がんになってもぽじぽじいこか

2012年6月食道がん発見、53歳でした。始めての体験で体当たりの治療とリハビリ。見つけたものも意外にあり!

食道がんの手術について(わたしのケース)

2013-01-13 18:09:47 | 食道がん
わたしの場合、2と3の境目、どちらかというと2かな、という進行度合い。
画像診断ではリンパへの転移はわからない、あるかもしれない、ないかもしれない。
と、いわれてきました。

2度の抗がん治療が効果的で担当医師は我が事のように笑顔で喜んでくれた。
「皆が○○さんのように効くといいなあっていうくらい小さくなってる」
「性格が素直だからね」というと即座に
「それはちがう」だって。
わたしは担当医師を信頼し、これでダメならダメなんだ、日本で一番の専門医だ、とずっと思っている。(し、事実そうでしょう)
せっかちな先生との掛け合い漫才も診察時のお楽しみだ。
抗がん治療は4週間のサイクルで行い、次の4週間後に手術。その説明を受ける。
先生は必要なことをコンパクトに話す。だらだら話すの真逆。

わたしの場合は鎖骨の下を横に切って、みぞおちのところからへその上まで縦に切る。
それと右胸の乳房の下から脇の下まで弧を描くようにきる。

鎖骨下とみぞおちはワンセットになっていて食道を取り除き、同時に胃袋をカットして筒状に整形して食道再建する。
食道を除き、胃を引っ張り上げる形だ。
同時進行して胸を開けリンパ節を取り除く。
右を開けるのは心臓がない側だからだという。

鎖骨の下と腹だけ切って、脇下から乳房は切らないで胸に何カ所か穴をあけ内視鏡でリンパ節をとるか、先生は悩んでいた。
「やっぱりしっかり切りましょう」と決まり、
研修医の娘も立ち会わせてくれる事に取りはからってくれた。
通常10時間程度の手術だという。
結構な大手術である。
「○○さんはスレンダーだからもっと早く済むかも。どうしても大きいと時間はかかる」
「さばきやすいと?」
先生クスッと笑い「うん、まあ、そういうことになる。なるべく時間かけないから」
気を使って「普通の服なら傷は見えないからね」とおっしゃった。

リスクについての説明も受けた。
特異体質で麻酔に反応を示したら、手術はしない。
など、細かく。
確か、2%かな、失敗率が。成功率が98%と、あるいは99%だっただろうか。どっちかだ。
もうそれは努力でどうにかなる訳ではないので、あとは得意のよく食べてよく寝るしかないのだった。

手術がずっといやでいやで来たのだが、説明をきちんと受けると「よし、がんをとってもらおう」という気持ちになってくる。
他、麻酔科の医師からも説明があった。
付き添ってくれる麻酔医は途中で交替するそうだ。
長い手術なんだと現実感が増してくる。

手術の朝早く、暖かいミルクとバターをとる。
バターの脂肪でリンパ節をわかりやすくするため。
これから先しばらくものが食べられないから、しっかり味わって残さず頂く。

あとは目が覚めると「終わりましたよ」っていわれてICUに運ばれる。
たくさんの人がついていてくれて、
わたしにはたくさんのチューブなどがついていて、機械もいろいろ接続されている。
喋ろうと思ったら酸素のマスクもついている。
子どもたちが手をつないで「おかあさん」といっている。
その声が心配げで、幼かった日のように母を求めて手を握っている。
いとおしいなあと、その手を握り返す。

そしてまた眠って、うつらうつらを繰り返す。
あまり覚えていないが確か4~5日で集中治療室(I.C.U)をでてH.C.U.というところに移る。
看護の度合いが軽くなった治療室。
それから一般病棟に移るのが手術から一週間後だったと思う。
一般病棟に行くとジュースやゼリーが出てきた。
HCUからはしっかり記憶があるが、最初のうちは所々忘れているような気がする。
手術は問題なく、経過もきわめて良好で、がん細胞は体の外に取り出された。
ので、大成功だった。


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