風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

シカゴ交響楽団来日公演 @東京文化会館(1月19日)

2016-01-19 23:59:02 | クラシック音楽
以下、あくまでクラシックど素人の個人の感想なのでお許しくださいまし~。



んー。。。。。。。んーーーーーーーーーー。。。


結局昨夜のマーラーが一番楽しめた、かな。

帰宅して調べたところ、コンマスさんは8年前と同じ方でした。たぶん他のメンバーも当時から殆ど変わっていないのだと思う。
となると。
結局私はシカゴ響がというよりは、ハイティンク×シカゴ響の音が好きだった、という結論でオーケーだろうか・・・?
うわ~~~、ムーティさまファンの方ごめんなさい、石投げないでっっっ

やっぱり私は音楽そのものから作曲家の心が広がっていくように感じるような、そういうタイプの演奏の方が好きみたいです。
今回の来日公演、終わってみると、私にはベートーヴェンもマーラーもチャイコフスキーもみんな同じような演奏という印象が残ってしまった(あくまで超ど素人の個人の感想なのでお許しを・・・)。
マーラーのラストは本当に心から楽しめたのです。だから昨日だけなら「楽しいからまいっか」で気持ちよく終わりにできたのですけども。

私が初めて生のオーケストラを聴いたのは、2008年のプロムスで。それまでクラシック音楽って私にとって身近な存在ではなくて(ピアノや吹奏楽はやっていたことがあるので完全に遠い存在でもなかったですが)、本当に殆ど聴いたことがなかったのですよ。
ですが友人が£5で本場のオーケストラを聴けるのはすごいことなんだよ!と勧めてくれたので、せっかくロンドンにいるんだし、と行ってみることにしたのです。シカゴ交響楽団、ハイティンク、ペライア、どれも私は聞いたことのない名前でした(オケというとウィーンフィルとベルリンフィルくらいしか知らなかった)。聴く前は、どうせならヨーロッパの楽団とピアニストを聴きたかったなぁ、と思ったりもしていたのです(無知なので良いオケ=ヨーロッパのオケかと思っていた)。

そして聴いた最初の曲が、モーツァルトのピアノ協奏曲。演奏を聴いて、大袈裟でなく衝撃を受けました。
ピアノのこの世のものじゃないような美しさ。でも、オケの音もこの世のものではないような美しさに私には感じられたんです。ピアノが演奏しているときは「うわ・・・!」。でもオケがそれを引き受けると「うわ・・・!」。さらにそれをピアノが受けると「・・・!!」の繰り返し。どちらも今までの人生で経験したことのない種類のものでした。楽器の音ではなく、人の想いが音になって向かってきて、音ってこんなに雄弁なものなのかと驚いた。奏者の感情ではなく、音楽の想いが音の響きになってダイレクトに伝わってくるような感覚で。クラシック音楽ってこんなに素晴らしいのかって、教えてもらったのです。そしてその後のショスタコーヴィチでは今度は全く違う吃驚をもらえて。ずっと立ちっぱなしだったのに疲れなんか一切感じなかった。そういう意味で、シカゴ響は私にとって特別な楽団なんです。
今夜帰りの電車で、その演奏を聴きながら帰ったのです。やっぱり今聴いても、同じものを感じました。

そうはいっても指揮者には大事な個性というものがありますから、同じような演奏じゃなくて私は全く構わないんです。その音楽から何かが胸に届きさえすれば。みんなが同じ演奏じゃつまらないもの。
本日一曲目のプロコフィエフ古典交響曲。これはムーティの個性には合っていたように感じられました。でも、残念ながら今夜の演奏からそれ以上のものを感じることは私にはできず。。たっぷりめの演奏だったので、弾む気分になれなかったのも残念。。
二曲目のヒンデミット:弦楽と金管のための協奏音楽は、”心”は不要な作品。音そのものにひたすら身を任せることの快感。これこそシカゴ響のドライさがストレートに発揮される曲目だろうと期待していたのですが。。。音は分厚かったですし決して悪い演奏ではなかったのですけれど、やっぱりそれ以上のものが胸に響くことはなく。。なんというか、緊張感と冷徹さが足りなく感じられた。。そんな中、トランペットの一番右側の方の音には、下がったテンションを上げてもらえたりもしました。ソロ、いい音だったなぁ。シカゴ響はこういう奏者もちゃんともっているのになぁ。※覚書:Christopher Martinという人だそうです。
三曲目のチャイコフスキー4番は、1楽章、あれだけの音であれだけの美しさを維持できるのはすごいことだと今夜も心から思いました。聴いてて楽しかった。でも最終楽章を聴き終えたときその音楽が心に響いていたかと言われると・・・・・。
これが本当にムーティとシカゴ響が作りたい音楽の形なのかなぁ・・・。

ムーティは音楽監督の契約を更新されたとのこと。
これからの時間が指揮者と奏者のどちらにとってもより良い刺激となって、より一層素敵なオケになって、いつかまた来日してくださるのを楽しみに。

シカゴ交響楽団来日公演 @東京文化会館(1月18日)

2016-01-19 01:32:43 | クラシック音楽




8年ぶりのシカゴ響を聴きに雪の上野へ行ってきましたよ~
18時半に入場すると、すでに楽器の音が。始まる前からほぼ全員舞台に出てきて練習してるから、喧しいのなんのって(^_^;) トイレにまで聴こえてます。
どうせこの後たっぷり聴くことになるので、私は廊下に出て耳を休めていました。

【ベートーヴェン:交響曲 第5番 ハ短調op.67「運命」】
クラシックど素人なもので当然この曲を生で聴くのは初めてなんですけど、、、ものすごく珍しい運命を聴いたような・・・(^_^;)
てかシカゴ響、8年前より下手になってる気がするのは気のせい・・・?いや、上手いんですよ。ものすごく上手いんですけど、8年前の方がもっと一人一人が自由でのびやかな演奏をしていた気がするのよね・・・(記憶が美化されてるかしら。でもあの夜の演奏はあれから繰り返し聴いてるし・・・)。当時もコッテリ系な楽団ではなかったけれど。団員が入れ替わったりしてるのかなぁ。
そんなことを考えながら一~二楽章を聴いていたんですけど、三楽章になるともう笑えてきちゃって。明らかに最初から運命に打ち勝ってる運命なのだもの。暗から明へではなく、明から明へ。
四楽章もサクサク速い速い。前へ進んで進んで進みまくる。でもこういう所や爆音系の所は妙に上手くて、全く音が破綻していなくて、ちゃんと一つの楽器に聞こえて(この感じ気持ち良くて大好き!)。それがまた笑えてきちゃって。
ムーティもピョンピョン飛び跳ねて頑張ってたし、変わった運命を聴けたから、まいっか
客席は意外に熱かったですね。ムーティは何度も呼び戻されてて、さすがにこれで最後だろうと私は廊下に出たら、誰も出てこなくて、再び拍手の音が中から聴こえてきました。

【マーラー:交響曲 第1番 ニ長調「巨人」】
8年前のシカゴ響はハイティンクのちょうど背中の後ろ辺りで立って聴いたのですけど(プロムスなのでスタンディング@アリーナなのです)、ショスタコーヴィチでは爆音の渦の中にいる気分でした。今日も5階から覗き込みながら、指揮者っていつもああいう中にいるのよね、ものすごく気分いいだろうな~と思った。でも耳悪くしないかな^^;

今日楽しみにしていたのは、運命よりもこちらの巨人。
うん、楽しかった!
ちょっと怖いようなお伽話的なグロテスクさはほぼ皆無だったけど(個人的好みとしてはこれはほしいところ)、楽しければいいやとつい思ってしまいそうになる妙な迫力と説得力。祝祭的な華やかさにはぞくっとさせてもらえた瞬間が何度かありました。いや~、あんな大音量でなんであんなに美しい音維持してるの?そして爆音が切れた瞬間の音ギレの良さ!!
ラストがまた見事なほど期待を裏切らなかったな~。なんなんだあの音の洪水は。あの金管の咆哮は(しかも超綺麗笑)。パーカッションも期待に違わず思いっきり盛り上げてくれましたね~。鼓膜が破れて東京文化会館がぶっ飛ぶかと思うほどの爆音なのに、音もフレーズも美しいまま全く崩れないとは。
気になる部分をあげればきりがないけど、最後はとても楽しかったし、興奮したし、美しかったからいいです。基本youtubeのムーティ×フィラデルフィア管の演奏の方が好きだったのですけど、ラストは今夜の方が満足感ありました。少なくともおそらく他のオケでは滅多に聴くことはできないであろうものを聴けた満足感はしっかりあった。
うっとり曲の世界に身を任せて酔わせてもらえた演奏ではなかったけれど、変なあざとさや手抜きは私は一切感じませんでした、少なくとも今夜は。誠実な演奏だったと思います。

ところで皇帝リッカルドさん、お花畑みたいな甘いメロディやムーディなメロディがなんともお似合い(ムーティだけに)。たっぷり歌ってる後ろ姿がステキ。の割に音は大してコッテリになってないところがまたなんとも・・いい味といっていいのか? この方、シカゴ響ではなく南イタリアあたりのコテコテ地元色系オケ(そういうオケがあるのかどうかは知らんが)の指揮者になったら案外面白かったのではないかなぁとか、でも下手なオケは(私が)許しがたいしああジレンマ(>_<)!とか、一秒くらい考えました笑。
そしてカテコでの「チャオ♪」なお手々のバイバイ 。。。なんですかあれ、可愛いじゃないの。。。(例えアンコールはないんだよ♪の意味であったとしても)

帰りの電車がトラブルで混み混みだったんですけど、あのマーラーのわけわからん迫力にわけわからんパワーをもらえたおかげでまったくイライラしないで帰宅できました笑。いやほんとに。また聴きたい。
やっぱり生はいい!

明日も楽しみ

あ、今夜の客席のマナーは恐ろしいほどよかったです。

※19日の感想はこちら