chuo1976

心のたねを言の葉として

五本の線       上丸春生子

2016-11-30 03:21:43 | 文学

五本の線       上丸春生子

 

煤によごれて

赤黒く染った

時計のかかっている柱に

横にひかれた五本の線


それは親しい友と

背丈を計って記した

なつかしい

思い出の線である

一番上の線はMさん

次の線はOさん

三番目の線は私

四番目はKさん

下の線はTさんだ


Mさんより教えられたもの

其れは苦しみのどん底に求めた

真理こそ

最大の幸福であると


Oさんから貰ったもの

それはどんな大きな怒でも

じっと耐えて一時間後に

爆発させても遅くないと


Kさんに学んだもの

それはどんな人にでも

同じ様に

尊敬を払うことだと


Tさんが諭してくれたもの

それは古い諺だ

何時までも

あると思うな親と金


だが私は

どの一つも身につけることが

いまだに出来ない

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

札幌国際芸術祭

 札幌市では、文化芸術が市民に親しまれ、心豊かな暮らしを支えるとともに、札幌の歴史・文化、自然環境、IT、デザインなど様々な資源をフルに活かした次代の新たな産業やライフスタイルを創出し、その魅力を世界へ強く発信していくために、「創造都市さっぽろ」の象徴的な事業として、2014年7月~9月に札幌国際芸術祭を開催いたします。 http://www.sapporo-internationalartfestival.jp/about-siaf