これはボルネオ・シパダン島のジャングルに生えていた椰子の木です。
熱帯の孤島でのこんな光景は、時の流れが一瞬止まってしまったかのように思えます。
が、 時は常に流れ過ぎてゆき、今この瞬間も留まる事もなく過ぎ去ってゆくのです。
松尾芭蕉さんでしたか、「月日は百代の過客にして行き交う時もまた旅人なり」とか仰っていらっしゃいましたね!
クーの両親は高齢ですが未だ健在でして、それはそれで幸せな事ではあるのですが・・・
先々週に母が外で転倒してしまい、数年前にやはり転倒し大腿骨骨頭を骨折して太いボルトが入っている部位をまた強打してしまい、「痛くて歩けない」との事で車に乗せて病院に連れて行き、なんとか大事には至らずにすみましたが、
数日前、今度は夜中に「父が息が出来なくて死にそうなので直ぐ来てほしい」、と連絡があったのですが晩酌をしてしまっていて、車では直ぐには行けず朝行ってみると、ベッドでいつもの顔つきで苦笑いをして「眞一に昨日電話で言われた通りに薬を飲んだら楽になれたよ」と・・・
心筋梗塞・慢性心不全で肺に水が溜まってしまい、呼吸困難でICU に緊急入院したのは僅か数ヶ月前のことなのに・・・
今年90才になる父は医者嫌い、病院嫌い、入院嫌いで、薬嫌いときたもんだ!
担当医から「薬で辛うじて入院しなくても居られるんですからね!」と、あれ程言われていたのに・・・・・
戦前に教師になる為の学校に行き、漢字も抜群に知っていて、本も凄い数を読んでいて、物事を良く理解している人だと思い込んでいましたので、昨今の父には頸を傾げるクーであります。
緊急連絡用にと携帯電話を買って渡しても、短縮ボタンでのかけ方を何度教えても覚えられない。
先週伝えておいた事を全く覚えていない。
などなど・・・
人間の、人生の、最晩年の姿を、
ひとは皆こうなっていくんだな~と
そして、クー自身もまた同じようにこの道を通り過ぎるんだな~と
妙に冴えた眼で、「年」を「時間」を見つめてしまったクーなのでした。