勤労感謝の日、皆さんはいかがお過ごしだったでしょうか。
社会人の皆様、日々お疲れ様ですと感謝しつつ、
私はホリデーをとらないでフィールドワークに出かけました。
出かけた先は島津製作所 創業記念資料館。
京都の中でも特に粋な木屋町通りの、高瀬川沿いに佇む美しい日本家屋の資料館です。
島津製作所といえば・・・・・そう
2002年にノーベル化学賞を受賞した田中耕一さんがお勤めされているところです
実はうちの近所にも島津製作所があるんですよ~。
あの島津藩の紋章が印象的ですが、普段は自転車で横切ってチラ見する程度で
実際どんなことをしている会社なのか知りもしませんでした。
田中さんのノーベル賞以来、「科学技術開発の会社」なんだなと
なんとなく思っていた程度で、特に気にもとめてなかったのですが
師匠との話の中でここの資料館について話題が盛り上がり、
「お前、ドイツ人が明治時代どんなことを日本に伝えたか勉強して来い」というわけで
フィールドワークの一環として訪れたのでした。
文型の私にとって一見全く関係なさそうなんですが、
これがどっこい、関係ありまくりなのです。
明治時代にドイツ人が日本にもたらした医療・科学・工学の発展はいうまでもない
んですが、ここには当時日本に伝わったそれらの最初の器具が全て展示されているのです。
ドイツから初めて日本にもたらされた器具、資料、文献が約600点。
かなりメジャーなところでいうとX線を発見したレントゲン博士!
実際に日本で始めてレントゲン撮影に成功したX線装置がありました。
下の画像はドイツにあるレントゲン博士のお宅と、当時の様子。
博士自身が書かれたドイツ語の手紙もあったのですが
かなり達筆なため、残念ながら全然読めませんでした・・・
資料館の敷地であるお庭も散策できました。
手入れが行き届いていてお見事
ここには昭和天皇や現在の天皇、皇太子ご夫妻も訪れているんですね~。
歴史を感じさせる写真が展示されていました。
あ、あと小泉前首相と田中さんご一緒に写っている写真なんかもありました。
ほかにも国産最古の顕微鏡や木製の旋盤、明治時代の理科教材、実験用のパイプオルガン等々、
日本の科学技術のルーツを目の当たりにできるものが並んでいます。
多くのドイツ人が日本の教育・医療・産業の発展に携わっていたことを
まじまじと知ることができました。
これまでドイツについて勉強してきていたはずなのに、まだまだ知らないことや
知らなさすぎたことがありすぎて、若干恥ずかしくなりました。
ここでは島津製作所の歩みだけではなく、日本の近代科学がどのように発展していったかを知ることができ、本当に一見に値する資料館です
先代が残した「社訓」のような覚書が展示されているのですが
その言葉ひとつひとつ どれも 端的で かつ 非常に納得できるものでした。
先人たちのたゆまぬ努力の賜物が今の科学技術発展の礎となっていたんですね。
誠実でかつ優秀な人材が輩出された理由がよくわかる気がしました。
田中耕一さんのノーベル賞受賞とその技術について
映像による特設コーナーがあり、そこに20分も見入ってしまいました。
映像の中では、田中さんご本人が語るのですが
実に謙虚で しかし自分をしっかりもっと人だなというのが
伝わってきました。
研究が好きで休憩の時間も惜しまず実験を繰り返したそうです。
実験をしていけばいくほどおもしろくなっていき、もっと挑戦したいと
意欲が湧いてきたと言います。
すごくいいコメントだったのが
「一見まとはずれなことをしているようで実はどこがで直結するかもしれないし、
失敗を繰り返すこともまた経験という知を得ることができます。」
みたな感じのことをおっしゃっていました。
(私のつたない言葉で省略しすぎですが…)
うんうんと頷いては、感心させられる言葉の数々ばかりでした。
この資料館、理系教科の苦手な私でも楽しめたので
理系で、とりわけこういった分野に興味のある方は2倍、3倍楽しめるところでは
ないだろうかと思いました。
というわけで
フィールドワーク、大成功(自己満)