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桜の花には、不思議な艶ある。
白と赤の混じった色調は、まるで切腹の場のようだ。
短期間に咲き誇り、あわただしく散っていく。
潔さともいうのだろうか。
無垢の色を求める日本人の自然観に通じるのだろう。
そう言えば、日本人は中間色を使うという習慣が少ない。
その辺が、アフリカにすむ人々とは異なる気がする。
勧善懲悪を好み、熱しやすくて冷めやすい。
微笑ましい人々である。
ただ、社会的弱者に対して集団で制裁を加える傾向もあるので気を付けた方がよい。
中間色というのを、多様性と置き換えてもよい。
多様な考えや、多様な生き方を否定してほしくない。
仮に少数であったとしても、多様であることが我々を救うことになることも多い。
久しぶりに穏やかな日差しの中で、桜の花を見ながらそんなことを考えた。
組織を守るために個を殺してはいけない。
個が守られ、個が輝くことが、組織全体の生き残りにつながることを忘れてほしくない。
私は、そんな社会が実現することを願っている。