多くの若い優秀な研究者を育ててきたことが評価された。
陸水と海洋の国際学会が行っている表彰の一つだが、もらうのは結構大変だ。
それだけに長年の友人がこの賞をもらうことはうれしい。
受賞講演の中で私への感謝も述べてくれたことに驚いた。
気恥ずかしい思いである。
欧米の研究者は、若い人を積極的に励まして教育し表舞台に出してやる。
日本の研究者は、若い人の足を引っ張って生き残ったものだけを評価する。
どちらも一長一短だが、私は楽しいほうがよいと思う。
懸命にやるかどうかは本人の問題だし、指導者から試練をもらっても役にもたたない。
自分が競争社会の中で生き残ったからこそ、若い人にやさしくなれるのだろう。
実力の無い教授が多い日本の社会では、教える側の資質がもっと問われてもよい気がする。
ところで今回の学会での発表の中で、外来種の問題が議論されていたのでのぞいてみた。
登場するのは、アメリカに移入してきたAsian clam や Asian carpだ。
これらを撲滅するために驚くような取り組みがされている。
面白いと思うのだが、これらはアジアでは食用となる重要な魚介類だ。
ニューオリンズの名物はcrayfishというザリガニだ。
これは琵琶湖では敵扱いされている。
お互いにその地域の生態系を守るというのが主張だが、どこまでやれば気がすむのだろう。
そのうちに、ドームに囲まれた生態系の中で我々は暮らすことになるのかもしれない。