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琵琶湖漂着流木に関する実態調査を行った。
2013年、台風18号による豪雨は9月16日午前2時にピークを迎え、雨量は1時間に22.5mmに達した。
一方、雨が小降りになってから風が吹き始め、午前7時に琵琶湖東岸での最大有義波高は78㎝を越えた。
つまり流木は夜半に河川から湖に流出し、早朝に岸に打ち上げられた可能性が高い。
そこで、琵琶湖北湖に流入する三大河川(安曇川、姉川、愛知川)から流出した流木がどこに漂着するかのシミュレーションを行った。
計算は9月1日から12月31日まで実施し、流木の追跡は9発16日2時から8時までについて行った。
これによると、安曇川から流出した流木は沖島西岸に、姉川から流出した流木は彦根付近に、愛知川から流出した流木は新海浜漁港周辺に漂着した可能性が高いことがわかった。
このことは、2月25日に新海浜漁港でヒアリングした漁民の証言とも一致した。
この漁民の話によると、愛知川の増水によって大量の木材が流出し、その多くが新海浜西岸に漂着した。
それらの一部はエリにぶつかり、エリを崩壊させた。
漂着した流木は滋賀県によって順次撤去されており、2014年2月25日の段階では、新海浜西岸に残っているだけだった。
愛知川以北では流木の回収はほぼ完了していた。
薩摩町付近では特にきれいになっていたので、地元民に理由を聞いたところ、老人会が月1回湖岸の清掃をしているとのことだった。
つまり、古くから住民が住んでいる地域では湖岸を清掃する習慣があるので、小型の漂着ゴミは随時回収されている。
ただ、今回のような大型の流木については地元自治体の支援がないと撤去は困難なようだ。
一方、新海浜のように近年になってから開発された地域では地元民によるゴミ回収の習慣がないので、流木の回収も後回しになっており、またすでに流木が回収された地域でもテレビなどの小型ごみが湖岸に放置されていた。
無作為に選択した領域60m2(奥行10m×幅6m)の中に存在した10本の流木の重量は総和206.6kgであった。
最大重量は30㎏、最小重量は5㎏であった。
また周辺にあった最長の流木長は19.4mであった。
琵琶湖東岸25㎞に一様に流木が存在したと想定すると、約860トンの流木が漂着したことになる。