最初に、自分が大それた批判などできる立場にない、ということを分かった上で、それでも尚批判を書いておくことにした。
これは興味深い見解ではあるものの、仕上がり具合としては、「やっつけ仕事」の感が否めない。
>マネーと成長期待:物価の変動メカニズムを巡って:日本銀行
日銀内の若手論客をかき集めてきたのかな?(笑)
いや、全く知らないんですがね。そんなことは大した問題じゃないから別にいい。
読んだ率直な感想としては、学生さんのレポートみたいな感じ(今まで一度も読んだことがないんだけどw)がした。
何かを解明しようというスタンスではなく、どちらかと言えば「日銀ヴュー(笑)」強化を謳うべく、先に(言うべき)結論を決めてから書いたという意図が丸見えという感じである。本当かどうか知りたいとか、これってどうなんだろうかというような、素朴な疑問が根底には感じられないのである。残念ながら。執筆者の方々は多分一生懸命書いたものと思うけれども、論の展開としては寂しいものとなっている。
書き手の意思みたいなものって、やっぱり何となく伝わってくるものなんですね。文章には書いていないけれども、背後にあるものが滲んでくるんじゃないかな、と思いました。
んー、あと、また自慢みたいで申し訳ないんだけれど、ぼくへの挑戦かと思ったよ(笑)。自意識過剰だというのは分かってる。こんな場末のブログ如きに反応なんかするもんか、というのが普通ですから(笑)。だけど、扱ってる中身は記事に書いてきたようなものがあるんだよね。
潜在成長率の低下とか>3兆円で構造問題は解決できない
貨幣数量説の話とか>経済学界という病~事例2
ちょっと古くて06年なんですが、物価とプライマリーバランスの割引現在価値の話を書きました。
>物価と財政規律(追加後)
論文中では、毎期の財政余剰と割引率ということになっていますけれども、意味合い的には同じものと思います。
多くのレンズを用意しよう、という著者さんには同意しますので、あまり一つの見方に固執することもないとは思いますが、あまりに都合よく「EB view」を全面に押し出してこられてもなあ、とは思いますね。
それ以前に明らかにするべきは、例えば日本においては「潜在成長率」と「インフレ率」の間には、諸外国にはない相関関係が見られる、ということなら、それがどうしてなのか、というところから出発しないとダメでしょう?
ハリセルの人の講義資料じゃないけど、アイスクリームと天候の話みたいなもので、そういうのは拙ブログでも過去に取り上げたわけなんですよ。
>君は何を見たか
この記事中には、
『「何故比較するデータとして、『真夏日の日数』を選択したと思うか」という質問に、「アイスクリーム販売が天候に左右されると思ったので、ビールもそうかもしれないと思ったから」とか、普通に答えられるでしょう。』
と述べていたのだった。しかも、日本の「長期金利」と「合計特殊出生率」のグラフ形状が似た感じだから相関とか言うのか、という例を出していた。
こうして見てみると、日銀の非常に賢くて優秀で専門的な立場の著者さんたちが4名もおり、しかも有益な助言等をしたその他大勢も含めて、みんなが考えたりした結果が、ド素人の一人でしかないぼくのブログ記事に書いていたような程度のことしか考えつかないとか、あり得ないでしょう?
そういうレベルではなくて、もっと学術的なアプローチを頑張ってやるべきなんじゃありませんか?
なので、幻滅したというか、ガッカリしたわけなんですよ。まるで「学生さんレベルではありませんか」っていうのは、そういうことなのです。
おまけに、リファレンスがないのは、おかしくないですか?
恐らく先行研究は膨大にあるはずだろうし、もっと専門的な議論があるはずなのではありませんか?夏休みの宿題とかじゃないんですから、もうちょっと完成度を上げないと、日銀ペーパーとして出すのに恥ずかしくない程度にはならないのではありませんかね?
いくら、ぼくが日銀をつき崩すのに有効なのは「事実の積み重ね」と主張したからといって、まんま「事実を挙げてくる」なんて、とは思いました。
あれはあれで悪くないと思いますけれども、探求がそこで終わっておりますな。
だからこそ、余計に残念、という感じがするんですよね。
本気の本気で取り組むのであれば、「日本独自(日本にしか通用しない)の経済学理論」でも確立してみてはどうか。
前にも例示したけれど、ねずみと人間では、同じ哺乳類で似たような循環系を持つといっても、現実には結構違うわけで、そういうのを明らかにしてゆくのが学問なんじゃないですかね、ということ。
日銀でもこの程度では、お先真っ暗、では。
ちょっと追加ですけど(0時頃):
時間があまりなかったので、慌てて載せたんですが、書いておきたい。
本ペーパーの最後の脚注にもありましたけれど、rが低下するなら、物価Pを上げるにはSを小さくするということになるわけで、そうすると財政出動をするべき、ということになるんじゃないですかね。
それとも、Bを大きくするということなら、やはり「国債買入」をやって国債価格を上げる(利回り低下)ことを正当化できる、ってことを意味するように思うんですけど、どうなんでしょうか。
そういう「Pを上げる」手段を考えるのは、いけないことなのでしょうか?(笑)
まだまだ議論すべき部分は、いくつもありそうですけど。
これは興味深い見解ではあるものの、仕上がり具合としては、「やっつけ仕事」の感が否めない。
>マネーと成長期待:物価の変動メカニズムを巡って:日本銀行
日銀内の若手論客をかき集めてきたのかな?(笑)
いや、全く知らないんですがね。そんなことは大した問題じゃないから別にいい。
読んだ率直な感想としては、学生さんのレポートみたいな感じ(今まで一度も読んだことがないんだけどw)がした。
何かを解明しようというスタンスではなく、どちらかと言えば「日銀ヴュー(笑)」強化を謳うべく、先に(言うべき)結論を決めてから書いたという意図が丸見えという感じである。本当かどうか知りたいとか、これってどうなんだろうかというような、素朴な疑問が根底には感じられないのである。残念ながら。執筆者の方々は多分一生懸命書いたものと思うけれども、論の展開としては寂しいものとなっている。
書き手の意思みたいなものって、やっぱり何となく伝わってくるものなんですね。文章には書いていないけれども、背後にあるものが滲んでくるんじゃないかな、と思いました。
んー、あと、また自慢みたいで申し訳ないんだけれど、ぼくへの挑戦かと思ったよ(笑)。自意識過剰だというのは分かってる。こんな場末のブログ如きに反応なんかするもんか、というのが普通ですから(笑)。だけど、扱ってる中身は記事に書いてきたようなものがあるんだよね。
潜在成長率の低下とか>3兆円で構造問題は解決できない
貨幣数量説の話とか>経済学界という病~事例2
ちょっと古くて06年なんですが、物価とプライマリーバランスの割引現在価値の話を書きました。
>物価と財政規律(追加後)
論文中では、毎期の財政余剰と割引率ということになっていますけれども、意味合い的には同じものと思います。
多くのレンズを用意しよう、という著者さんには同意しますので、あまり一つの見方に固執することもないとは思いますが、あまりに都合よく「EB view」を全面に押し出してこられてもなあ、とは思いますね。
それ以前に明らかにするべきは、例えば日本においては「潜在成長率」と「インフレ率」の間には、諸外国にはない相関関係が見られる、ということなら、それがどうしてなのか、というところから出発しないとダメでしょう?
ハリセルの人の講義資料じゃないけど、アイスクリームと天候の話みたいなもので、そういうのは拙ブログでも過去に取り上げたわけなんですよ。
>君は何を見たか
この記事中には、
『「何故比較するデータとして、『真夏日の日数』を選択したと思うか」という質問に、「アイスクリーム販売が天候に左右されると思ったので、ビールもそうかもしれないと思ったから」とか、普通に答えられるでしょう。』
と述べていたのだった。しかも、日本の「長期金利」と「合計特殊出生率」のグラフ形状が似た感じだから相関とか言うのか、という例を出していた。
こうして見てみると、日銀の非常に賢くて優秀で専門的な立場の著者さんたちが4名もおり、しかも有益な助言等をしたその他大勢も含めて、みんなが考えたりした結果が、ド素人の一人でしかないぼくのブログ記事に書いていたような程度のことしか考えつかないとか、あり得ないでしょう?
そういうレベルではなくて、もっと学術的なアプローチを頑張ってやるべきなんじゃありませんか?
なので、幻滅したというか、ガッカリしたわけなんですよ。まるで「学生さんレベルではありませんか」っていうのは、そういうことなのです。
おまけに、リファレンスがないのは、おかしくないですか?
恐らく先行研究は膨大にあるはずだろうし、もっと専門的な議論があるはずなのではありませんか?夏休みの宿題とかじゃないんですから、もうちょっと完成度を上げないと、日銀ペーパーとして出すのに恥ずかしくない程度にはならないのではありませんかね?
いくら、ぼくが日銀をつき崩すのに有効なのは「事実の積み重ね」と主張したからといって、まんま「事実を挙げてくる」なんて、とは思いました。
あれはあれで悪くないと思いますけれども、探求がそこで終わっておりますな。
だからこそ、余計に残念、という感じがするんですよね。
本気の本気で取り組むのであれば、「日本独自(日本にしか通用しない)の経済学理論」でも確立してみてはどうか。
前にも例示したけれど、ねずみと人間では、同じ哺乳類で似たような循環系を持つといっても、現実には結構違うわけで、そういうのを明らかにしてゆくのが学問なんじゃないですかね、ということ。
日銀でもこの程度では、お先真っ暗、では。
ちょっと追加ですけど(0時頃):
時間があまりなかったので、慌てて載せたんですが、書いておきたい。
本ペーパーの最後の脚注にもありましたけれど、rが低下するなら、物価Pを上げるにはSを小さくするということになるわけで、そうすると財政出動をするべき、ということになるんじゃないですかね。
それとも、Bを大きくするということなら、やはり「国債買入」をやって国債価格を上げる(利回り低下)ことを正当化できる、ってことを意味するように思うんですけど、どうなんでしょうか。
そういう「Pを上げる」手段を考えるのは、いけないことなのでしょうか?(笑)
まだまだ議論すべき部分は、いくつもありそうですけど。