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100周年 結びつきは宗教

2008-07-06 | サンバ
 日本人ブラジル移住100周年のイベント、舞台裏を支えてくれたのは、5000人を超えるボランティアの人たちでした。ポルトガル語で、バスチドーレス(裏方さん)と呼ばれ、練習から私たちによく付き合ってくれました。

 我々出演者もボランティアですが、誘導係、会場係、お年寄りの補助、交通整理、警備、と人手がなければ、この大イベントは成立しません。しかも、確実に仕事ができる人たちでなければならないのです。

 この100周年の裏方ボランティアを務めたのは、地元の宗教団体に所属する人たちでした。ブラジルの創価学会、生長の家、天理教。この3団体がスタッフを動員していたのです。スタッフには、日系人よりもむしろブラジル人の方が多かったように思います。

 雨の中、一日中立ちっぱなしで、観客席の警備をしていたモレーノ(褐色)の兄ちゃんに「寒いのに大変ですね」と声をかけると「いや、先生が僕たちにこの機会をくれたんですから、ありがたいことです」。彼はセンセイと日本語で言っていたのですが、彼の師匠のことなんですね。

 私たちのブロッコ・アリガトウ担当のスタッフのパウラは、毎週火曜日の文協ミーティングに参加すると、終バスに間に合わなくなり、家に帰れなくなってしまうというのに、最初から最後までよく付き合ってくれました。

 彼女は、4カ月間の練習に全部参加して、我々グループと事務局の連絡係をしてくれていました。本番で最後のステージが終わったあとは、「もうブロッコ・アリガトウのサンバが聴けなくなってしまって、さみしくなる」と何とも嬉しいことを言って別れを惜しんでくれました。

 こうした人たちが、宗教、という結びつきで、この100周年を支えたのだと思うと、ふだん私は宗教を意識することはほとんどないのですが、実家の仏壇を大切にしよう、と思ったりしたものです。
 
 

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