花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

神泡

2021年07月31日 | 学校
雑草が枯れています。
ご想像のとおり、除草剤を散布したあとです。
しかしよく見ると枯れていない雑草があるのがわかります。
枯れているのは葉が広い広葉雑草、
枯れているのは単子葉のイネ科植物。
なぜなら散布したのは選択性除草剤といって
植物を選んで除草できるタイプなのです。
畑の作物は一般に広葉植物。そんな時はこの除草剤を使うと
作物を枯らす心配なくイネ科雑草を除草することができます。
除草成分を分解してしまう酵素があるかないかなど
いろいろな植物生理を利用して開発された優れものですが
道端の除草をしようとすると
このように効かない植物もありうまくいきません。
そんな時は非選択性の除草剤を使うと皆殺しにできます。
便利だけれど危険な農薬の「除草剤」。
しっかりと自分の目的に応じたタイプを選択する必要があります。
実はこの除草剤を散布した周辺に咲く花の葉が赤く枯れていました。
気をつけていたのですが、霧状の除草剤が飛散したようです。
数年前、フローラの指導を受けたバブルボーイズが
農薬を緻密な泡にして散布する技術を開発し、
文部大臣賞やら総理大臣賞など各方面から高く評価されました。
この技術を使うと飛散が抑えられ、散布量も減ります。
それ以上に散布した場所が泡になるので作業性が格段に向上。
まさに神泡です。環境班だけの農薬散布のノウハウ。
宝の持ち腐れにならないよう使いたいと思います。
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見てはいけない

2021年07月31日 | 環境システム科
名農には大型水耕温室があります。
環境班が生物工学用の温室で小型の装置で栽培しているものと違い
本格的なコンピュータ制御されたガラス温室です。
かつてこの温室ではトマトが大量に生産されていて
よく学校見学にいらっしゃったお客様には必ずご覧いただき
そして試食してもらったものです。
また名久井農業高校では昨日、中学生のための体験入学が開催されましたが
そこでも大型水耕温室の見学とトマトの試食は定番。
土を使わない栽培法に子供たちはみんな驚いていました。
現在はトマト栽培ではなく環境システム科の養液栽培班の
研究に使われています。先日、久しぶりに覗いてみました。
すると何やら作物が栽培されています。
なんだろうと思って目をこらすと、
どうやら花が咲いているようです。
果菜類なら野菜の花を咲かせて大丈夫なのですが
なんとなくこれは葉菜類。もしかしたらとうが立って
開花してしまったのかもしれません。
栽培が終わって廃棄するのを忘れているのでしょうか。
それとも伝統野菜の保存や品種改良にチャレンジし
自家採種でもしようとしているのかもしれません。
なんとも不思議な光景です。
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花好きは環境システム科へ

2021年07月30日 | 学校
今日は中学生のための体験入学。
地元の中学生が名久井農業高校にたくさんやってきます。
これは名久井農業高校の正門付近から見上げたキャンパス。
中学生の皆さんの目には、まずこの景色が飛び込んでくるはずです。
果たしてどんな第一印象を受けるのでしょうか。
さてこの画面の右側奥には夏を代表する庭木「サルスベリ」があります。
まだ咲いていないので、ちょっと位置ははっきりしませんが
鮮やかなピンクの花が咲けば、目立つのですぐわかります。
以前、このサルスベリが咲く風景を撮影したいと地元のテレビ局が
取材されたことがあります。斜面に植えられているので
晴れ上がった青空を背景にピンクの花を
下から見上げるように撮影できるからだそうです。
夏の終わりを告げるサルスベリ。咲いたらまたご紹介したいと思います。
ところで真正面にテーブルのように刈り込んだツツジが見えますが
その下に何やら黄色い花が見えます。
ここは昔から花で文字を作り、何かメッセージを発信する場所。
今年はいったいどんな文字が書かれているのでしょうか。
ちょっと近づいてみましょう。
なお工業系のイメージが強く男子中心となりがちの環境システム科ですが
新しい名農では環境システム科で花の栽培やアレンジなどを学ぶことになります。
学校名、学科名は同じですが内容は大きく変わっているので
中学生のみなさんは、そのあたりもじっくり確認してみてください。
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喜寿

2021年07月30日 | 学校
名農名物のフラワーサインのそばまでやってきました。
黄色の花で作られた文字はいつもの「NAKUI」。
しかし今回はその後にも何か描かれています。
よく見ると「77th」。これはいったいどういうことでしょう。
もちろん今年で創立77周年という意味。
人間でいえば「喜寿」。つまりお祝いをする節目の歳なのです。
さてほとんどの高校は10年ごとに周年行事を行います。
ということは前回は7年前の70周年記念。
当時のTEAM FLORA PHOTONICSは環境システム科の新設に伴い
住み慣れた園芸科学科からの移籍が決定。
ちょうど移行期だったため、なんと3年生が女子中心の園芸科学科、
2年生が男子中心の環境システム科という不思議なメンバー構成でした。
そこで園芸科学科草花班として育んできた研究を楽しむ文化を
新学科で再スタートするになった環境班にも継承させようと
意識的にサクラソウの保全活動や発表会などに
先輩と一緒になって取り組んでもらったのを覚えています。
活動の成果を2〜3年生全員で農業クラブ東北大会で披露しましたが
その内容も発表力も間違いなくフローラ史上最高だったと思います。
この年の冬、先輩に刺激を受けた2年生はサクラソウ保全と同時並行で進めていた
サンパチェンスによる水質浄化システム「BIO-ENGINE」研究で
内閣総理大臣賞を受賞。DNAが引き継がれていることを証明してくれました。
今日は体験入学。3年後の80周年で大活躍する中学生たちがやってきます。
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古代遺跡のお宝か

2021年07月29日 | 研究
環境班のホームである馴化温室で妙なものを見つけました。
コンテナの蓋を開けると中には、ご覧のような造形物。
この形は自然にできたものではなく、
明らかに何者かが意図をもって作ったものに違いありません。
そういえば先代の環境班のニックネームはトレジャーハンターズ。
もしかしたら古代の遺跡から発掘された遺物かと勘違いしてしまいそうです。
答えは昨年、トレジャーハンターズが製作した
機能性集水システムに欠かせない「集水ウイング」。
斜面を流れてくる水を集めたり、土砂を堰き止める役割をするもので
土と砂と消石灰を水で練って固化させる「三和土」(たたき)という
日本の伝統工法で作られています。
彼らはいろいろな大きさやサイズを作っては
その機能を実験をしながら調査していましたがこれはその時に使ったもの。
中には4種類ぐらいのウイングが入っています。
今はまだ記憶に新しいのでこれが集水ウイングだとわかりますが、
数年後には関係者もいなくなるので謎の物体に変わります。
今月27日に「北海道・北東北の縄文遺跡群」がユネスコの会議で
世界遺産に登録されましたが、南部町で新たな発見と勘違いされたら大ごと。
愉快犯では済みません。さて明日の午前中は体験入学。
大学でいうところのオープンキャンパスです。
そういえば昨年の体験入学では度胸試しにトレジャーハンターズが英語でスピーチ披露。
そしてその数時間後に水の国際大会で初めてのスピーチと質疑応答に臨みました。
つまり申し訳ないのですが昨年は「中学生のため」ではなく
トレジャーハンターズのための体験入学でした。
でも今年は違います。たくさんの中学生の来校をお待ちしています。
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