Always Autumn

Letter from Perth

脱獄の達人 (2018年11月 旧フリーマントル刑務所見学 後編)

2019-02-07 21:37:07 | 2018年11月親戚S家のK子さんとNちゃんと一緒に

こんばんは。

あれよあれよと二月になり一週間すぎてしまいました

パースは5年ぶりの熱波に見舞われております〜。
今回は湿気があるのでだるさ倍増...

土日も40℃近い予報が出ています。
バテバテになりそうです


☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆

では前回のブログ記事の続きを書きます。

2018年11月16日

旧フリーマントル刑務所にて。

札幌の親戚S家のK子さんとNちゃん母娘
パースに初訪問に来てくれた時
旧フリーマントル刑務所を見学に行きました。


今回は刑務所の中身を少々、ご紹介します。
(以下の話はガイドさんから聞いた内容を覚えているだけ書いたもので
間違っているかもしれませんが、大まかなところOKかなと思います。)


床や天井の木材はパースの南の地方原産の
Jarrah(ジャラ)と呼ばれるユーカリ類の硬い木が使用されています。

昔はたくさん伐採されて建物や家具作り、古く19世紀はイギリスに輸出され道路に使用されました。

今は森林保護のためリサイクルの木材も使用されています。

お〜たむ家の床もジャラ材でできています。
刑務所と同じですね(笑)

我が家そのものは古くて価値はありませんが
ジャラの床だけなら結構なお金になるのかも???



囚人たちは刑務所に入りたての頃は独房に入れられ
他の囚人との会話も制限されていました。



態度よく刑期を務めていれば4人部屋に。

腰が痛くなりそう


教会付き、お祈りの時間もありました。

ここでも独房在住の囚人たちは他人との会話を許されず
衝立のようなもので区切られた空間に入り、お祈りをしたそうです

近年ではたまに、ここで結婚式を挙げるカップルもいるそうですよマジか



囚人の中には芸術家タイプもいました。

囚人たちは道具を持つことを許されていなかったのですが
この人は鉛筆(か何か)を使わせてもらえたのですね。

特別配慮がされたのかな。

絵はアクリル板のようなもので保護されています。
ここではフラッシュ撮影は禁止でした。



どんな気持ちでここに絵を書いていたのでしょう...。



地獄絵でも描きそうな境遇の中、この方が描いたのは優しい雰囲気の絵でした。

150年後の今、彼が描いた絵がこうして大事に保存されていると本人が知ったら
びっくりすることでしょう。



他に有名な囚人として一人、何回も逃げた脱獄の達人がいたそうです。

彼はJoseph Bolitho Johns (1826年2月某日生まれ – 1900年8月13日没)通称
Moondyne Joe:ムーンダイン・ジョーと呼ばれたイギリス出身の囚人でした。

貧しい環境に育ち、小さな盗みをして捕まってフリーマントルの刑務所にまで送られました。


何回も逃げるので彼の独房の壁には鉄釘が打たれ
「これで絶対に逃げられないからなっ」と

釘を刺されました。

そして看守長はムーンダインに自信満々で言ったのです。

「もし、これでまた逃げることができたらお前を自由にしてやる」と。



ところがムーンダイン、外の広場の壁に
看守の目を盗んでコツコツと穴を開け

見事、脱走に成功したのでした


彼はその後なんと約2年間、ブッシュ(郊外の深林)に身を隠し続けたのです。

でも油断したのでしょうか。
ある時、スワンバレーのワイナリー:Houghton Winesのワインセラーにいたところを見つかってしまい
とうとうフリーマントル刑務所に連れ戻されました。

「今度逃げたら自由にしてやる」と言い切った看守長はイギリス本国に戻っていたため

他の人がさらなる刑期の延長をムーンダインに言い渡しましたが

他の担当者が
その約束事が確かに交わされたということを証言してくれて

ムーンダインは晴れて自由の身となり、一般人として生涯を終えたそうです


そういうちょっと痛快な脱獄話もあったり
西オーストラリアの歴史のお勉強にもなったりで

親戚のK子さんNちゃん母娘も喜んでくれたツアーでした。

でもこれ、そもそもK子さんが
「刑務所、見に行ってみたい」って言ってくれたんです

私も楽しかったよ〜
どうもありがとう


旧フリーマントル刑務所には他にも夜のツアーとかトンネルツアーなどがあります。

私たちが参加したツアーは、普通コース。
日本語版の解説を聞けるレコーダーみたいのも借りれます。

フリーマントルにお越しの際は是非体験されてみてください




それでは、また。


ご訪問ありがとうございました。

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10 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
刑務所 (上総)
2019-02-09 00:43:15
日本の務所に何度か。(収監されたわけではありません)
頑丈な作りの様で、
150年を経ても健在って感じがしますね。
返信する
Unknown (hitsujigumo3942)
2019-02-09 06:25:49
おはようございます。
前回から興味深く拝見してました。囚人さんたちが自分で作り‥そんな刑務所があるのだと‥

囚人さんの中には色々方が‥芸術家風の方から脱獄常習者から‥
でも‥脱獄常習者さんにはあっぱれですね。
これも才能でしょうか?それとも執念でしょうか?
どちらにせよ‥凄い!
私も見てみたいな〜刑務所見学!
私も地元にある刑務所の中を見せてもらったことがあるのですが‥「囚人さんたちと目を合わせないでください」と言われながら‥少し怖かった事を覚えてます。
返信する
Unknown (一寸法師)
2019-02-09 15:51:04
おーたむ殿

2010 旧フリーマントル刑務所が西オーストラリアの建造物として
世界遺産に登録された件は大変興味深いものがある🙁

我も若し頃
オーストラリア🇦🇺に
住んだ事があり
オーストラリアが罪人流刑地の歴史の時期があった事は知っておったが
おーたむ殿の様に詳しくは知らんかった😐

(世界)世界遺産になるという事は
建物、建造物の造りが良いという事でなく
建物の存在の意味、
その背景にある
歴史の内容の重さと
貴重さが
世界遺産として
登録された事であろう😮

刑務所=犯罪人のいる
場所となると
今一いい感じはしないが、さて
この建造物を観て
世の中の方々が
何と思うのか?
何を考えるのか?
考えさせられるのか?

我はふと何気に
思考してしまった🤔

おーたむ殿
中々の勉強になるぞ😐
返信する
Unknown (笑子)
2019-02-13 11:56:00
わぉ!貴重な内部のお写真ですね~~

ベッドがハンモックみたいな布なのね!!!
そこがめっちゃびっくりしたけど
布団とかベットのマットレスより安上がりで
交換も簡単そう(^^)v
でも疲れとれなさそうね

教会では各々の罪を深く反省し改心の祈りをささげていたのでしょうね~
でもここで結婚式かぁ~~~~(^_^;)
私は遠慮かな~複雑な気分になりそう(笑)

やはりこういうところにはお世話にならないことが1番ね(>_<)
返信する
Unknown (mizuki)
2019-02-15 13:08:21
お〜たむ様

先日は沢山のパースの情報を教えていただき、本当にありがとうございました!

お陰様で、とてもステキな思い出を作ることができました♪
特にフリーマントルのお店はとても居心地も良く美味しい海鮮料理を食べることができ大満足でした!

私は今日本で働いているのですが、ワーキングホリデーをいつかはしたいなと、考えていました。今回の旅で、キングスパークからの眺めを見てパースに暮らしてみたいなと心から感じました…

こんなにステキな経験ができたのも色んな情報を教えてくださったお〜たむ様のおかげです…!ありがとうございます!
旅行は終わったのですが、またお聞きしたいことができましたら、お時間のある際に教えて頂けると大変嬉しいです(^^)
返信する
上総さんへ (お〜たむ)
2019-02-16 15:04:46
上総さんこんにちは。


コメントありがとうございます。



こちらのムショ

私がパースに来た1988年頃はまだ現役でした。

1992年に閉鎖され
中の人たちは
別の場所に移されました。

フリーマントルという観光地の
ど真ん中に刑務所があって

現代までずっと使っていたことに
ちょっと驚いたものでした。


そうですね、建物そのものは頑丈で
歴史も感じられて
まぁなかなかです。


私は日本のムショ見学はまだです。

上総さん地方のムショとか
ちょっと見に行ってみたいな〜と
思っています。

入りたくはないけど〜。笑
返信する
hitsujigumo3942さんへ (お〜たむ)
2019-02-16 23:15:40
hitsujigumoさん、こんばんは。


コメントありがとうございました。

この刑務所の囚人さんたち...
いろんな才能(?)の持ち主がいたようですね〜。
芸術家の囚人さんは刑務所に入る前は

もしかしたら売れない絵描きさんで
生活に困って盗みでもして捕まってしまったのかも。
こうして刑務所の壁の絵が
今では有名になっているけど、今頃あの世で

「もう少し早く俺の絵を認めてくれたらなぁ〜」って
悔しがっているかもしれませんね^^;


脱獄常習犯さんは
刑務所のお役人さんたちとゲームみたいな感じで
脱獄を続けていたのかな〜って

いろんな囚人さんたちの人生について思いを馳せてしまいました。



hitsujigumoさんは実際に使われている刑務所を見学されたのですね。

それは私も少し、怖いかな〜。
こういう場所って、自分は何も悪いことはしていない(はずだ)けど
なーんかドキドキしちゃいそう。

あれかな、おまわりさんを見ると
逃げたくなるのと同じ心境なのかな(爆)
このまま、ごくごく平凡な人生を続けたいものです(笑)

返信する
一寸法師さんへ (お〜たむ)
2019-02-16 23:59:51
一寸法師さん、こんばんは。

いつもユニークなコメントをありがとうございます。


かつてオーストラリアにいらした
一寸法師さんに
このブログの内容が
勉強になるとおっしゃっていただけて光栄です。
私はオーストラリアの歴史に詳しい〜ってほどではないのですけど

学校の世界史で習ったことが本当にあったんだ〜と
実感することが度々あり
(当たり前なのですが)
それが面白くて調べるのが好きだったりします。


一寸法師さんがおっしゃったように
フリーマントル刑務所が世界遺産になったのは、
歴史的な背景も含まれてのことだとガイドさんも言ってました。

今の世界があるのは、過去の黒い歴史もひっくるめてのことなのでそういう遺産も
後世に残していくべきなのでしょうね。
フリーマントル刑務所で教えてもらったこと、いろいろ考えちゃいます。
罪人だった人たちが最初の頃の鉄道や道路を作っていたとかね…
もしもあの世でそういう人たちに会えたら
、ひとこと
ご苦労様でしたと言ってあげようかしらん^^
返信する
笑子さんへ (お〜たむ)
2019-02-17 00:13:22
笑子さん、

こんばんは。

コメントどうもありがと〜。


刑務所見学って不思議。
自分は何も悪いことはしていない(はずだ)けど、
なーんかドキドキしました(汗)
もう20年ほど前、父とその兄である親戚のおじさんがパースに来た時に
「こういう刑務所にはどんな人が入っていたんだろう」と言ったら
オットのRさんが
「うーん…自分たちの先祖、ですかね?」と答えたので
おじさん、爆笑していました。
まー確かに、確かに!(笑)



ハンモックのベッドは、リゾートだと寝てみたいけど
こういうとこで毎日寝るのはやだよね〜。
寝相悪いと落っこちるよきっと。
でもマットレスはお金かかっただろうし
あとダニとかでそう^^;


刑務所内の教会…
ここじゃ結婚式したくないよね〜。
「刑務所で式を挙げました」なんて…

ちょっと、何やらかしたの、って言われるよね(笑)

そうそう、こういうとこに
お世話にならずお互い、ごく普通の人生を送りましょうね♪






他の国を訪ねるとき
こういう博物館系を回るのも
その国を知るきっかけになって良さそうです。


またどこか面白そうなところへ行ったら
ブログにアップしたいものです^^

返信する
Mizuki様へ (お〜たむ)
2019-02-17 00:16:59
mizuki様
こんばんは。


コメントをどうもありがとうございます。


パース旅行、お疲れ様でした〜。

楽しいお時間を過ごされ良い思い出もできたとのこと、よかったです〜♪
フリーマントルのお店でのお食事もお気に召していただけたそうなので
、安心いたしました☆
大した情報ではありませんでしたが
、mizuki様の旅のお手伝いを少しでもできたこと、嬉しく思います。

はい、また何かありましたらご質問承ります(笑)

日本はまだまだ寒いと思いますが、お仕事頑張ってくださいね^^
返信する

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