【第一夜】
昨年に続き二度目、靖国神社の夜桜能に行ってまいりました。
といっても昨年は雨天により新宿文化センターだったので、靖国神社での鑑賞は初めてです。
予報の降水確率は60%
絶対に代替会場の日比谷公会堂であろうとのんびり仕事し、退社直前に念のため確認の電話をかけてみたら、まさかの「予定どおり靖国神社」の自動音声。
夜桜能運営さん、GJです。
雨と花の中の能なんてなかなか観られる機会はないし、これだけ桜が満開なのですもの。この程度の雨なら、絶対に靖国でやるべき~。
とはいえ東京の気温は19/13。夜桜能は寒い寒いとネット情報で知っていたので、ホッカイロ、厚手のタイツ+靴下+レッグウォーマー、手袋、セーター、半コート+ダウンコート、の上に配布されたカッパを着用 それでも少し寒かった。。。
※自由席3300円(昨年は3000円だったわよー)
火入式
笛の曲はなぜに洋楽^^;
スポンサーや招待の方達が火入れするだけなので、大して面白くはない儀式、というかイベント。
舞囃子 【養老】 大坪喜美雄
予習不足でまったく内容を理解できず・・・ 高砂みたいな天下泰平を祝福系?
満開の桜と舞の共演のお目出度い雰囲気だけをのんびりと味わわせていただきました^^;
風が吹くと小雨と桜の花びらがさぁっと舞う様がそれは幻想的で、最高の自然の演出効果ですね。そして笛の音と自然の木々や風の音のハーモニーの素晴らしさ。昔の人達はこういう感じで観ていたのかなぁって思う。
やっぱり野外能はいいなぁ。
狂言【棒縛】 野村萬斎
こちらは以前歌舞伎(三津五郎さん&勘九郎)で観ていますし、狂言はわかりやすいので、楽しめました♪
初めて生で見た萬斎さん、かっこいいな~~~ 短髪似合う~~~。前から2列目の席だったので、真ん前で観られて幸せ。。
かっこよすぎて狂言を観ている気がしませんでしたけど笑(笑いはしっかりととっておられましたが)、雨と寒さで気がそぞろ気味だったので、ここは萬斎さんで嬉しかった!
ところで歌舞伎でも狂言でもいつも思うのですが、心底ふんわりとぼけた空気を作れる役者さんって、意外なほど少ない気がします。そういうのが必要な演目でも、理知的な鋭さがどうしても残ってしまっている人が多いような。萬斎さんもやっぱりまだちょっとそういう感じで(流派のカラーとかもあるのかもですけれど)。
これができる役者って、実は弁慶や松王丸のような役をやれる役者と同じくらい貴重なのではなかろうか、と歌舞伎を観ながら思う今日この頃。
能 【巻絹】 田崎隆三
全体の時間の3分の1あるいは半分くらい、シテの姿が柱と薪に隠れて見えなかった。。。さすがは最安席だわ。。そんな予感はしていたけど、鎌倉薪能がこの席でもばっちり見られたので油断していた。。楽しみにしていた曲なのにー。
というわけで感想もなにも書きようがないのですけれど、今回すこし思ったのは、この巻絹のような神様が出てきて云々ものより、人間の生々しい感情を描いた演目の方がどちらかというと好みかもしれないなぁ、と。まぁどちらにも良さがありますし、五番立の時代はどちらのタイプの演目もバランスよく一日で観ていたのかもしれませんけど。
いずれにしても能の描く世界というのは、例え生々しい未練や恨みを描いていても、美を讃えていても、人々の平和を祈っていても、国土安穏を祝っていても、この上もなく純粋で美しいですね。
こういうものが生活の中にあるのとないのとでは、私達の心の幸福度はまったく変わるのではないかしら。
これからも、もっともっと色んな演目を観てみたいなぁ。
【第三夜】
第三夜のチケットもとってあったので、再び行ってまいりました。
昨年が室内だったので、二日分くらい買わないとまた室内になってしまうかもしれん、と。
でも実際行って気付きましたけど、自由席って当日券まで結構チケット余ってるのですね。来年からは当日券でいいかな。
いや・・・
もう夜桜能は二度と行かない。
昨年につづき、スタッフのマナーが悪すぎ。
例の夜桜能ジャンパー達(おそらくアルバイト)ですよ。
今回特にひどかったのが、プログラム売り場の子達。お能の最中、ずーーーーっとおしゃべりしてるんですよ。能の上演中に!ずーーーっと!話し声&笑い声が客席(自由席は端っこなので)まで聞こえているんです。
あり得ない。それを注意しない上司スタッフもあり得ない。
スマホで動画を撮り続けている客がいたので「携帯やスマホの電源を切っていただくよう言えませんか?」と自身のマナーも最悪なジャンパースタッフに頼んだところ、なんでそんなことを言うのかと逆に吃驚した顔をされ(観劇をしたことがないのでしょうねぇ・・)、「イヤフォンガイドがあるのでそれは無理です」と。夜桜能のイヤフォンガイドってスマホで聴いてるということ?と、これまた吃驚。スマホの電源の入れっぱなしを推奨している能公演なんて・・・・・・・・。
で、お席。先日の前方席(自由席)は舞台の半分が見えなかったので、今回は後方に座ってみたのです。そしたら、舞台はまぁまぁ見えましたが(やっぱり半分だけど中央部分が見えた)、今度は演者の声が全然届かない。。。 この距離で聞こえないとなると、5000円のお席でも同じ。となると、普通にまともに鑑賞できる席は8000円か11500円。それなら能楽堂の方がしっかり鑑賞できていいよなぁ・・。
と、文句ばっかり言っていても仕方がないので、良かった面も含め、以下感想。
※この夜の時間帯別気温は18度。半コート一枚でちょうどいいくらいでした。
火入式
今日は洋楽じゃなかったです。
舞囃子 【胡蝶】 梅若長左衛門
もう私は舞囃子は雰囲気だけを味わうものと決めました。。。^^;
これを心底楽しめるようになるのは、何十年後だろうー。。。
てかそもそも雰囲気だけを味わうものなのだろうか。それで正解なのだろうか。いや、ちがうよねぇ、きっと。。。
狂言 【文荷】 野村萬・野村万蔵
このお二人は、昨年の夜桜能で拝見しているので、二度目。
万作さん&萬斎さんとはタイプが違うけど、このお二人も好きです~^^
てか、どちらもやっぱり父ちゃんズって何かがちがいますね(万作さんは2013年の鎌倉宮の薪能で『蝸牛』を拝見しました)。息子さんズより柔らか味があるのに、迫力もある。狂言も歌舞伎と同じで、こういう芸の自由の境地のような場所があるのでしょうね、たぶん。
能 【葵上 古式】 梅若玄祥
玄祥さんの葵上は昨年拝見したばかりですけど、やっぱり健気ですねぇ、この御息所は・・・;;
あんなに遠い席で、声もほとんど聞こえず、スタッフの私語にイライラしながら観ていたのに、心の震えが感じられるってどういうこと。
今度はまたゆっくり能楽堂で拝見したいです。
とはいっても、風にぶわぁっと舞い上がる夜桜との共演は壮絶な美しさでした。破れ車や髪が風でゆれて、効果抜群(見えなかったけど出し小袖が風に飛ばないかと心配しちゃった^^;)。
真ん前の席で、ダメダメスタッフもおらず、一人で観られたらどれほど素敵な公演だったことでしょう。
以上。
二年連続で客よりもスタッフのマナーの悪さに苦しめられた、靖国神社夜桜能でございました。
もったいないなぁ。これ以上ない自然効果だったのに。
第一夜(第三夜は写真をとる気にもならなかったので。「上演中の写真撮影は~」とアナウンスが流れていたので、上演中以外はOKみたいです)
入場待ちの方々。この時はまだギリギリ晴れておりましたが・・・
すぐにこうなった笑
妖しい宗教儀式のような光景
雨の写真をとろうと思ったのですけど、わかりますー?
上を見上げると、怖いくらいの美しさ。
能舞台と桜。
会場で買った花見寿司800円也。他にカツサンドや甘酒なども売っていました
でも20分間の休憩では、トイレ(館内で綺麗だけど長蛇の列)に行って時間はいっぱいいっぱい。
なので帰宅してからいただきました。
美味しかったです(*^_^*)