花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

西洋VS東洋

2022年05月19日 | 学校
ご覧ください。画面の東西にピンクというか紫系の花が咲いています。
実はこの2つは、似ているようで別の植物。
西(左)はヘレボルス・オリエンタリス。キンポウゲ科のクリスマスローズ属。
通称レンテンローズ。トルコやギリシャが原産の人気のある宿根草です。
東(右)はシラネアオイ(白根葵)。こちらもキンポウゲ科ですがシラネアオイ属。
なんとシラネアオイ属にはこのシラネアオイしかありません。
もちろん日本固有種。正真正銘の日本出身です。
日光の白根山に多く自生すること、
花がタチアオイに似ていることから白根葵と命名されたようです。
さて園芸科学科草花班時代のチームフローラフォトニクスは
クリスマスローズの種子をとり、3年かけて育てては販売し
研究費を調達していました。このシラネアオイは
そんな頃に手に入れたものです。
それはいったいなぜだと思いますか。

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山芙蓉

2022年05月19日 | 学校
10年ぐらい前に研究のために手に入れたシラネアオイ。
ご覧のようにクリスマスローズに似ています。
そう思って当時のメンバーは交配計画を企てましたが
サクラソウへの取り組みの比重がどんどん大きくなったことから
幻のプロジェクトとなってしまいました。
しかし今見るとクリスマスローズの花びら(本当はガク)5枚に対して
こちらは4枚と違います。また開花期も2週間ぐらい遅れます。
似ているようで似ていないようです。
それにしても薄紫の花は美しすぎます。
こんな花色のクリスマスローズが誕生したら大人気になること
間違いなしだと思います。誰かチャレンジしてみませんか。
さてシラネアオイは山芙蓉ともいいます。
タチアオイ、つまり芙蓉(ふよう)の花に似ていることからついた別名です。
タチアオイといえば思い出があります。前任校でタチアオイの
突然変異育種を数年間行ったことがあります。
全面協力してくださったのが理化学研究所の仁科加速器科学研究センター。
日本代表する大型加速器を使って種子に高速のイオンをぶつけ
DNAを切る重イオンビーム突然変異育種に参加させてくれたのです。
見学にも行きましたがダイナミックな施設には驚かされたものです。
用いた植物がタチアオイ。届いた種子を育て採種し、
さらにその種子を育てたところ花色こそ変化しませんでしたが、
極端に矮化したり開花きが数ヶ月早くなった個体が複数現れるなど
興味深い変化を示しました。最後に理研に報告書を提出しましたが、
最先端の技術に触れた良い思い出です。
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前哨戦はデザインで勝利

2022年05月18日 | 研究
今週の月曜日、フローラハンターズは全員で
塩害抑制研究の土壌分析を行いました。
サンプル数48本。これを分担して分析していきます。
リーダーが事前に計算したところ、かかる時間は100分。
授業は100分。これは大変だと考えたフローラ。
昼休みを10分早く終わらせ、授業開始のチャイム前から測定を開始しました。
たくさんのサンプルを記録用紙のどこに書けば良いのか、
手順はどうするとやりやすいのかを各自手探りです。
しかし慣れてきたのか半分を過ぎたら、予想したペースより
ずっと早いではありませんか。1人が専門に同じものを測定するという方法も
早さの秘訣ですが、見えない工夫もされています。
それが机上の配置。48本のサンプル同士が邪魔をしないように
間隔を開けて配置すること、各サンプルに専用のスポイトがつけること、
測定したらすぐ手の届くところに洗浄瓶や拭き取るペーパーを配置することなど
測定者の動線を想像して、使いやすい配置を心がけているのです。
これをデザインといいます。
ひとつの測定ではわずか数秒の短縮かもしれませんが
全体では10分以上早まるかもしれない。
そんな工夫が今回は大成功しました。
ところが焦ったこともあります。実験当日に測定器の校正をしたら
なんとまたエラー。頭を抱えました。水に浸けて洗浄し直してもエラー。
それもいきなり2台です。まもなく測定だというのになんてことでしょう。
そんな時、思い出したのが本家の草花班。同じ装置を持っているのです。
さっそく借用して事なきを得ましたが、もしなかったらどうなっていたことでしょう。
分析の山場は今週末。なんとかフローラに微笑んでもらいたいものです。
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目的外使用「POPスタンド」

2022年05月18日 | 研究
土肥実験室で行われているトマトチャレンジ。
フローラハンターズならではのコンペです。
植えつけてからもう1ヶ月。今のところ順調に育っています。
ところが先日、問題が発生しました。
成長したトマトが倒れそうなのです。
もちろん土に根を張っていないから。
また手作りの小型水耕というのも問題なようです。
この装置に支柱を立てるところはないので
いろいろ考えた結果、フローラが行なった対策は上から吊ること。
しかしここは実験室という名の教室。どうやって吊るのでしょう。
ではご覧ください。水耕栽培装置の脇に
T形の支柱のようなものが立っています。
トマトはそのTの横棒から伸びた紐に吊られているのです。
面白いことにこの支柱、高さを自由に調節できる優れものですが
なんと目的外使用。こんな使い方をするものでありません。
実はPOPスタンド。店頭で価格やサービスなどを
張り出すものなのです。販売にも取り組んできたフローラは
こんなものまで持っているんですね。
さてもうひとつ目的外使用がありますがおわかりですか。
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目的外使用「ケーブル結束バンド」

2022年05月18日 | 研究
こちらもトマトに施された目的外使用。
トマトを紐で吊っているのですが、
紐をひっかけている白い輪がそうです。
園芸店にいくと誘引する紐やひっかけるものが
結構高値で販売されていますがこちらは違います。
なんとパソコンなどのコードをまとめる結束バンドなのです。
優れた点はひねると輪がすぐはずれること。
これならすぐつけられるし、すぐはずせます。
いったいチームが何につかったものか思い出せませんが、
とても安いのは知ってます。
また輪の大きさもいろいろあります。
このように世の中には目的外使用できるものが探すといっぱいあります。
さらに専用品よりも安いものもあります。
固定観念にとらわれずに、目的だけを考えると
意外な優れものを発見できるかもしれません。
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