chuo1976

心のたねを言の葉として

「チェルノブイリ・ハート」(2003年 マリアン・デレオ監督、ウクライナ、米国合作)

2012-03-29 16:04:38 | 文学
「チェルノブイリ・ハート」(マリアン・デレオ監督、ウクライナ、米国合作)

 

   

 1986年4月26日に起きた旧ソビエト連邦のチェルノブイリ原子力発電所4号炉の爆発事故。それから16年、アメリカ人の女性ドキュメンタリー作家がベラルーシ共和国を訪れ、いまもなお被爆被害に苦しむ人々の姿をつづったドキュメンタリー。第76回アカデミー賞でドキュメンタリー短編賞を受賞。


 チェルノブイリ・ハートとは、“穴のあいた心臓”、“生まれつき重度の疾患を持つ子ども”の意味である。ベラルーシでは現在でも、新生児の85%が何らかの障害を持っている。1986年4月26日、旧ソビエト連邦(現ウクライナ)のチェルノブイリ原子力発電所4号炉が爆発事故を起こし、放射性降下物はウクライナ、ベラルーシ、ロシアを汚染した。2002年、ベラルーシ共和国。原発から半径30キロ以内の居住は禁止されている。さらに北東350キロ以内に、局所的な高濃度汚染地域“ホット・ゾーン”が約100ヶ所も点在している。ホット・ゾーンでの農業や畜産業は、全面的に禁止されている。そんななか、ホット・ゾーンの村に住み続ける住民、放射線治療の現場、小児病棟、乳児院の実態に迫る。さらに4年後、事故から20年が経った2006年、事故があってから初めて故郷を訪れた1人の青年は、廃墟となったアパートへ向かう。爆心から3キロの強制退去地域は、1986年で時間が止まっていた。青年は1986年のカレンダーを見つめて、近親者の10人がガンで死んだこと、自分もそうやって死ぬ確信があることを語る。その1年後、青年は27歳の生涯を閉じた。



   
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「鄙ぶりの唄」     茨木のり子

2012-03-29 09:57:50 | 文学
  鄙ぶりの唄
       茨木のり子

 それぞれの土から
 陽炎のように
 ふっと匂い立った旋律がある
 愛されてひとびとに
 永くうたいつがれてきた民謡がある
 なぜ国家など
 ものものしくうたう必要がありましょう
 おおかたは 侵略の血でよごれ
 腹黒の過去を隠しもちながら
 口を拭って起立して
 直立不動でうたわなければならないか
 聞かなければならないか
      私は立たない 坐っています

 演奏なくてさみしい時は
 民謡こそがふさわしい
 さくらさくら
 草競馬
 アビニョンの橋で
 ヴォルガの舟歌
 アリラン峠
 ブンガワンソロ
 それぞれの山や河が薫りたち
 野に風は渡ってゆくでしょう
 
    ちょいと出ました三角野郎が
 八木節もいいな
 やけのやんぱち 鄙ぶりの唄
 われらのリズムにぴったしで
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札幌国際芸術祭

 札幌市では、文化芸術が市民に親しまれ、心豊かな暮らしを支えるとともに、札幌の歴史・文化、自然環境、IT、デザインなど様々な資源をフルに活かした次代の新たな産業やライフスタイルを創出し、その魅力を世界へ強く発信していくために、「創造都市さっぽろ」の象徴的な事業として、2014年7月~9月に札幌国際芸術祭を開催いたします。 http://www.sapporo-internationalartfestival.jp/about-siaf