教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

恋人の心臓が止まる時

2010-02-04 00:06:29 | 科学
我が恋人の心臓が止まった。

恋人とはいっても生き物ではない。
恋人の名はユーノスコスモ。
心臓の名は13B-REWというシーケンシャルツインターボのロータリーエンジン。

身の上の不幸とはある日突然に訪れるものだ。
その事を久々に思い出した。

ほんとうに何気ない時だった。
普段どおり街乗りをしている最中だった。
アクセルを踏むと突然おかしなエンジン音になり、回転数がどんどん落ち、エンジンがストップした。
それ以来二度とエンジンはかからなかった。

行き着けの整備屋さんに入院させていた。
だが、前側のローター3部屋のうち2部屋の圧縮が0だった。
ようするにアペックスシールが飛んだのだろう。

再起不能だということは薄々は気付いていた。
しかし、もうあの心臓の鼓動を聞けないと思うと、やはり一緒に過ごした思い出の日々が辛いのだ。



ロータリーエンジンの細かいとこは以前書いたのでここでは省略する(※1)。
ようするに最悪で最高のエンジンだ。

世の中、全てにおいて最高なんてものはそうそうありはしない。
車やエンジンにおいてはなおのことそうだ。
いっしょに暮らし始めてからわかることだって沢山ある。

しかし!

最高のところもあって、
最悪のところもあって、
それでも好き。

ユーノスコスモはそう言い切れるほどの車だった。
世の中それだけ情熱を注げられるものがいったいどれだけ存在するというものか。



現行車種での後継機となると、RX-8しか選択肢はない。
しかし今はRX-8を買うつもりはない。

だれだって、
「前の女にくらべておまえは・・・」
などという小言は聞きたくもないし、言いたくもない。
だからRX-8を今は選ぶつもりはない。

いつかはRX-8と暮らす日々が来るかもしれない。
しかし、それでもユーノスコスモの雄姿を上書きすることはあるはずもない。

わたしが人生のひとときをロータリーエンジンの鼓動を聞きながら過ごしたこと。
それは一生忘れられない思い出として年老いてなお残り続けるだろう。

ありがとう。
わたしの命を載せて走ってくれたコスモと、
コスモを作ってくれたマツダの皆様へ。



【※1】
わたしの愛したマシンたち(エンジン編)
http://blog.goo.ne.jp/beamtetrode350b/d/20090828




(↑この絵はマツダの↓公式サイトより勝手に借用)
http://www.mazda.co.jp/philosophy/rotary/