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毎日の暮らしの中で、心惹かれたことを語ります。

初野 晴 『惑星カロン』(角川書店)

2015年10月26日 13時45分24秒 | 図書館で借りた本
 作者の初野 晴(ハツノ セイ)さんのお名前の読み方が、いつまでたっても覚えられません、あほだ。

それはともかく、待ちに待った「ハルチカ」シリーズの最新作『惑星カロン』を、二週間ちょっとの図書館の順番待ちをへて、ようやく借りて読むことができました。今作は、主人公のチカちゃんとハルタが二年生となり、コンクールに参加するあいまに持ち上がる騒動を描いた短編が四作納められていました。

 イントロダクション (書き下ろし)

・チェリーニの祝宴 -呪いの正体- 
・ヴァルプルギスの夜 -音楽暗号-
・理由(わけ)ありの旧校舎 -学園密室?-
・惑星カロン -人物消失- (書き下ろし)

浪漫でいうなら、「チェリーニの祝祭」から「惑星カロンへ」の流れ。はらはらわくわくどきどき感でいうなら、音符を暗号として解読する「ヴァルプルギスの夜」。ほのぼのするなら「理由ありの旧校舎」という感じです。

いつもどおりに吹奏楽部への想いがあふれかえっているのと、独創的で奇想天外な発想をする世間では変人扱いの個性豊かな生徒たちへの暖かい眼差し、いきものや弱者や無機物たちへの包み込むような愛情、そしてなによりもリアルタイムな高校生の、単純で永遠の命題的な恋愛の悩みから、子どもから大人へ移行していく年齢特有の危うい悩みが、何層にも重なって描かれていくさまが、読んでいて心地よくてたまらないです。

とくにかく、チカちゃんの愛すべき人柄が好いんですよね~。シリーズ五作目にして、ようやく王子様的存在の草壁先生(吹部の顧問)が、自分から行動してくれたし(贖罪への一歩扱いですが、そもそもの「罪」が何故に犯されたのかは、まだ不明)この後は、たぶん三年生となってコンクールに参加~卒業式くらいまでは、このシリーズを書いて下さるんじゃないかなぁと期待しています。

何度も読み返してしまう、青い春たちの軽やかな物語は、胸がすっとして、ギュッと切なくなって、たまらんです。


↓プロの書かれた「ハルチカシリーズ」の説明はこちらをどうぞ♪

★「web本の雑誌 【今週はこれを読め!エンタメ編】 〈ハルチカ〉シリーズ最新刊『惑星カロン』登場!」
( http://www.webdoku.jp/newshz/matsui/2015/10/14/132953.html )

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