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「歯科医も処方した」といわれるほど、安易な処方~by 読売新聞

2011年02月26日 18時37分51秒 | 社会全般
良く判らない記事が出ていたので取り上げる。

2月26日付読売新聞朝刊に「イレッサ問題」と題する解説記事があった。
医療情報部の高梨ゆき子氏が書いたものである。以下は、その一部の引用である。

ただ、欧米とは違い、日本には腫瘍専門医が抗がん剤を使うという土壌がなかった。日本臨床腫瘍学会は当時できたばかりで、学会の専門医制度で最初の認定が行われたのは05年のことだ。がん細胞を狙い撃つ分子標的薬として注目されたイレッサは「副作用が少ない」との評判が高まっていた。飲み薬でもあり、「歯科医も処方した」といわれるほど、安易な処方が拡大しやすい状況だった。

名誉毀損に該当するような記事である。重大な問題の部分を再掲しよう。
 
『「歯科医も処方した」といわれるほど、安易な処方』

たとえ伝聞形式をとろうとも、法的責任を逃れるものではないだろう。
いわれなき誹謗中傷の類と何が違うのであろうか。


そもそもイレッサの適応疾患について、歯科医師が当該薬剤を処方するということ自体が想定し難い。何故、歯科医師が肺癌の診断及び処方を行うのであろうか。
一般に、再発非小細胞肺癌に対する処方を歯科医師が行う業務であるということは考え難いということである。それを、歯科医師が安易に処方できる程、歯科医師にイレッサが普及していたとでも言うつもりなのだろうか。

「歯科医も処方した」というのは、一体、どこの誰が言ったのだろうか。
記者氏が個人的な意見として書いているなら、記者氏本人がその立証をするべきである。誰かに聞いたのであれば、その発言の主を明らかにするか、それが不可ということなら(取材源の秘匿ということで)、「歯科医も処方した」という発言の根拠を提示すべきである。もしも、その裏付けも取らずに記事に書いているのであるなら、真実性は立証されず、名誉毀損を免れないだろう。

それとも、「安易な処方」を言う場合に用いられる、修辞か何かということであろうか。「歯科医も処方した」と言えば、安易な処方をさすとでも言うつもりなのかもしれない。


イレッサを処方され、重篤な副作用が出た人たちにおいて、処方主体は誰だったか調べたのであろうか。
その中に、一人でも歯科医師が存在していたのだろうか。
イレッサを処方したのは、全て「医師」だったのではないか?
記者氏の言う表現を借りれば、医師たちが「安易な処方」を行った結果、重篤な副作用を招いたのではないか?
それは「歯科医も処方した」と責められる程に、歯科医師のせいなのであろうか?
歯科医師がイレッサを処方した例というのを是非とも調べて、別な記事で教えてもらいたい。


まあ、歯科医が処方すると「安易な処方」の代名詞、みたいな印象ということらしい。

謝罪記事が出るはずもないだろうが、こういうことを書かれた側というのは可哀想な気がする。