
散歩を兼ねて近所の郵便局へ出かけた。
歩きながら、ふと水路を見ると赤い水が流れていた。
「これは???」
明らかに鉄が酸化した色だ。
瀬田唐橋近くで自噴する深井戸「エンコ」の水色と同じだ。
100メートル以上深い井戸の水は、溶存酸素濃度が低い。
だから、二価の鉄が溶けだしている。
それが地表に来ると大気と触れて酸化し三価の鉄になり、赤色に変わる。
ということは、上流で深い地中から地下水が湧き出している可能性がある。
こうして、郵便局からの帰り道、赤い水の水源を訪ねる私のプチ冒険が始まった。
この水はどこから来ているのだろうか。
これまでこんな色の水を近所で見たことがない。
一体何が起こっているのだろうか。
京滋バイパスを越え、新幹線を越え、瀬田地方特有の曲がりくねった道を進んだ。
やがて自宅近くまで辿り着いた。

「あった!」
ついに赤い水の源流を発見した。
なんと、自宅から100メートルほど離れた水路で、赤い水が滾々と湧き出ていた。
なぜ、今頃ここで?
昔はなかったな?
そんな疑問が脳裏に浮かんだ。
経験から言って、何らかの地殻の収縮が起こっている可能性がある。
注意が必要だ。
さてどうしたものか。
もう少しきちんと調べた方がよいのかもしれない。
大きな地震の予兆かもしれない。
いま私にできることは、可能な限り科学的に対処することだろう。
ということで、今日は何もしないで帰ってきた。
たぶん何事も起こらないと思うのだが、放ってもおけないだろう。