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沖縄サンバカーニバル、名古屋サンバカーニバルへのオ・ペイシの情熱を語っています。世界一、心のこもったカーニバルを!

サンビスタ(サンバ人)とは・・・

2011-04-05 | サンバ
 サントスFC応援団のサンバチーム、トルシーダ・ジョーベンのカーニバル当日。いよいよパレード出発、というとき、私がサンビスタとして尊敬するジョージがボロボロのドブネズミのような、格好で皆の前に登場しました。

 なぜ、彼がこんな汚れた格好で、晴れのカーニバルに来たのか、一目瞭然です。
 徹夜を続けて、今の今まで、パレードに出す山車を作っていたのです。

 この彼は、私のバテリア(打楽器)の先生で、カイシャ(スネアドラム)のバチの持ち方から教えてくれた人です。
 サンバの打楽器は、何でも演奏でき、バテリアの指揮者もできます。作詞作曲もでき、毎年の選曲会では常連のメンバーです。歌も歌え、特に、サンバが始まる前のグリット(雄叫び)が上手く、他チームの選曲会にも雇われているくらいです。

 これだけ音楽的才能がありながら、ここ数年の彼のポジションは、アルモニア(統率係)。しかし、できるサンビスタは、どの役についても、力を発揮できるものです。練習では、マイクを持ち、皆に振り付けの指導を率先してやっていました。

 アルモニアはカーニバル当日は、チームのおそろいの服に白ズボン、白靴、といったきれいないでたちで、皆を誘導するのですが、ジョージは、華やかなカーニバルとはまるで縁遠い薄汚い格好でバテリアの前に現れ、両目を涙で真っ赤にしながら、「ボン・デスフィーレ!」(いいパレードを!)と、みんなに声をかけてくれました。

 彼は、溶接もでき、カーニバルの作業場でずっと働いているので、今年の私の衣装の骨組を溶接してくれました。サンバの作業のほぼ全てができる人、彼こそサンビスタであると思います。

 いざ、パレードコースに入ったら、彼は、コースの通路をボロボロの服に、数日間連続で、徹夜でパレード会場で作業をしていたらしく、身の回り品を入れたリュックを背負って通路に入りました。
 そこでも、アルモニアの力量を発揮し、出場者がパレードコースをフルに広がるよう、誘導をしていました。

 サンバの才能のある人ほど、裏方を務め、パレードの縁の下の力持ちとなる。
 サンビスタとは、かくあるべきだと思いました。

 オ・ペイシの「沖縄サンバカーニバル」も、裏方を務める人がどれだけいるかで、カーニバルの成功が決まるのだと、しみじみ感じました。踊ること、楽器を叩くことが、カーニバルでは決してないのです。

(写真は、ジョージが作った先頭の山車。有能なサンビスタは、何でもできる。)

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