花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

サトイモといえば

2019年10月31日 | 研究
サトイモといえば土垂(どだれ)か石川早生といわれるほど
とてもポピュラーな2つの品種があります。
ハンターズが栽培しているのは石川早生。
早く結果を出すために土垂よりも収穫時期が早いこの品種を選択しました。
おそらく九州の方ではすでに収穫が終わっていると思います。
このところ葉が少し枯れてきたので、
ハンターズも名農祭が終わったら収穫調査を行う予定です。
さてサトイモといえば芋煮を思い浮かべる人も多いと思います。
山形名物でこの時期になると皆さん
美味しそうに召し上がっているニュースを目にします。
このイモのほとんどが土垂。粘りのある食感が人気のようです。
また資料によれば同じ山形でも地域によって
味付けや鍋に入れる具材が違うとのこと。
残念ながらまだ本場の味を知らないので
ぜひ機会があったら食べてみたいものです。
さらにサトイモといえばロータス効果。
ハス同様に撥水効果を持つ葉が特徴です。
かつてロータス効果にヒントを得たフローラの女子メンバーが取り組んだのが
雪国向きLED信号機の開発。
現在は新しい発想で環境システム科が
京都大学と連携しながら研究を進めています。
11月に入るとまた京大の先生が指導にいらっしゃる計画もあるようで
そろそろ結論が出そうな予感。大詰めを迎えているようです。
サトイモいろいろでした。
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フローラの落とし穴

2019年10月31日 | 研究
現在の環境班の自称愛称はTreasure Hunters。宝探し人という意味です。
この名をつけた理由は、今まで10年間活動してきた
TEAM FLORA PHOTONICSが失敗したり、
途中で休止してしまった研究に再び光を当て
眠っているはずの宝物をほりだそうという目的があるからです。
そこで今年の4月からいろいろなテーマに取り組んできました。
その中に薬草の栽培がありますが、先日収穫が終わり結果が出ました。
しかしこちらの思った通りの結果ではありませんでした。
薬草のカノコソウを水耕栽培して、
利用部分である根の生育を促進させようと取り組みましたが
期待どおりに根が伸びていないのです。
逆に伸びたのはなんと地上部。茎葉は従来の数倍も伸びました。
これは今まで経験しなかった不思議な現象。
地上部が伸びていたので根の伸長も期待していただけあって
さすがに担当している紅一点の彼女も困った顔をしています。
これはこれで興味深い結果ではありますが
現場で活かすことが求められる農業研究にとっては
失敗ともいえる結果にがっかりです。
フローラは水耕栽培すらできずに失敗。
再挑戦したハンターズは水耕栽培こそ成功しましたが予想外の結果。
再びいたずら好きの女神フローラの落とし穴に落ちてしましました。
薬草の失敗はこれで3回目。なぜ失敗したのか
落ち着いたら結果を検証してみる必要があるようです。
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アグリチャレンジ大賞

2019年10月30日 | 学校
名農祭のメイン会場は第1体育館。
ステージで生徒会主催のイベントが行われ
3年生やPTAの模擬店や加工品販売が行われています。
ここは第2体育館。昔は全校生徒が家で育てた農作物を並べて
農産物品評会が行われ、大いに盛り上がっていたものです。
ところが農家出身生徒が減少したことから
長年続いたビッグイベントも泣く泣く中止。
今では展示のメイン会場となっています。
そこで行われるのが食と科学のコンテスト「アグリチャレンジ大賞」。
今年も数百もの作品が寄せられました。
この日は入賞した方をお招きしての表彰式。
校長先生がお祝いの言葉を述べています。
面白いのは入賞者へのインタビュー。
ステージ上で小学生や中学生に感想など話してもらうのですが
これが子供達にとって大緊張の時間。
たくさんの保護者の皆さんがカメラを向けるのでますますドキドキします。
それを和ませるのがインタビュアー役の農業クラブ役員。
あの手この手で笑わせながら子供達から言葉を引き出します。
そして最後は副賞の贈呈。たくさんの農産物をもらって
子供達はもちろん、保護者の方も喜んでいます。
「農業高校ってクワ持って1日中、野菜作っているんでしょ。
農家の後継者じゃなければ行く意味がないんじゃないの?」
農業が盛んな青森県でもどんどん農家が減少し
農業に縁のない県民が急増しています。
つまり農業に関わったことがない小中学校の先生も増えていることになります。
先ほどの質問は地元の中学校の先生が話されたものです。
これは悪意ではなく、現在の農業や農業高校の学びを知らないからです。
現代農業は食糧生産の他に、バイオテクノロジー、IT、
環境、食品加工やセラピーなど幅広い産業になっていることを知りません。
ちゃんと現代の農業や農業高校を理解してほしい。
そんな思いで10年前にチームフローラフォト二クスによって
子供達向けに始められたこのコンテスト。
公立高校が地域に対してコンテストを行うこと、
そしてすべて生徒が運営するという画期的な企画は
今、すっかり地域に定着し、次第に入学する入賞者も増えています。
フローラはもういませんが彼らの願いが形になってきました。
これからも続けてほしいものです。
嬉しいことに昨年卒業し、地元に残ったフローラのOBOGたちも
表彰式当日、懐かしい顔を見せてくれました。
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遊び心あるな

2019年10月30日 | 生物生産科
これまた名農祭での様子。
生物生産科が面白いことを始めました。
何やら皆さん袋に詰めています。
ここは食用菊の詰め放題コーナー。
学校で栽培された生花を競うように袋に詰めています。
いろいろな詰め放題はありますが
食用菊の詰め放題は産地である南部町ならでは。
遊び心を感じるユニークな販売コーナーです。
さて南部町は9月から早生種の食用菊の収穫が始まりますが
今の時期は最後の晩生種「阿房宮」。
霜が降りるとせっかくの黄色い花が茶色になってしまうので
その前に収穫しなければなりません。
しかし果樹地帯である南部町は現在、りんごの収穫時期でもあります。
たくさんの農作物が手に入るまさに収穫の秋ですが
農家の方は大忙し。本当にお疲れ様です。
ところが、青森県では収穫が近づいたりんごなどの農作物が
盗難にあう被害が続出しています。
畑から農産物を大量に盗む行為は全国的に起きているようですが
1年間に1回だけしか収穫できないりんご農家のことを考えると心が痛みます。
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南部太ねぎ

2019年10月29日 | 生物生産科
生物生産科は名農祭でダイコンやゴボウなど新鮮野菜を販売します。
それも数kg入っている大袋での提供です。
そのためお客様は自動車まで重い野菜を運ばなければなりません。
でも大丈夫。駐車場までちゃんと生物生産科の生徒が運んでくれるのです。
だから高齢者の方も安心。こんなおもてなしも名農祭の人気の理由です。
そんな生物生産科の野菜販売ですが、農場では販売しないものがあります。
それがこの南部太ねぎ。校内の生物生産科展だけの限定販売なのです。
昔からこの地域には南部太ねぎという在来種がありました。
太いうえに柔らかく甘い味は地域の逸品として
農家の方の自家消費やこの地域だけで愛されてきました。
しかし近代化が進み、次第に野菜が現金を得る商品となっていくと
柔らかい特性が逆に輸送上の欠点になっていきます。
そんなことで生産者はどんどん減少。
気がつくとたった一人の農家だけが
細々と自家用に栽培するだけになっていました。
10年前、絶滅寸前の南部太ねぎに着目したのが名農生物生産科の野菜班。
農家から分けてもらい栽培しては学校で自家採種し、
地域の農家に栽培を呼びかけていきます。
共感した町がバックアップしたこともあり、生産農家も少し増え始め
再びあの甘く柔らかい味が復活したのです。
この活動はテレビのダッシュ村でTOKIOの取材を受けるほど大きな話題となりました。
チームフローラフォト二クスの結成とほぼ同時に活動を始めた野菜班は
新しい技術を追い求める前衛的なフローラとは正反対に
地域の在来種復活にすべてをかける正統派農業研究グループ。
お互い切磋琢磨しながら大活躍したものです。
そんな話題の南部太ねぎが直接、あの野菜班から購入できるのですから
今年もたくさんのお客様が詰め掛けました。
県外では販売しないことにしている南部太ねぎ。
皆さんは食べたことがありますか。
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