川があるから下る、山があるから登る、海があるから渡るのだ。難しい理由づけは不要。
欧米ではカヤックによる大西洋横断、太平洋横断を試みる人が昔から多い。もちろんその中の大部分は死ぬが、それは本人の意思で死ぬのであり、冒険で死ぬ自由が認められている。日本にはそれがない。
……
「一国を滅ぼすのに、若い世代に危険を冒すことは馬鹿げていると教えこむくらい手っとり早い方法はない」
(野田知佑『のんびり行こうぜ』p65)
アラスカから戻った私に友人が貸してくれた、カヌーイスト野田知佑さんのエッセイ。
いいですねぇ~。
誤解を生みそうなほど自分のスタイルをきっちり持ってて、こういう人、私は大好きです。
諸君、人間に較べたら、魚なんてたいしたことはないのだ。どんどん殺して食っちまおうではないか。
(p56)
この2枚の写真は、デナリで出会ったチャイニーズアメリカンの女の子が帰国後に送ってくれたもの。すごく素敵な写真ですよね。デナリで一緒に行動した後、私はオーロラを目指してフェアバンクスへ、彼女は熊を目指してカトマイへとむかいました。
私達はいつも「食べ物は残さず大事に食べましょう」と言いますが。
熊は最もサケが獲れる季節には、卵があるお腹の部分だけを食べて、残りの部分はぽいって捨ててしまうんですって。
だからどちらが良いとか悪いとか、そんなはなしではなく。
のんびり、たくましく行こうぜ。