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中山 七里 『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』

2012年10月06日 10時09分53秒 | 図書館で借りた本
 いまさらですが、「なかやま ななり」さんと読み違えてました恥ずかしい(凹)本当は「なかやま しちり」さんです。

○ 中山 七里 『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』 (講談社)

>密林から引用

 どんでん返しが止まらない! 怒濤のリーガル・サスペンス!!大森 望氏、推奨!
封印された過去が、新たな「罪」へ。「正義」と「贖罪」の意味を問う驚愕のミステリー。「このミス」大賞作家による新たな傑作誕生!

弁護士・御子柴礼司は、ある晩、記者の死体を遺棄した。死体を調べた警察は、御子柴に辿りつき事情を聴く。だが、彼には死亡推定時刻は法廷にいたという「鉄壁のアリバイ」があった――。

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 さくさく読めます・・・・以上。三~五話連続放送のドラマになったらばっちりだと思います。

大森さんは好きな書評家さんだけど、推奨は無いなぁ。デビュー作『さよならドビュッシー』ほどのハイレベルでは無いです。そして、この密林のあらすじを引用したのは、本作にまったく関係ないとは言わないけど、主軸をなんら表現していないのが凄いわ~と思ったから(苦笑)

「鉄壁のアリバイ」なんて、お話の進み方には全然重要じゃなくて・・・なんですよ。この作品を手にとってもらう作戦として、御子柴弁護士というキャラの「異端」を読者にアピールするには良いし、お話の主軸はこの御子柴さんの「異端」な理由が重大な意味を持つので、こういうあらすじを書いたんだと思うんです。これで中身をもっと詳しく書いたら、売りにしている「どんでん返しが止まらない!」の味が落ちるんだろうし、ミステリー本の紹介って難しいですね。



 小説のタイトルに「ソナタ」とつく作品で、私の内では一等なのが、SF作家オーソン・スコット・カードの短編集「無伴奏ソナタ」です。本のタイトルもこれが使われているので、(たぶん)作家さんご本人も一等だと思っているんじゃないかしら。読み終わると、言葉もでなくなるほど圧巻の「音楽を題材にした小説」です。このお話を読んだ後、きっと外を移動する時に、イヤホンで音楽聴いているのがもったいなくなると思う。それくらい、自分の周りにあふれている「音」を大事にしたくなります。

私が持っているのは、昭和60年発行のハヤカワ文庫だから、古本屋さんで探しても、もう置いていないかもしれませんけれども、頭のすみにタイトルをメモして、もしも見つけたらぜひ読んでみて欲しい逸品です。


☆ネットで見つけた、素晴らしい一文。

「街のすべてが打楽器になる。」 from 雨を愛したくなるコピー

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