NVIDIAというとGPUで有名なファブレス半導体メーカーである。
いつの間にやらライバルを蹴落として市場を席巻した感じがする。
GPGPUの分野ではもう完全に独占状態なのではないだろうか。
ところが!
最近なんだかNVIDIAについて不穏なウワサをよく目にするようになってきたのだ。
nVIDIAの迷走
http://meta-metaphysica.net/journal/archives/2010/04/nvidia.html
↑たとえばこの記事がユーザー視点から非常に良く解説されている。
あれこれ見ていると、NVIDIAはどうやらよりハイエンド特化に注力するようで、それがある意味で成功したからかGPGPUの分野では確かに独占状態にはなっている。
しかし、それに対してコンシューマー側がお粗末になりすぎにも見える。
コンシューマー側がそんなにお粗末でそれで良いのか?
これは当人にやる気がないからお粗末なのかもしれん。
nForceよ永遠に~NVIDIA 3rd partyチップセット事業を終了へ
http://northwood.blog60.fc2.com/blog-entry-4358.html
NVIDIAのローエンド無視の戦略は明確で、↑このようにチップセットから撤退するとのお話だ。
NVIDIAはたしかにGPGPUでは世界最強である。
しかしそれは産業用であり、マスマーケットではない。
NVIDIAほどの規模の会社をささえるだけのビジネスはそこにない。
NVIDIAは半導体売上ランキング20位くらいであり、半導体の売上ではロームや富士通よりも多いのだ。
NVIDIAはなぜこんな戦略をとったのか?
実はそれは明白だ。
AMDがGPU統合CPU「Llano」のCPUコアの技術を発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/20100215_348705.html
↑このように、世の中はもうCPUのダイの中にGPUを入れてしまうのがアタリマエになる時代を迎えつつある。
そうなったら恐らく、コンシューマーではハイエンド以外でのGPUの需要は壊滅する。
そうなる前にさっさとローエンド付近のラインナップから撤退するのは正しい。
CPUとGPUの統合は容易なのか?
半導体プロセスとしては、CPUとGPUはものすごく良く似ている、というか同じプロセスでも全く問題がないのかもしれないくらい差が無い。
CPUもGPUもどちらも高速ロジックで同じようなものだからだ。
これがCPUとDRAMをオンダイにしようとすると特有の問題が出てくる。
DRAM詰め込み優先でスタックキャパシタにしてトランジスタに熱ストレスが加わるのを許容して遅いCPUでガマンするか、もしくはCPUの速度優先でトレンチキャパシタにしてDRAMの容量をちょっとでガマンするか、…の2択を迫られることになる。
だから別chipで作ってTSVで1パッケージ化するならまだしも、高性能なCPUとDRAMはオンダイでの統合にはメリットが少ないとされ、未だに別々に作られている。
無線LANなどの高周波を詰め込むのはさらにやっかいで、SW電源にいたっては近い将来は現実的なものは作れそうにないと皆が諦めているほどだ。
だからCPUと何かを統合するとしたら、GPUが真っ先に槍玉に上がるのは当然だ。
ではなぜ今までそれをやらなかったのか?
たぶんCPUメーカーにGPUの設計能力がなかったからだろうと思われる。
インテルはチップセットに無いよりマシ程度のローエンドGPUを組み込んで製品化するところから始めた。
AMDはNVIDIA最大のライバルだったATIを買収してNVIDIA同等のGPUの設計能力を手に入れた。
ARMもベンチャーを買収して設計能力を手に入れ、ポン載せでMaliを使えるようにしてしまった。
かつてはできなかったのかもしれないが、今はもはやCPUメーカーがGPUを設計することくらい手馴れたことになっている。
GPGPUの分野で世界最強のNVIDIAには設計能力としてまだ一日の長があるかもしれないが、その優位性は十分に生かせないかもしれないわけだ。
NVIDIAはこれからどうしたいのか?
・・・よくわからん。
最近は携帯のアプリケーションプロセッサに手を出していて、そこではまあTegraが省電力でかつグラフィック性能が高い逸品としてそこそこ名が知れているような気がする。
そっちで生き残りを賭けているのだろうか。
しかし。
これが意外にいい値段するという話も聞く。
消費電力の優劣はともかくとして、インテルのAtomやその周りは案外安いらしく、そちらを使ってシステムアップした場合と値段は同程度になってしまうというウワサである。
ハイパフォーマンスなほうはマジメにWindowsが動くようなモノが好まれるに決まっているし、ローエンドのほうはARMからMaliつきのCPUを買ってきてポン載せしてある有象無象のchipを使えば良い。
そのどちらでもないスマートフォン向けといった市場にTegraは向いているが、しかしそこはそこでQualcommもいるしFreescaleもいる。
ちなみにこれは余談だが・・・
iPhoneやiPadはコアがARMでGPUがPowerVRの単なるポン載せのバカチョンで作ったサムソン製CPUであり、その巨大市場にはTegraは入れない。
はたしてNVIDIAはこれから生き残ることができるのだろうか。
NVIDIAの未来が見えないのはわたしだけではないだろう。
いつの間にやらライバルを蹴落として市場を席巻した感じがする。
GPGPUの分野ではもう完全に独占状態なのではないだろうか。
ところが!
最近なんだかNVIDIAについて不穏なウワサをよく目にするようになってきたのだ。
nVIDIAの迷走
http://meta-metaphysica.net/journal/archives/2010/04/nvidia.html
↑たとえばこの記事がユーザー視点から非常に良く解説されている。
あれこれ見ていると、NVIDIAはどうやらよりハイエンド特化に注力するようで、それがある意味で成功したからかGPGPUの分野では確かに独占状態にはなっている。
しかし、それに対してコンシューマー側がお粗末になりすぎにも見える。
コンシューマー側がそんなにお粗末でそれで良いのか?
これは当人にやる気がないからお粗末なのかもしれん。
nForceよ永遠に~NVIDIA 3rd partyチップセット事業を終了へ
http://northwood.blog60.fc2.com/blog-entry-4358.html
NVIDIAのローエンド無視の戦略は明確で、↑このようにチップセットから撤退するとのお話だ。
NVIDIAはたしかにGPGPUでは世界最強である。
しかしそれは産業用であり、マスマーケットではない。
NVIDIAほどの規模の会社をささえるだけのビジネスはそこにない。
NVIDIAは半導体売上ランキング20位くらいであり、半導体の売上ではロームや富士通よりも多いのだ。
NVIDIAはなぜこんな戦略をとったのか?
実はそれは明白だ。
AMDがGPU統合CPU「Llano」のCPUコアの技術を発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/20100215_348705.html
↑このように、世の中はもうCPUのダイの中にGPUを入れてしまうのがアタリマエになる時代を迎えつつある。
そうなったら恐らく、コンシューマーではハイエンド以外でのGPUの需要は壊滅する。
そうなる前にさっさとローエンド付近のラインナップから撤退するのは正しい。
CPUとGPUの統合は容易なのか?
半導体プロセスとしては、CPUとGPUはものすごく良く似ている、というか同じプロセスでも全く問題がないのかもしれないくらい差が無い。
CPUもGPUもどちらも高速ロジックで同じようなものだからだ。
これがCPUとDRAMをオンダイにしようとすると特有の問題が出てくる。
DRAM詰め込み優先でスタックキャパシタにしてトランジスタに熱ストレスが加わるのを許容して遅いCPUでガマンするか、もしくはCPUの速度優先でトレンチキャパシタにしてDRAMの容量をちょっとでガマンするか、…の2択を迫られることになる。
だから別chipで作ってTSVで1パッケージ化するならまだしも、高性能なCPUとDRAMはオンダイでの統合にはメリットが少ないとされ、未だに別々に作られている。
無線LANなどの高周波を詰め込むのはさらにやっかいで、SW電源にいたっては近い将来は現実的なものは作れそうにないと皆が諦めているほどだ。
だからCPUと何かを統合するとしたら、GPUが真っ先に槍玉に上がるのは当然だ。
ではなぜ今までそれをやらなかったのか?
たぶんCPUメーカーにGPUの設計能力がなかったからだろうと思われる。
インテルはチップセットに無いよりマシ程度のローエンドGPUを組み込んで製品化するところから始めた。
AMDはNVIDIA最大のライバルだったATIを買収してNVIDIA同等のGPUの設計能力を手に入れた。
ARMもベンチャーを買収して設計能力を手に入れ、ポン載せでMaliを使えるようにしてしまった。
かつてはできなかったのかもしれないが、今はもはやCPUメーカーがGPUを設計することくらい手馴れたことになっている。
GPGPUの分野で世界最強のNVIDIAには設計能力としてまだ一日の長があるかもしれないが、その優位性は十分に生かせないかもしれないわけだ。
NVIDIAはこれからどうしたいのか?
・・・よくわからん。
最近は携帯のアプリケーションプロセッサに手を出していて、そこではまあTegraが省電力でかつグラフィック性能が高い逸品としてそこそこ名が知れているような気がする。
そっちで生き残りを賭けているのだろうか。
しかし。
これが意外にいい値段するという話も聞く。
消費電力の優劣はともかくとして、インテルのAtomやその周りは案外安いらしく、そちらを使ってシステムアップした場合と値段は同程度になってしまうというウワサである。
ハイパフォーマンスなほうはマジメにWindowsが動くようなモノが好まれるに決まっているし、ローエンドのほうはARMからMaliつきのCPUを買ってきてポン載せしてある有象無象のchipを使えば良い。
そのどちらでもないスマートフォン向けといった市場にTegraは向いているが、しかしそこはそこでQualcommもいるしFreescaleもいる。
ちなみにこれは余談だが・・・
iPhoneやiPadはコアがARMでGPUがPowerVRの単なるポン載せのバカチョンで作ったサムソン製CPUであり、その巨大市場にはTegraは入れない。
はたしてNVIDIAはこれから生き残ることができるのだろうか。
NVIDIAの未来が見えないのはわたしだけではないだろう。