がんになってもぽじぽじいこか

2012年6月食道がん発見、53歳でした。始めての体験で体当たりの治療とリハビリ。見つけたものも意外にあり!

告知と向き合う(涙が浄化)

2013-01-12 17:46:19 | がん告知
さくさく抗がん治療が進むある朝、小さなきっかけで突然いっぱい泣いたことがある。
涙は偉大な力がある、助けられてしまった。

朝ご飯についていたふりかけを見て泣いた。
栄養強化食品で商品名は「てつのすけふりかけ」
いろいろあるが確か、かつお味かたらこ味のどちらかがついてきたのだった。
よく、病院、学校給食などで栄養価に配慮して添加される食品だ。

わたしは保育士として働いてきた。
保育園でもこのふりかけはよく出た。
通常お店で売っていないから、他でであった事がなかった。

ふりかけを見た瞬間、色々なディレクトリを飛び越えて保育園を思った。
自分がどれほどこの仕事を愛しているか、
どれだけ仕事に、子どもたちに支えられて生きてきたのかに思いがとんだ。
ご飯を置いて走って中庭に出てわあわあ泣いた。
担任が突然いなくなったこどもの不安に詫びながらあいたくてあいたくて泣いた。
泣きながら、わたしはわかっていた。
子どもたちは順応し、すぐにショックから立ち直ってすくすく育つこと。
こんなに心が支えられていたのなら、もっと人として深く関わればよかった。
おまえがなくほどそんなにいい保育士だったのか?
そうも自問自答した。
ここが病院でよかったとも思った。
新宿の地下街じゃ、不審者だ。
普通、おばさんがしゃがみ込んでわあわあ泣いていたりはしない。
まだ泣いてなかったから、泣かないと向かいきれないのかな、とも。
涙が用意されてしまったからなくのかも。
幼い子を家に残してきた母親だったら、すごくつらいだろうなとも思った。

泣くのはそうは長く続かない、力が必要なのだ。
こどものように泣くと気持ちは「もういいや」というような感じになっていた。
泣く場所があってよかった。
そのあとはもう泣くことはなかった。
てつのすけふりかけはその後も出たが、感情のふたを開けることはなかった。
泣くというのはありがたい人間の仕組みだ。
こどもが親と離れたくなくて泣いたり、けんかして悔しくて泣いたり、
泣き止むとけろっと遊びだしたり、けんかした相手とまた遊びだしたりしているのと同じ。

タフに生きていくのにはおいおい泣くのもありなんだった。
今までの世界と変わり、今からの療養生活。
違う事はもう仕方ない。
タリーズでいつものデカフェを待って買って、涙で洗われて

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