人実験しているのが、土と水の研究をしている女子メンバー。
今日は他の2人に水質分析をお願いして、自分は別の実験をしています。
いろいろな土壌を透過した水の成分を比較するのが目的で
先輩のトレジャーハンターズも行っていました。
ただ先輩が使っていたのは檜の升。もったいないけれど
底に穴を開けてロートのように使っていました。
充填した土を叩いて三和土を作れるうえ、さらに透過水も得ることができるからです。
別の方法もあったとは思いますが、当時はこのアイデアで課題を乗り越えました。
ところが後輩の彼女が使っているのはプラスチック容器。
実は小学生の学習教材用のおもちゃの実験器具なのです。
しかし安いおもちゃにしてはちゃんとしていて、
こちらの思うような実験が簡単にできます。
まるで自由研究に取り組む小学生になった気分。
完成品を使えたのであっという間に実験を終えることができました。
さて先日、テレビでご飯を水で濡らした檜の小箱に入れて冷凍保存し、
食べる時にそのままレンジで温めると、炊き立てのように美味しい状態に戻ると
いう商品が紹介されていました。なんとなく聞いたことがある会社だなと
思っていたら、昨年トレジャーハンターズが
実験に使った升を製造している会社でした。
コロナ禍、外食やお祝い事の催しが激減したため考えたアイデアだそうです。
トレジャーハンターズ同様、柔軟な発想がピンチを救っています。
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ダイコン頑張る

2021年05月30日 | 研究
ゴールデンウィークのある日、フローラハンターズは調査のため登校しました。
調査後に行われたのがハンターズのプロモーションビデオ撮影。
薄曇りと撮影には最適の天気だったこともあり、3時間ほどで撮影は完了しました。
その後、粗編集を行い、やっと試作品が完成しました。
先日試写を行ったのですが、みんなまともに見ることができない雰囲気。
そりゃそうです。自分が演じている姿など恥ずかしいだけです。
さて動画の内容は卒業した偉大なる先輩トレジャーハンターズの活動の紹介。
環境班の活動を楽しく理解していただくには、
ちょっと大袈裟な再現ビデオがいいのではと考えたからです。
3時間の撮影で出来上がった動画はたったの2分間。
この短い時間にトレジャーハンターズが
三和土と四苦八苦した様子や成し遂げた喜びをドラマ仕立てで盛り込みました。
役者はフローラハンターズの6名。劇団ハンターズです。
農業高校だけあってダイコンが多いようですが
主役級を除いて各自のセリフはたった2回だけ。
きっと恥ずかしがるんだろうという予想を裏切り、ほとんどが一発OK。
みんな役作りして臨んだのかもしれません。
残念ながらここでは動画のアップができないので公開できず残念です。
これはエンディング画面。昨年から使っている「視点はSDGs」という
キャッチフレーズをタイトルにしました。
フリー素材の古いアフリカ地図がいい感じです。
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