
仲間というのは、いつの日もよいものだ。
今、多くの研究機関で、組織の再編が起こっている。
古い組織が壊され、集約化され、力の強い組織へ統合化されている。
それが良いかどうかは別として、結果的に仲間が崩壊していく。
何かよいシステムが出来ないものかと思案してきた。
如何せん、研究者の力は弱い。
もっと強い存在になりたいと思うが、結果的に流されてしまう。
今の政治のようなものだ。
決して、敵に弱みを見せてはならない。
自民党がすばらしい政党だとは思わないが、あまりにも民主党がだらしない。
私の懸念は、日本の良さがどんどん失われていくことだ。
多くの友人たちが困惑しながら、新しい社会を迎えている。
日本らしさとは、貧しくても助け合う社会だったはずだ。
金曜日から、カナダ人、アメリカ人とモンゴルへ行く。
今日、そのうちの一人からメールが届いた。
「面白いことに誘ってくれてありがとう。金じゃないよ。」
老人たちが元気で、楽しく助け合える社会であって欲しいと願っている。

琵琶湖の鮎が不漁らしい。
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アユ:琵琶湖激減 名物えり漁、打撃深刻 漁獲量、平年の3割 /滋賀
毎日新聞 2013年06月26日 地方版
琵琶湖10+件に生息するアユの群れが今年激減している問題で、名物の「えり」によるアユの漁獲量(5月分)も平年の3割に落ち込んでいることが分かった。異常が指摘されていた魚群数は、6月も平年比14%と依然低い水準にとどまり、琵琶湖の総漁獲量の半分近くを占めるアユ漁業への影響が危ぶまれている。
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1990年頃から減少に転じ、2007年には2000トンを割り込むようになってきた。
なぜこのような変化が起こってきたのだろうか。
琵琶湖で1990年頃から変化しているのは、水温だ。

水温の変化は、さまざまな面で魚に影響を与える。
栄養やエサ、魚の生息環境、産卵条件などなど、いろいろある。
可能性としては一番高い気がする。
水温上昇の傾向は、止まることはないだろう。
ラブロックが言うように、レジームシフトに向かっているのだろうか。
いや、すでにティッピングポイントを超えたと言う話もある。
8月に国際陸水学会がハンガリーのブダペストで開催される。
温暖化のセッションで議長をするように依頼がきた。
もう少し真剣に考えるべきだと思う。

やっとモンゴル行が決まった。
と言っても、出発は今週の金曜日だ。
とても忙しい。
今から準備に取り掛からないと。
記録によると最後にフブスグル湖を訪れたのが2005年のようだ。
あれから8年もたってしまった。
まるで浦島太郎のような。
フブスグル湖は、面積が琵琶湖の4倍、深さは2.5倍もある。
馬鹿でかい湖だ。
まあ、何というか、そんな湖に魅せられてしまったのだ。

何としてもこの湖から沈んだ車を引き揚げるのだ。
そのために水中ロボットを持参することになった。
今回は数日しか船が借りれないので、やれることは限られている。
湖底の映像を撮って、来年の計画を立てる参考にしたい。
できれば以前設置して行方不明となっている水温計も回収したいな。
いろいろな思いが込み上げてくる。

日本海洋学会で極域の気候変動に関する特別セッションをするという。
9月17日から21日までで、開催地は北海道大学だ。
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南極海は、北極海のようにメディアに取り上げられることは少ないが、実は確実に変わりつつあることが最近の研究でわかってきた。
それは、世界中の底層に拡がり海洋大循環を作っている南極底層水がこの30年で減少しつつあることや、海洋酸性化が顕在化して生態系に深刻な影響を与える可能性があることなど、地球の気候や生態系に関わる重大な変化である。
一方、今から30年ほど前は、夏でも北極海のほとんどが多年氷で覆われていた。
それが21世紀になり、夏の最小海氷面積の減少は予想を上回る早さで進み、今やその面積は1980年代の半分にまで減った。
近い将来、北極海が季節海氷域になるのは必至と言われている。
その時には、北極海を取り巻く自然環境は、大きく変わるであろう。
加えて季節海氷域となった海は、北極海航路など封印されていた社会的な役割、あるいは経済活動への期待が熱を帯びている。

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環境異変を危惧する人もいれば、新たなビジネスチャンスと思う人もいる。
研究者たちはしたたかだ。
どちらに転んで、これまでにない研究成果があげられるからだ。
ただ、人間や野生動物がどこまで耐えられるかは未知数だ。
いつの日か、もっと大きな気候変動がおしよせてくるだろうし、それに備えて準備するのも役割なのかもしれない。
もう後戻りは効かない。

何となく、モンゴルへ行く話が本当になりそうだ。
最後にフブスグル湖の調査をしてから、ほぼ10年の月日がたっている。
どう変わったのだろうか、とても興味がある。
温暖化の影響が出ているのだろうか。
かつてこの地を訪れた時、船員たちが網を仕掛けて、魚を取ってくれた。

マス科の魚やハゼ科の魚がいた。
ナマズも取れた。
調理して食べると結構うまかった。
今はどうなっているのだろうか。
もう少し遅い時期になると、湖岸で野生のブルーベリーが取れる。
濃密で味が濃い。
おいしい湧水もある。
そのそばにトリカブトが群生していたのには驚いた。
自然はどんどん変わってきている。
人々は昔を懐かしむが、決して元と同じ状態になることはない。
どうやって自然の変化と調和するのか。
このことがとても大切だ。
フブスグル湖の友人たちや魚たちと再び会えることを期待している。
できればこの地だけは決して変わらないとよいのだが。
それは外からの訪問者の独善的な欲望なのかも知れない。

琵琶湖の湖底水温は、1990年から急激に上昇している。
琵琶湖はもう、だめかもしれない。

昨日、第17回生態学琵琶湖賞の授賞式が行われた。
私も、日本陸水学会会長として出席した。
受賞したのは、東京大学の大手信人さんと京都大学の中野伸一さんの二人だ。
大手さんは、森林の水循環と生態系の関係を調べている人だ。
中野さんは、水中の微生物が果たしている役割を研究したいる。
どちらも時間と忍耐の要る研究対象だ。

森と水、なんともにくい選考の演出だった。
NPO法人びわ湖トラストも、森と湖の相互作用について学習している。
気候の変化がもたらす災害は、私たちが付き合っている森や湖にも及んできている。
それはこれからも拡大していくのではないか。
自然のエネルギーは人間の制御能力を大きく上回る。
年間に琵琶湖に入ってくる太陽の熱エネルギーは、滋賀県で使うすべてのエネルギーの60年分にも及ぶ。
人間に出来ることは、とりあえず良く知ることなのだろう。
その意味で、二人の記念講演は時宜を得ていた。
調べて、記録して、そしてどうするか。
深刻な問いかけがなされている。
新しいシステムを目指して blog.goo.ne.jp/bitex1993/e/d4…
新しい社会システムを目指して blog.goo.ne.jp/bitex1993/e/d4…
kumagai: 新しい社会システムを目指して bit.ly/19ZYRws

モンゴルへ行くことが本格化しそうだ。
それだけ国に余裕ができてきたのだろう。
資源を持つ国の優位さがある。
スフバータル号は、350トンあり、フブスグル湖最大の船だ。
現在ではおもに観光に使っている。
それだけに、昔と比べて借りにくくなっている。
昔は、1週間借りて50万円くらいだった。
今は1時間350ドルだという。
1週間で300万円くらい必要だ。
Hに小型船を探してもらった。
これでも1時間245ドルだ。
その代り高速なので、ゲルキャンプから往復できる。
この方が割安かもしれない。
久しぶり(8年ぶり?)に訪問するフブスグル湖に、何か郷愁を感じる。
ガンバ君のお父さんはなくなったそうだ。

多くの若者が都会へ出た後に、ガンバ兄弟はハトガルに残っている。
よほどふるさとが好きなのだろう。
古い友人たちと会えるのが楽しみだ。
私の経験が、この美しい湖の環境を守るのに役立てばよいと思っている。
ゴールドマンも、リチャードも張り切っている。
そのうち、世界のシニア研究者憩いの村でもこの地に作ろうか、と思ったりする。
夢でも、思い続けていると実現するようだ。
そろそろ古い友人たちにお別れをする時期が来ているのかもしれない。

昨日、シニア大学で講義をした。
350名もの受講生を前にして、その熱気にたじたじとした。
いま、シニアが元気だ。
学生相手の授業のほうがさえない。
シニアの力と知恵を社会に活かすべきだと思う。
どうやってその仕組みを作るのか。
国会討論や選挙演説を聴いても、どの政党からもその回答がない。
一方で、国際社会に勝ち抜く若い力が必要だ。
以前にも書いたが、答えは一つしかないのではないか。
縦社会と横社会の組み合わせだ。
60歳までは競争主体の縦社会で、
60歳過ぎたら社会保障主体の横社会を作る。
つまり、市場主義経済と社会主義経済のミックスだ。
縦社会のほうは現状でよいのだから、横社会の仕組みを考える。
私には腹案があるが、ここでは政治家の任せよう。
課題は、働くことに生きがいが感じられ、安定した老後が築ける仕組みつくりだ。
できれば社会保障とセットにしたほうがよい。
シニアによる共同社会といっても良いだろう。
Job Satisfactionが基本だ。
死ぬ前くらいは自分が好きな仕事をしたいではないか。
4月からNPO法人びわ湖トラストの事務局長になった。
続々とシニア会員が増えている。
シニアが活躍できる場を作り出したいと考えている。
これがささやかな私の公約だ。

1995年1月、私は中西さんとネパールにいた。
JICAのエキスパートととして、ポカラ周辺の湖沼調査をしていた。
ポカラ湖沼群で一番大きい湖は、フェワ湖である。
名峰アンナプルナのを望むこの町の周辺には多くのホテルが立ち並び、多くの観光客が押し寄せる。
アジア開発銀行が下水道を整備したが、各家々は経費がかかるという理由で、下水管の接続に積極的でなかった。
結果的に流入する雑排水で、湖にはアオコが発生し、時にはススミズが出た。
無酸素の水が顔を出すのだ。
時には大量の魚が死滅した。
私たちは、毎日、水産養殖場へ通い、指導に当たっていた。

1月17日の朝、衛星放送が急に騒々しくなった。
日本で地震?
BBCやCNNの放送が流れる。
かなり大きいようだね。
中西さんがつぶやいた。
阪神大震災の発生だった。
電話は不通になったが、衛星放送だけは刻々と炎上する街角を映し出していた。
私が留守中によく日本で災害が起こる。
このときの記憶は、まだ鮮烈に私の脳裏に残っている。
2013年7月、モンゴルの湖沼調査中に何もなければよいのだが。

ハワイのマウナロア観測所=米海洋大気局提供・共同
同観測所のデータは大気の状態を正確に把握する世界の標準的指標である。
地球温暖化の深刻な被害を避けるためには、CO2を含む温暖化ガスの濃度を450PPMまでに抑える必要があるとされている。
NOAAによると、同観測所では2013年5月4日までの1週間に平均399.58PPMを記録した。
5月5日以降に変動しながら上昇し、5月9日に400.03PPMに達した。
昨年の同時期は約397PPM、10年前の同時期は約379PPMだった。
同観測所は標高3397メートルにあり、人間活動の影響を受けにくい。
恒常的に400PPMを超えることになれば、地球規模の温暖化が起きた500万~300万年前の鮮新世と呼ばれる時期以来となる。
*** これは日経新聞の記事だ。
いよいよCO2濃度が400PPMの時代が到来した。
ガイア理論の提唱者であるジェームズ・ラブロックによると、500PPMを超えると不可逆になるらしい。
気温が急激に6℃上昇し、その後二酸化炭素が増えても減っても気温は変化しないという。
地球の平均温度が本当に6℃あがる???
嫌な世の中だ。