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場当たり的な菅政権が失望を増幅させる

2010年08月25日 15時51分00秒 | 経済関連
円高局面で大袈裟に慌てふためく様は、非常に見苦しい。

政権交代で民主党が政権を担当してからというもの、幾度となく指摘したが、何も改まっていない。政治主導という呪文の中身が、これまでのところ全く不明のままである。決定過程の透明化を図れ、と言ったのに、それもできていない。かつての経済財政諮問会議のあった頃に比べても、大幅な後退である。意思決定に至るプロセスが何も公開されないから。

閣僚の議論は闇の中に置かれているし、菅総理の発信力といったらほぼゼロに等しい。菅総理が「これこれこのようにうやっていくつもりのようです」ということを、国民の誰かが説明できるか?

何一つ、判るものがないのである。
誰にも判らないのである。
菅政権は、何をどうしていくつもりなのか、一切判らないのである。
市場から見ても、ワケがわからんなと思っているからこそ、どうしようもない、ということを招くわけである。「円高」という局所的な一現象がどうこうという話ではないのである。民主党政権の対応能力の欠如、ということだけが、より鮮明になるということだ。

経済についての明確な方針がないことが一番の問題なのであって、もっと根底から考え直すべきだろう。


政治力というのは、非常に手短に言うと、「いうことをきかす」ということである。あまりに単純化しすぎだけれども(笑)、極端にいえばそういうようなことだろう。

反対している人間がいようと、「お前、逆らうとどうなるかわかっとんのか!ゴルァ」みたいなもので(これじゃヤクザだけど)、どうにもでいうことをきかすということである。できません、やれません、とかぬかす人間には、「死んでもやってこいや~」ということで、遮二無二でもやらせる、というようなことである。普通の政治では、そういう脅しとかヤクザ的な手法みたいなものはないけれど、政治力とか権力というのは、こんなような感じのものと大した違いなどないんじゃないのかな、と思うんですよ。

菅政権には、そういうのが多分ないんだろうな、と思いますね。誰だれが反対したからやめました、とか、要するにそういうことになってしまっているわけです。それでいて、権力の座にしがみついていたいというだけ。

月末までに概算要求も出せそうにありません、とか、アホですか?
予算の骨格とか、全然報道されてないでしょ?どうしてかというと、官僚サイドがマスコミ向けの「まとめ」みたいなのを配布したりしなくなってるから、なんじゃないですか?
そういうのは、政治主導だからって、なくなったのかもしれないけれど、かといって総理以下閣僚の議論や考え方のポイントみたいなものなんて、公表されていないからでしょう?


それと、鳩山のボケが借用書にサインしちゃった日米共同声明の期限にだって、何らの成果も道筋も出せず、総理就任後には「約束堅持」とほざいていたのも忘れたか?普天間移設先は8月末が期限だというのに、それも何一つの進展もなし。方針もなけりゃ、議論の形跡だって不明のまま。


要するに、何一つ満足に仕事を進めてないってことだ。その上、経済情勢だって厳しさを増しているというのに、これも手付かずで放置。

結局、政権担当能力の欠如、ということが証明されたというだけでしょ。



今の円高に対しては、為替介入の姿勢を見せるべきだ、とかいう意見があったりするかもしれないが、一時しのぎの策を練るよりも、まず国内的に「デフレ対応」の強力な策を発動するべきだ。為替介入については、リーマン・ショック以降の記事にも書いたけれど、あまり乗り気ではない。

輸出企業については、半年先くらいまでの為替予約とかは入っているだろうから、今すぐどうにかなるというものでもないでしょう、きっと(よく知らないけど)。大口の輸入材なんかも、価格が割と先まで決められているだろうから、直ぐにどうにかなるというものでもないでしょう。

それ以上に、日本の持ってる資産を活用するのに、もっとスピードをアップしないとどうしようもないわ。本当に、超精鋭部隊でも作って、素早く対応できる組織があってほしいと思うよ。そんなに円を買ってくれるなんて、本当に有難いことじゃないですか。ヨソの国では、通貨を売りまくられて、死ぬ気で防衛せねばならん、とか売り売り攻撃を浴びせられまくるんですから。そういうのに比べると、逆に「強い通貨」になってるわけですからね。世界で一番のGDP比で政府債務の多い国である日本なのに、その通貨を買ってくださるわけですからね。


急激な円高が来たら、日本専用の政府系ファンドが割とインフレ率の高そうな国の優良実物資産を買うとか、やってくれるといいんだけどね。今の円高に対しては、外貨準備で大量に保有している米国債を売って、為替損を少し取り返し、そのドルで実物資産を購入すればいいのにね。金利が上がるから、そこにドル買いに向かう資金が入ってくるだろう。
で、将来性のある優良欧米企業の株でも買うとか、そういうのでもいいし、売りに出されている優良不動産を買うとか、そういう実物資産に換えておくと日本国民全体に長い将来に渡って利益がもたらされるはずじゃないかと思うんですけど。

だって、極端に言えば、日本円を刷って、ドルでもユーロでも買えば、直ぐに円高なんて収まるよ。そのお金で実物資産を買えるじゃないですか。そうすれば日本全体の利益になりますから。そういう機動的な運営というものが、全くできないんだよ、日本って。全てが硬直的だし、官僚主義的だし、スピードが全く遅いのだ。


何も、無から有を生み出せって言ってるんじゃない。
デフレを止めるためには、マネー供給を増やさなけりゃならない。それに平行して、国債買入償却も更に増額して頑張るしかない。「もうこんな高価な日本国債なんて買わないよ」と市場が思うまで金利が下がるしかないんだよ。

これに加えて、財政支出を発動するんだ。将来の投資になる政府支出を増やすべきなのだ。それは医療設備でもいいし、研究組織と人員増強でもいいし、仕事を作ることなんて、いくらでもやりたいことがあるよ。そういうことにお金を使うんだ。未来に必要なインフラ整備だって、今やった方が金利負担が軽く済むから得じゃないですか。

どうして、こういうことを政治力でもって解決を図ろうとしないのか、本当に不思議ですわ。
中国をみてごらんよ。何といっても、スピード感がまるで違う。一党独裁だから、というのはあるけれど、日本って、本当に何から何まで極端に遅いんだよ。


本当にうんざり、です。