いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

オール人力狙撃システム試作機

政策は誰が考える?

2004年12月09日 14時26分28秒 | 政治って?
財務省に比して民主党は何ら防衛政策についての実質的な意見も案もでませんでしたね。民主党にはそれなりに期待していますが、やはり「防衛・外交」面での厚みがないというか政策立案・対処能力が劣っているかもしれません。政治的には今の自民党を上回るほどの力量が(またはその片鱗すら)見えてきません。





前にも書きましたが、非常に幻滅したことは、政府与党の政策決定に対して「物申す」という根本的な姿勢が欠けていることです。

今は日朝交渉も含め難しい外交局面ですから、「自民党の手法」「官僚の手法」を批判するだけではなく、「民主党としてはこのような政策・対処」ということを国民に明示した上で、政府方針との相違について議論すべきです。北朝鮮に対して本当に経済制裁するのか、するならばどのような段階を踏むのか、諸外国との協調制裁等についてどこに何をお願いするのか、制裁効果の評価は、予想される反動は、等々準備して政府に何を要求するのかを表明すべきです。


「イラク派遣問題」にしても、国会が終了してしまったからといってフェードアウトでは、国民に対して何にもアピールにならないでしょう。
ましてや官僚に「物申す」では、何をやっているんだかわからない。もしも、疑問に思うなら政府案についてベースになった根拠を調べ、自分達が政策決定するならどうするかを考え、政府案との相違点について政府与党に質問するなり突っ込んだ議論を挑むことが必要でしょう。党の公式声明くらい出してもよいのではないでしょうか。派遣延長の正当性が見出せないならば、国民にも十分理解できる論点を絞って、もっと国民世論に訴えなければ国会採決とかが残っているわけではないので、政府決定を覆せないことは当然でしょう。自民党議員だからとか民主党議員だからというスタンスではなく、個々の政策について共同戦線を張るぐらいの政治手法を発揮してほしいものです。


デモ行進しろとは言いませんが、単に「質問」だけしていても仕方がないと思います。自民党内でも派遣延長反対派が存在しているわけで、党を越えて検討したり連携して政府に働きかける方策を考えることが出来得ると思いますが。そのような考えつく全ての手段を駆使して、政府の政策について「物申す」のが役割なのではありませんか?2大政党制を目指すと言っているからには、「国会終了させてずるいぞ」と言っているレベルでは、私と同じです。官僚批判をする以前にやるべきことがあるでしょう、それが国会議員ではありませんか?



国会議員にしかできない活動や権限があるのですから、それを行使して意味のある活動を望みます。情報がないというなら「国政調査権」が行使できますから、必要な資料や情報を省庁から努力して集め、自分達が今政権を担当しているのと同じ気持ちで臨まなければ、自民党の上には行けないでしょう。自民党が出してくる情報だけを当てにしていても、ダメですね。今まで最もまともであったのは、選挙前の年金改革案だけでしたが、医療費を含めた社会保障の財源について検討不足が否めませんでした。今後の社会保障制度改革についても、国民に判りやすく説明できるベースを作り、世論の後押しを受けて政府与党に示していけるものを考えて欲しいですね。



話が戻りますが、防衛庁の立場も理解できる面はあります。自衛隊としての存在意義や国民に貢献できる組織を目指していることから、防衛組織としてだけではなく、外交政策の延長にあるPKO、災害救助等の役割を担おうとしているのであろうと思います。ですが、実質的にその存在が非常に特殊な任務を想定しているわけで、そのような組織を代替可能な任務まで割り当てるという考え方が違うような気がします。本土の安全の基本は警察組織や消防組織が前面にあることが望ましく、国家の安全保障の根幹部分は自衛隊が担うことでよろしいのではないでしょうか。そこに出発点を求めるべきで、現有勢力、権益、肥大化した組織を維持しようという意図がなければ、至極当然に役割分担や任務の整理・特化を考えていくことになるでしょう。防衛構想も幾つかの脅威に対してグレードがあるわけですから、国土の安全保障もグレードによって担当組織が違っていても何ら問題がないと思います。よりハイグレードな問題を主に対処する組織作りが必要であろうと思います。


陸自定数決着!

2004年12月09日 14時18分35秒 | 防衛問題
防衛大綱及び次期防については政治的に決着しました。報道によれば、陸自定数は15万5千人となったようです。防衛庁の最後の頑張りが効いたようですね。財務省は谷垣大臣をはじめ素案を作成した主計局チームは、これまで「異例の頑張り」を見せました。

防衛庁は勿論のこと、政権与党議員連中、おまけに民主党からもお叱りを受け、非難の矢面に立たされながら最後まで戦ったと言えるでしょう。一国民として、今回の財務省の姿勢は十分評価に値すると思うし、最後の政治的判断を決める段階でも、谷垣財務大臣も2度の会談に持ち込むまで頑張った。すぐに引っ込んでしまった長距離ミサイルとは違うぞ。




このような頑張りは、今後の政策決定過程においても影響すると思います。各省庁は何のエビデンスもなしに、予算要求などできないぞ、ということでもあるし、また決定過程が国民に示されたという点が、重要であると思う。

定数は15万5千人だった訳だが、予算は9240億円減となった。防衛庁と財務省の痛み分けとなった格好だ。ここが政治的決着の落とし所ということであろう。


この過程で、一切の政策提言や防衛大綱に関する民主党案も示さず、報道されている中で知ることのできる情報についても、何の反応も示さなかった野党第一党である民主党の力不足が露呈した格好だ。下手な議員さんより、財務省官僚の方がよっぽど政策について真剣に考えているぞ。


次の記事にまた書くことにします。



災害救助活動の検討3

2004年12月09日 03時45分24秒 | 防衛問題
前の記事にこのようなご意見を頂いたので、ちょっと考えてみました。
まずは転載しますね。


①消防組織が基本的に平時の組織である事を見落としている

消防組織は基本的に平時に活動する組織であり、単独での生存性に欠点があるかと。
すなわちインフラ・ストラクチャーがある程度整備された状況での活動を念頭に置いている為、絶えず組織外部からの補給を必要とします。
全国津々浦々への分散配備が可能であっても補給能力に欠けていれば、手持ちの物資が尽きた時点で救助側から被救助側へと転落する事は明白です。
仮にそれを避けるため新組織にインフラ破断下で活動可能なだけの自己完結性を与えるならば、新組織は結局自衛隊と変わらない規模のハード・ソフトを要求することになるでしょう。
これは本末転倒ではないでしょうか。既にほぼ完璧な自己完結性を持つ自衛隊という組織が存在するのに、わざわざ同じ規模の(しかも能力的には一段劣る)新組織を編成する必要があるのでしょうか?


②被災地で武力を使用しなければならない場合もある

これはあまり考えたくない事ですが、被災者が暴徒化する可能性もあります。
幸い我が国では民族性や民度の高さ、情報伝達の早さから生起する可能性は低いのですが、万一暴動が発生した場合にこれを鎮圧する事も考えねばなりません。
これは消防組織の延長線上には無い機能です。


結論

災害対応の為だけに新組織を編成することは、より能力の劣る類似の組織を新設するということであり完全な無駄である。
また、「自衛隊員は何役もこなさなくてはならない。このことは一般隊員に大きな負担となっている」という発言の趣旨は
「慢性的な人員不足であり、これ以上の削減は厳しい」ともとれる。
災害専門の新組織編成という案は、「自衛隊は削減した方が良い」という結論を導き出す為のレトリックに過ぎず、その中身に省みるべき点は無い。



勿論、ご指摘は理解できます。私の文章が稚拙なため分かりにくいのかもしれませんが、他の記事も併せて読んで頂ければ、よりこちらの意図を理解して頂けるのではないかと思います。




災害救助活動についての検討をしてみたのですが、「陸自」に対して「消防組織」を比較対象としています。記事の文中にも書いておりますが、組織の新設を結論としてはいません。あくまで減少した陸自隊員数と同数を「消防組織として増強する」という仮定で、すべて現在ある組織をベースに考えています。ただ、現有の緊急消防援助隊をそれぞれ増員するのか、いわゆる「遊軍」的に消防庁が管轄するような隊を増やすのか、といった組織上の編成は各論的に検討するべき項目と考えます。


消防組織は「平時」組織というご指摘ですが、その一面は有してはいるものの、災害時は「非常時」ではありますが当然「戦時」ではありませんね。文脈からは陸自は「戦時」組織であるというご意見なのではないかと感じますが、こちらの解釈ですのでそのような意図かどうかはわかりません。「非常時」組織としては消防組織もそのような事態の想定をもとに、現実に災害時に活動を行っているわけで、「非常時」に対応不可能な組織とは見ることができません。「非常時」組織という点では陸自と明確な区別は認識できません。


「自己完結性」を陸自の特徴として挙げておられますが、被災地での活動時に野営できるとか食事が用意できるとかといったレベルであれば、一定の訓練を行えば陸自以外でも獲得できます(「防衛政策への提言」に書いていますが、陸自に行って訓練を受ければ済むことですね)。給水車とかの特殊な車両については、陸自が今と同様の活動をすればよいでしょう。


補給についてですが、同じ車両数を配備すると仮定してみると、陸上ルートが確保できる場合には、誰が運んでいっても同じですね。トラックを運転する人が、陸自隊員か消防の人かの違いだけです。車両については防弾仕様がいらない旨書きましたが、走破性が同じ能力であれば被災地到達は同じです。陸路が全て遮断されている場合には、大型汎用ヘリでの搬送となりますが、これは自衛隊保有としています(文中に書いてます)から、搬送能力は全く同じです。もしも陸上の補給能力に問題があるとしても、そこだけ陸自が担当することで解決できます。


被災地での暴徒化という問題ですが、可能性だけ考えると考慮すべきなのかもしれません。しかし、関東大震災の頃どうであったかはわかりませんが(たぶんなかったと思いますが)、その後の災害発生時に暴徒化して鎮圧を必要とした事態はなかったと思います(以前大阪の警察署近辺で暴徒化したことがありましたが、警察が対処しましたね)。よほどの飢餓状態等の異常事態が長く続くことがなければ、可能性は非常に少ないでしょう。また、このような事態では陸路が遮断されている可能性が極めて高いわけで、陸自隊員はそのような暴徒発生地域に陸上ルートではほとんど展開できないでしょう(つまり消防組織の人員と変りがない)。対策としては、武装した陸自隊員がヘリでその地域に展開する必要がありますが、その場合には発生後に要請して対処するなら消防組織の増強とは無関係でしょう(投入規模が数万人必要というなら別ですが、ほぼありえません。そんな人数をヘリで一気には投入できませんし)。


平時組織であることと暴徒鎮圧能力が無いことが消防組織のデメリットであったとしても、トータルでの比較ということになりますから、陸自の優位性を証明できるものではないと考えます。平時に待機する人数が同じであったとしても、その装備品(武器・弾薬等)が必要なくなることを考えるとメリットが大きいですね。変な例ですが、陸自から消防へ単に配置転換するだけで、経費が節約できるようになると思います。


もしも陸自隊員数が10万人に減少し、4万人消防組織に増員していたとしても、新潟中越地震の救助活動には何も支障がないことは明らかでしょう。現有する陸自車両は一部消防組織へ譲渡するとかできますし、食料等の備蓄は保管庫があれば済みますね(自衛隊の建物をそのまま利用してもかまいませんし)。給水車等は数が減ることがないので、そのまま使うことができます(給水任務に陸自隊員が千人も出動したりはしませんね。せいぜい数百人で済むでしょう)。

私の基本的な意見は、陸自隊員は特別な努力をしなくても減少するのですから無理に増員しなければ何年かかけて自然に10万人程度に削減できる、ということです。今いる隊員をすぐさま削除するべきというものではありません。その数年間で、編成なり配置を考えていけばよいのではないでしょうか。また、消防組織についても、災害活動のためだけに増員するのではなく、レスキュー・救急救命士・消火・防火防災等弾力的に配置なり優先順位なりを考えていけばいいと思っています。陸自隊員は比較的若い隊員が多く必要でしょうが、年齢が増加するに従いその任務にそぐわない場合も出てくるわけで、その点消防組織ならば任務自体が多岐にわたっていますから、年齢が増加しても組織の一員として活躍できる場があると考えます。特に災害発生時にはこうした技術なり能力なりが発揮されると思うのですが。



長距離はダメでした

2004年12月09日 01時30分43秒 | 防衛問題
長距離地対地ミサイルについては前に記事に書きましたが、次期防に入れられるかどうかが問題となっていました。この結論が出たようです。




12/8読売新聞朝刊に次の記事が掲載されておりました

「長距離ミサイル」削除
次期防 「唐突だ」公明反対

政府は7日、地対地の長射程精密誘導弾(ミサイル)の研究開発について、次期中期防衛力整備計画(2005-2009年度)には盛り込まないと決めた。公明党の反発を受けたためだ。次期防の素案では、「精密誘導兵器に関する先進的な研究開発を推進」と明記していた。

同日開かれた与党安全保障に関するプロジェクトチームの中で、防衛庁は「離島を侵攻された場合の反撃用で、射程3百km以内であり攻撃的な兵器ではない」とし、「巡航ミサイル方式と、弾道ミサイル方式で計40億円の研究費を考えている」と説明した。

これに対し、公明党議員は「あまりにも唐突だ」「日本の技術をもってすれば射程を延ばすのは容易で、近隣国に届くものにできる」などと了承しなかったため、政府側が削除に応じた。




このように報道されておりました。このような、決定がなされたことは政治的に正しい判断であったと思います。公明党議員の意見に防衛庁側が、適切な説明や合理的理由が見出せなかったからでしょう。なぜなら、付け焼刃で間に合わせ的に考え出した案だからではないかと推測します。もしも、本当に検討を重ね、国民や政策担当の議員連中を納得させるに足るものであれば、検討の対象になり得るからです。そういった準備もなく、「晴天の霹靂」みたいな構想ではダメにきまっているでしょう。

民主党議員は何と思ってこの過程を見ていたのでしょう。公明党議員が意見したらすぐに引っ込めるような政策に、野党としての意見表示は何故無かったのでしょう?議員の方々は議会で官僚をやり込めるだけしか能力が無く、与党相手では噛み付くこともできないのであろうか?何のための委員会であったり委員なのでしょう?委員は肩書きだけのもの?普通に考えて、政府与党に対する政策批判のチャンスだったのではないのですか?手柄を公明党議員に譲ったのかな?疑問文の連続で申し訳ありません。

国民が叫ぶ声は大きいわけではありません。でも、議員さんでそれなりの役職にある人ならば、記者会見を開いたり民主党付きの報道関係者にはっきりと意見を伝えることによって、国民にも広くアピールできるはずです。これは「スタンドプレー」や「越権行為」に該当するということなのでしょう。まさか「大賛成」との立場であったのかもしれませんが。

このミサイル構想は地対地ミサイルであり、離島に上陸した敵「陸上部隊」を攻撃するという意図です。3百km程度の射程では、本土に設置した場合カバーされる範囲が狭く、辺縁に存在する島には全然届きません。もし、全域カバーするなら、本土から遠く離れた別な島に配備して、さらに遠い島を射程に収めることになるでしょう。飛び石作戦ですか。なるほど。ユニークです。

もしも万が一離島を敵上陸部隊に占拠されてしまったら、どうするか?防衛庁は敵上陸部隊をミサイルで「殲滅する」構想のようです。これが防衛庁が描く防衛構想ということですね。島の規模や住民の有無にもよる(防衛庁は無関係にミサイルをぶち込む計画のようですが)と思いますが、住民はいないものとして考えます。普通の考えでは、海上戦に勝利すれば、海上封鎖してしまうと上陸した陸上部隊はよほど特殊な兵器(戦術核ミサイルとかですね)を持ち込むことに成功していない限り、補給を断たれ孤立します。海上戦力には特別な攻撃が出来ません。鉄砲撃ってみても意味ないですね。自動的に奪還できますね。上陸部隊は投降するか、玉砕か、飢え死にかでしょう。

基本的に海上戦(勿論航空兵力も参加しますが)を制することができるかどうかに依存し、上陸阻止が可能か、次に上陸された場合でも飛行場建設や強力な反撃用兵器の設置を防ぐことができれば、海上封鎖が可能か、という視点で防衛を考えると思うのですが。


私が記事を書いたのは5日です。防衛庁はたった数日で撤回するような政策を立案する集団であるということなのでしょうか?これを「理念がない」と言うのです。本当の重要事項ならば、得意の「徹底抗戦」で挑むべきでしょう?茶番です。


激疲労です

2004年12月08日 23時49分53秒 | 俺のそれ
用事があって昨夜より出かけてしまい、記事が書けませんでした。つい先程帰ってきましたが、ビール片手に疲労度120%です(「ヤマト」の影響を受けているのでしょうか。波動砲が好きだった訳ではないのですが。約数が多い数字は受ける印象が安心できるのかな?素数とかなら、なんだか不安だもんね)。




車での移動でしたが、約600kmほど運転しました。疲れたー。今もふわふわしてます。ビールのせいかもしれませんが。

キーボードもうまく操作出来ない…。はっきり言って運転は疲れます。歳のせいかな?夜は特に辛い。目にきてるということかな?

コメント欄は少し改善傾向かもしれない(笑)

途中になっている部分もあるので、また書いてみます。
気づいていなかったニュースもあったので、報告を兼ねて書いてみます。


テロ対策2

2004年12月07日 21時30分24秒 | 防衛問題
テロ対策に必要なことは、未然に防ぐことです。陸上部隊の増強はコストベネフィットの観点から、非常に有効とは言いがたいと思います。


陸自隊員の特殊能力が絶対的に必要な任務としては、
・危険物質の汚染地域での活動(既に配備されている)
・直接交戦状態でのテロ部隊制圧(SATと協力)
・最重要拠点防御
以上である。


他は警察組織による活動によってカバーされていると思われる(現状においても)。


テロ侵入防止の根幹は前の記事でも検討したように、「国土に近づけない」ということである。上陸されてしまうと発見が非常に困難となり、また標的も判然としない状況がある。テロリストにとって空からの侵入はほぼ絶望的と考えるので、残るは海上ルートしかない。これをどのようにカバーするべきか、ということなのである。


洋上監視・索敵は「テロ対策1」に書いたように、海上保安庁の巡視船、海自の艦船、航空機(固定翼、ヘリ)が重要であると述べた。これは日本が海洋国家であるという特性からであり、警戒すべき残された侵入経路は海上ルートが殆どだからである。拉致問題においても海上ルートからの侵入が主であったはずだ。ここが重要であることは理解できるであろう。


また、一般人に紛れて侵入してくるケースでは、入国審査段階、税関、港湾警察等の一致協力が必要であろう。例に挙げたように船舶の積荷については、航空機ほどの厳重警戒が敷かれてはいないのではないか、とも思っている。この辺は、先の機関と警察組織との連携協力により対処できうると思う。特に国内活動阻止には公安の力量が試されるのではなかろうか。


私が以前から防衛問題に述べていることだが、同じ費用を投入するならば、戦車や対戦車ヘリを配備するよりも、「高速ミサイル艇」「飛行艇」「汎用ヘリ」を推奨している。このことは、テロ対策においてかなり有利になると考えらるからである。その利点について述べたい。

「高速ミサイル艇」の利点
・比較的小型で機動力に富む。これは絶対的特性と言える。これが、この艦船の存在意義と思ってもいいのではないか。巡視船、航空機などから、不審船情報等が入ったら、護衛艦よりも早く現場海域に到着できるのはこの艦艇である(勿論最寄の海域に護衛艦が存在しているなら別であるが)。
・テロの脅威の種類で述べた戦闘車両を積載した大型艦船に対しても対艦ミサイルの打撃力を有する。水上艦船同士での戦闘にも十分対応可能である。フォークランド紛争の時には、対艦ミサイルにより英国駆逐艦が撃沈されてしまったが、とくに旧式で高度な火器管制システムのない艦船に対して対艦ミサイルは有効である(ミサイル自体は比較的低速であるが、海面上を非常に低い高度で接近してくるミサイルを撃破できるのは、非常に高度な技術に裏付けられたシステム+撃墜用バルカンのような装備が必要)。対艦ミサイル、対空・対水上速射砲、バルカン砲が備わっていれば、多くの艦船・航空機との戦闘に対処可能(勿論本格的大型艦船よりは劣ることは確かであるが)。
・潜水艦に対しては攻撃能力を有しないが、逆に潜水艦からの攻撃に対しては、対艦ミサイルには速射砲とバルカンで対応、魚雷についてはその高速性能と小型の艦体により大型水上艦に比べ回避確率は高い
・比較的浅い港でも入港できるので、大型艦に比べ配備の自由度が高い(分散配備可能)
・テロ以外の海賊行為船や不審船などの対処としても有効
・海難事故等の捜索活動でも有用
・護衛艦のような大型艦船に比べ安価

欠点としては、外洋の作戦行動(行動半径が小さい、荒れた海では小型なのでちょっとつらい)には適さない、防空能力に難がある(対空ミサイルがない)、潜水艦に攻撃できない、などであろう。
近海の洋上監視・索敵行動には十分任務を遂行できうる。その機動力は対テロや捜索活動に非常に有効である。
護衛艦群には距離的・時間的に即座に到着できないような遠距離(本土から遠い島等もカバー)の洋上作戦を主に担当してもらい、高速ミサイル艇は近海防御を担当する

「飛行艇」の利点
・着水可能。この性質は非常に役立つ。海難救助において(着水できる状況ならば)発見海域で船舶の到着を待たずに早期に救助できる場合がある。また、大規模災害等で都市周辺の空港が離着陸不能となることも想定されるが、最も近隣の着水可能な地点(港や大きな湖)に物資輸送などが可能な場合に有効(固定翼機は災害救助活動では主に食料・毛布を運搬)。陸路が遮断されている地域でも海側からは運べる場合などに有効である。
・ヘリよりも移動速度が速く、航続距離も長い。このため、洋上監視にはヘリよりも当然遠い海域を監視することになる。

欠点としては、対潜哨戒機のような機能がない、監視はできるが攻撃力が無い(水上艦船に対しても)、などである。現有のP-3Cは飛行艇よりも遠い地域を哨戒し、それよりも本土に近い海域の哨戒を担当する。
主任務は哨戒・監視と、救助活動、運搬輸送活動となるであろう。

後で書き足します。

テロ対策1

2004年12月07日 17時46分04秒 | 防衛問題
テロ対策について検討してみました。防衛庁でもシナリオを想定したようで、きっと陸自隊員数の正当性の根拠にしようという魂胆ですね。隊員たちに陸上を巡回させるんだそうです。全国くまなくできるのかな。凄いですね。フル装備の陸自隊員を6千人投入なのかな?相手はシュワ?らんぼー?


私の考えをまとめてみました。


基本方針

A 国際協力及び情報管理
1)諸外国の関係機関と(外務省などを通じて)重要情報を交換・共有し、国家を超えてテロの脅威に対処する
2)最優先事項はこうして得られた情報から、テロ行為を未然に防ぐことである
3)国外には外務省職員や防衛庁職員が存在しており、日頃から関係機関との連携強化や重要情報収集に当たる
4)収集した情報に関しては官邸に集約する体制とするが、事前に情報分析・評価を統合的に行う部門が必要(防衛庁、外務省、公安等)

B 侵入阻止対策
1)一般人に紛れて侵入を図る場合
2)秘密裏に侵入を試みる場合:国土の特性から、経路は海洋ルートか飛行ルート

C 侵入後のテロ行為対策
1)テロの目的・規模・手段等により、対策を講ずる
2)関係機関の連携・協力


Aに関して
テロは事前情報が最も重要であり、防止に優る対策はない。従ってこの部分については重点的に機能強化を図る必要があるだろう。国家安全保障における防衛政策についても同様であり、インテリジェンス強化や外交強化は最上位に位置づけられると考える。


Bに関して
1)ケースとして考えられるのは、一般人に紛れて飛行機や船舶等の正規の交通手段により国内侵入を図る場合である。この時の携行可能品として拳銃や自動小銃等火器はほぼ不可能である事が多い。このため別ルートでの武器・爆薬等の持ち込みがあると判断される。

船舶の積荷に巧妙な細工を施し(機械類や作業用車両等に内在させる方法?)、火器を分解して持ち込む方法では、自動小銃やサブマシンガン等の持ち込みが起こりえるかもしれない(個々の部品は見ても何に使うものか判然としないし、最終形態に比べ小型化が可能)。航空機の積荷は比較的小型のものが多い上に、警備・検査が厳重であることが多いためやや困難であろう。それに比し、船舶の積荷は大型のものも可能であるし、飛行機に搭載する場合に比べ検査が甘いと思う(国外から積載してくるときには、出航時に日本人職員の検査が実施されているわけではないと思いますので)。

時間的に制約がなければ、時期をずらしてテロリスト達が、バラバラに正規交通手段で入国してくる。集結地点を設定しておき集合し、国外からの積荷を受け取り、武器を入手する。テロ決行。というようなパターンであろうか。

このような場合では、入国時の審査状況(要注意人物等の情報に合致するか、注意対象国の国籍であるか、等)、積荷受取者の不審情報、積荷自体の厳重な検査等が対策として必要であろう。

2)秘密裏に侵入する場合、空からの侵入手段は飛行機(パラシュート降下含む)、ヘリ、気球などであるが、現実的方法としては、低空で侵入を試みる飛行機からの降下やヘリによる着陸である。戦闘車両を人員と同時に持ち込むことは甚だ困難であろう。また日本の防空能力や探知能力からみて、可能性は極めて低い。また航空機やヘリはそれ自体が持つ音量の大きさから、到底「秘密裏」の行動ではないため、発見される可能性が高くなる。

次に海洋からの侵入経路であるが、海岸線の延長距離が長く、索敵範囲が広いため、全域を常時カバーするのは困難な面があるかもしれない。この侵入ルートでは、漁船等に見せかけた偽装船、軍用の上陸用舟艇的機能を有するもの、潜水艦からの上陸部隊侵入、などが考えられる。戦闘用車両を積載して(テロ攻撃時の打撃力が最もあるのはこの場合であろう)上陸する場合は、第二に挙げた上陸用舟艇機能が必要であるが、その鈍い運動性能や大きさと形状からかなり離れた地点からも判別されやすい。このため、領海侵入から上陸までの経路で発見・対処行動をとれる可能性はかなり高くなるであろう。秘密裏の侵入には極めて不適切である。しかしながら、攻撃的打撃力は最も期待できるので上陸を試みないということは断言できないが、成功の可能性はほぼ絶望的であろう。

これと比較して、偽装船や潜水艦からの侵入の試みは成功の可能性は高くなる。ただ、このどちらも大型の兵器類は携行が困難であろう。戦闘車両ももちろん不可能である。自動小銃やせいぜい大きくて対戦車ロケット(例えばRPG7のような)程度ならば、持ち込めるかもしれない。潜水艦はあまり浅い海岸には近づけないので、洋上のどこかで浮上し、上陸用ボートに上陸部隊を移し変えてそこから侵入することになるであろう。

これらを発見するためには、海上保安庁の巡視船による監視、航空機からの索敵、海自の艦船等の監視等が必要となる。陸上からの監視も無効ではないが、航空機や艦船の方が「侵入阻止」の観点と、万が一に上陸を許してしまったとしても早期発見により対策を講じる時間ができる可能性が高くなるからである。よって、洋上監視はその索敵範囲や有効性からは、航空機が優れており、次いで艦船による監視、最後に陸上に設置された施設からの監視であろう。海岸線の道路等を網羅的に監視するのは最も非効率的であると考えられる。


C 不幸にもテロリストの侵入を許してしまった場合を想定してみる。

a)
示威的あるいは象徴的なテロ攻撃を想定すると、重要機関や人物を狙った攻撃が予想される。例えば、「国会議事堂占拠・爆破」「総理大臣等の要人暗殺」「皇居爆破」等であろうか。これらは殺傷人数をいたずらに求めるものではなく、日本国の名誉、誇りや自信を傷つけることを目論んでいるのではないだろうか。

侵入が判明していない場合:
この時はほぼ通常の警備体制の中でテロが決行される。現在と同様レベルで警備警戒態勢でテロ決行が起こった場合には、どの様な事態となるか想定が困難である。例えば国会議事堂周辺では警察組織によって警備が担当されており、フル装備の陸自の部隊が周辺に展開したり、厳戒態勢がひかれているのであろうか。イラク派遣を継続し且つテロによる脅迫を幾度も受けながら、今後も派遣延長を示唆しテロ組織に標的と名指しされていても、現在の警戒レベルはこの程度で済むという判断であると思う。よって、ほぼ警察組織による警備体制によって、テロ発生の抑制を可能にしているのが今の状態であると言える。

侵入が判明した場合:
侵入判明の情報としてどのようなものがあるかは分らないが、例えば海岸に置き去りにされた上陸用ボートとか不審船が発見された場合や外国の諜報機関からもたらされた情報である場合等であろうか。
対策は侵入後の潜伏先や移動ルートの捜索、重要拠点の警備等であるが、第一に重視されるのは発見のための捜索活動であろう。この時は、テロ組織と直面するような事態以外重装備は必要がなく、また主要な交通機関には厳重警備体制がとられるであろうから、移動手段は限られてくる。きっと銃を肩に担いで歩いたりしてはいないであろう。主に車であろうが、道路での検問も実施されるので発見される可能性がある。仮に、どこかの道路上で発見された場合は、その局地的優劣関係はテロ側が優位であろう。携行している火器の種類にもよるであろうが、少なくとも拳銃よりは強力であろう。通常の警察組織は武器の上で対抗できないであろう。単に道路封鎖を行い、遠巻きに包囲するしかない。そこに、自衛隊やSAT等の精鋭部隊が到着し、事態の収束が図られるであろう。包囲網を突破する可能性が無いわけではないが、テロリストが目的としている重要拠点の攻撃は絶望的になるであろう。局地的戦闘によって警官等に死傷者が出てしまう可能性が高い。


b)
大量に破壊や殺人を目論んでいる場合には、最も攻撃目標として適しているのは原発であろう。攻撃後の甚大な被害が起こってしまう可能性があるからである。本当に運転中の原発が攻撃され、放射能汚染やメルトダウンなどが発生してしまうと被害は推測できない。核攻撃を受けたのと同様の結果が待ち受けているかもしれない。

侵入が判明しても、攻撃目標が判然としないので、重点的に警備する以外ない。ここについては、自衛隊の精鋭部隊を配置して警備活動に当たるのが当然であろう。施設に近づく道路や周辺地域は警察組織の配置でよいと思う。また、近くの海岸線は艦船とヘリを主体とした警備活動を日常的に行うべきであろう。

他の甚大被害が想定されるのは、鉄道爆破、地下鉄爆破、大型フェリー爆破、等であろうか。普通のビル等の爆破や自動車爆弾による自爆は、被害規模が小さいかもしれない。かなり昔に日本国内で過激派による建物の爆破事件が幾度も起こっていたが、テロリストの国内存在が分っていたとしてもこのような爆破は未然に防ぐことが非常に困難である事を示している。潜伏先の捜索を地道に行っていく以外ない。この時には自衛隊よりも警察組織の方が有利ではある。

鉄道爆破は実際にスペインで発生したが、列車事故特有とも言うべき甚大な被害となった。無差別な殺傷を想定するならば、こうしたテロ行為の方が、特別な火器を使用することも無く隠密性に優れ反復も可能なのである(捜査等で発見されない限り)。銃弾を打ち込んで殺傷する場合には5百発打っても、5百人が死亡するわけではないし、銃弾はいずれ尽きてしまうものであるから、被害上限が必ずある。ところがこうした鉄道爆破のようなテロは、被害が想定困難なほど多くの死傷者を生ずる可能性があるのである。

また、一万トンクラスの大型フェリーに大型トラックごと積載し、爆弾を積み込んでおけば沈没させることは可能かもしれない。この場合も非常に大きな被害をもたらすと推測される。トラックごと爆破ならば、火薬が目一杯必要なわけではなく、誘爆をもたらす化学物質を満載しておけば済む。発火源となる最初の爆発物は少なくてよく、安上がりな他の化学物質を大量に積み込んでおけばよい。これをフェリー積載前に判別するのは困難であるので、実行されたら防ぎようがない。周りにはガソリンが入った車が大量に積載されているのですから、このあとの事態がどのような危険性をもつのかは容易に想像できる。これは自衛隊の存在の有無に関係なく起こってしまいます。

他の標的としては、石油コンビナートや化学工場や肥料工場、ダム、通常の発電所や変電所などであろうか。人口の集積が低い場合が多いので、有毒ガス発生などの場合以外は、爆発・炎上が主たる被害となろう。人的被害は鉄道や地下鉄爆破に比べて少ないと思われるが、立地などに影響されるので正確には分らない。テレビ放送局やラジオ局を標的とする可能性は低い。なぜなら、現在はテロですらネットや衛星放送を利用する時代ですから、そんな所を占拠する必要性が非常に低いと考えられ、敢えて特別な危険を冒してまで放送局へ行き、そこで革命放送とかをやらかしてみたところで大した効果は期待できないのではないでしょうか。この場合の被害は、今までの検討の中では最も小さく済むと予想されます。


隠密性の高いテロの場合には、情報を掴むことと捜査すること以外にないが、多くの陸自隊員がこうした捜査活動をしているわけではありません。真に重要度の高い施設には、警察組織でもよいが常時警戒を怠らず、特に原発には自衛隊が配置される必要があろう。火器携帯のテロとの直接交戦となる事態以外では、警察組織でも十分である。a)と同様でその交戦が起こっている局地だけ見ると自衛隊とSATのような精鋭部隊がそこに集結できれば十分で、他は全員警官でもよいですね。そこに存在が確認でき、足止めできたならば、テロは制圧されるのは時間の問題となるでしょう(それともテロの中にランボーみたいな超人がいるとか?)。逆に存在が明らかにならない方が非常に困ると思いますが。

c)毒ガス等の化学兵器や生物兵器の使用
この場合は、テロリストの存在がそこに明らかとなるかは不明ですね。通常は隠密性を維持しながら、これらの兵器を使用し逃亡を図る場合が多いのではないでしょうか。汚染地域がどの程度の範囲になるかが問題です。このような汚染地域での活動は自衛隊以外には出来ないでしょう。その為の訓練と装備も自衛隊にしかありません。よって、この場合の対処は陸自が担当することになります。ですが、陸自と言えども全部隊の隊員にこの対処が出来るわけではありませんから、当然現在配置されている専門部隊の人員が必要数となり、他はa)、b)で検討した役割を担うことだけにしか役に立ちませんね。

地下鉄サリン事件に見られたように、逃げ場の少ない比較的狭い空間で人口集積もそれなりに高ければ、こうしたテロに対する被害は大きなものとなるでしょう。また、生物兵器としてばかりではなく、通常ルートを装いながら使用されることも想定されます。
例を挙げてみましょう。前提として「ウイルス」や「細菌」が研究されていて、テロリストたちの手に入るということが必要です。あくまで私が考えてみた物語ですから。

志願者を募ります。何人でも構いませんが、多ければ多いほどよいでしょう。志願者は自分が死ぬことの覚悟が必要です。生きられることもありますが。ある時点でSARSに全員感染させます。対象となるテロリストを20人としておきましょう。彼らはウイルス潜伏期間中に日本国内に正規ルートで入国します。旅客機がやはり良いでしょう。もちろん手ぶらでもなんでもよいのです。武器も必要ありませんね。
入国を果たした後は、彼らはひたすら遊び回り、不摂生な生活をして過します。彼らには絶対条件があります。遊びに出かける場所が、狭くて人の沢山いるところです。日本全国の大都市―まあ、東京・横浜・大阪・名古屋・福岡としておきましょう―に分散し、彼らは全員単独行動をとります。アニメとかゲームイベントの会場やモーターショーに行きます。人の密集したクラブなどにも行きます。大混雑の電車や空港などにも行きます。こうして、感染者の生ずる可能性が高くなるゾーンを集中的に回ります。風俗にも勿論出かけ、感染拡大を狙います。
そして遂にその日がやってきました。発症です。彼らは、数日のずれがありますが次々と発症していきます。命続く限り、彼らは人の出入りの多い施設を回ります。勿論国会見学にもやってきます。観光バスに乗ったりもします。ですが、遂に歩けなくなるほどの高熱にうなされ倒れます。ホテルの部屋で倒れこんでいるのが発見されますが、初めは病気の正体に誰も気づきません。助けたホテル従業員も感染するかもしれません。担ぎ込まれた病院には、感染に弱い老人やら病人がたくさんいます。そこにもウイルスは撒き散らされるのです・・・。
こうして、ウイルスの頒布期間は終わりました。あとは各地で「芽が出る」のを楽しみに待ちます。最初20人いたテロリストたちのうち、生命が助かるのは半分くらいでしょうか。ぎりぎりまで我慢しましたから、死ぬ確率はきっと高いでしょう。自らの肉体をウイルスを増殖させるためだけに捧げるのです。このようにして、全国にばら撒かれたSARSウイルスは次々と新たな感染者を作って、尊い命を奪っていきます。そこから先はテロリスト達にも、警察にも自衛隊にもどうすることもできません。会社を休業したり、学校は休みとなり、外国からの入国者は激減し、外出制限が出るかもしれません。WHOやCDCから専門家がやってきますが、手に負えない状況です。沈静化させることがなかなか出来ません。そのうち経済活動にも大きな支障を来たすでしょう。完全に収束するまでは、きっと多くの時間を要するでしょう・・・・。

生物兵器として利用するのに最も効果的なものは、人間の肉体そのものでしょう。このような方法ならば目立たず、しかも勝手に増えていってくれます。数百人規模あるいはそれを超える規模の死亡者が出る可能性があります。感染をどの時点で判断できるかによります。初期の対応で、感染の広がりは変わるでしょう。発覚してから数日後に感染例の報告がある程度かもしれません。その数日間に他人に新たな感染者を作り出していく可能性があり、そこから先は感染ルートが特定できない発症者が次々と出るかもしれません。全国バラバラに発覚していくので、元がどこかが分らないし、出入りしていた場所も不明のまま、そこにいた人達は運が悪ければ感染するかもしれない。

長く書きすぎました。すみません。次に続きを書きますね。

災害救助活動の検討2

2004年12月07日 02時44分34秒 | 防衛問題
前の記事の続きです。災害救助活動を陸自隊員ではない別組織の代替を考えてみます。どのような利点があるでしょうか。




利点として考えてみました。


1)一般隊員の装備等の費用や演習費、弾薬費等が削減可能
2)車両費についてもコストダウンを図ることが可能(防弾仕様等が必要ない)
3)消防組織ならば、殆ど全ての車両・装備が通常業務に使用可能
4)陸自隊員ほど厳密に精強ではなくとも組織可能(消火活動、救命救急隊員等役割が多岐であることから)
5)配置が自衛隊のような制限を受けないため、全国的に分散配置可能
6)首都圏等の大都市地域での大規模地震のような広域災害時には、基地に限定されて密集している陸自よりも、分散配置している消防組織の方が活動可能な部隊の残存確率が高い
7)地震後の火災等でも従来の消防組織であることから、指揮系統に統一性が得られやすい
8)法制面でも制約が少ない
9)防衛行動(射撃、兵器使用、通信技術等)の訓練に費やされていた時間が全くないので、災害救助ばかりではなく救命救急隊員としての訓練等、災害時に実効性のある技術が習得可能

災害救助活動のために削減した陸自隊員と同じ人員数を消防組織として増強すると仮定しても、消防庁管轄の組織か都道府県単位の消防組織に配置した方がトータルのコストは下がると考えられる。


災害救助活動において陸自隊員の方が優位である事項は、出動隊員の平均年齢が若いこと(だけかもしれない)


結論

上記利点や、現場の管理者である制服組も「自衛隊員は何役もこなさなくてはならない。このことは一般隊員に大きな負担となっている」という趣旨で発言しており、こうした意見も鑑みて、陸自隊員の負担軽減を図ることにも寄与できるので、陸自隊員数は削減し消防組織の強化を図った方が有利であろう。


災害救助活動の検討1

2004年12月06日 22時39分52秒 | 防衛問題
自衛隊は新潟中越地震発生から3時間後に新潟県から要請を受け、23日に約70~110人規模の出動がありました。
また、翌24日18:30には派遣規模が約960人、車両90両、ヘリ40機規模の出動となっております。要請から、約24時間以内に災害現場で活動していたのは約千人規模ということになります。これについては評価が困難な面もありますが、災害規模が思ったより小さかったため出動を見合わせたということなのでしょう。
25日19:00時点で出動規模は2400人、車両190両、ヘリ40機という状況でした。


一方消防庁の活動を見て見ましょう。
発生から1時間20分後に緊急消防援助隊へ出動要請がありました。24日には880人、11航空隊が出動しております。また消防団員は約3400人が参加しております。その後も緊急消防援助隊の出動がありましたが、日によって異なり約500人弱~800人規模の出動が続きましたが、11/1以降は要請解除となりました。


長く残っていたのは自衛隊で、倒壊家屋の取り壊しや炊事、給水活動、入浴支援などは続けられていました。派遣規模は災害発生後5日で約3千人、11/4で約4400人の最大規模となっています。

要請が自衛隊に対して遅れたことは、地方自治体側の要因かもしれません。消防庁の方が結果的に早く活動開始となりました。


災害救出活動において自衛隊が非常に役立った点を考えてみましょう。

消防組織との明らかな差は、ヘリの運用です。1)機数が多い、2)運搬能力が高い、と言う点で圧倒的な差が出ました。また、陸上部隊と比べても、避難所に退避させるのに非常に有用でしたね。
固定翼機(輸送機とかですね)は主に食料とか毛布を空輸するために使われました。



では、災害救助活動で考えたことを列記します。

1 拳銃や自動小銃が使えなくとも活動できる
2 陸上の活動組織が有する車両は防弾車両でなくてもよい
3 災害発生から約24時間以内での人員数では、緊急消防援助隊と自衛隊では後者の方が多かったが、主にヘリ運用の為の人員数の違いによるかもしれない。陸上での活動状態にある作業人員では、消防団員を集結させていた消防組織の方が約4倍以上多かった。
4 自衛隊の活動内容は、救助以外の支援(炊事・給水・入浴・取り壊し作業)は、陸自隊員でなくとも可能
5 初動において災害地域への集結状況は、陸上組織では自衛隊の方が遅い


今後の展望

陸自隊員は精強であることが要求される。少子化にともなう若年人口の減少により対象人口が減る為、現在と同一人口比で入隊希望者が存在すると仮定すると、当然入隊者は減少するので、現在と同数確保は困難となると予想される。仮定として、現在と同一の隊員数維持という政策は継続性・恒常性に欠けると言わざるを得ない。

陸自隊員は原則的に防衛作戦行動要員としての性質を有しており、災害救助活動を主任務とする解釈は現在までない。陸自隊員の必要性を災害救助活動に根拠を求め、陸自隊員以外の代替が不能であるとするならば、それは主任務と解することと同等であろう。

また、災害救助活動に限って考慮すると、多くの陸上活動では陸自隊員でなくとも可能な活動が殆どであるため、消防組織での代替は可能と推測される。

災害救助活動に投入される車両、例えば運搬用トラック、移動用車両等は防衛作戦行動用の仕様である必要性がない。災害救出活動に出動する車両が具備すべき条件は、単に走破性・登坂能力・運搬能力・堅牢性等があればよい(消防組織がそのような車両を保有していても問題はなく、日常業務でも消防隊指揮車等として使用できる利点がある)。防弾仕様は堅牢性を兼ねるが、その仕様が災害救助活動に必須とは言えない。ブルドーザー等の作業用車両も特に陸自所有のものではないと不可能である作業はない。

陸自隊員は駐屯地のような特殊な施設に集結している必要があるが、消防組織ではそれほど特殊な施設に集結している必要がない。都道府県を問わず配置させることが可能。配置する市町村の選択も陸自より比較的自由度が高い。陸上隊は分散配置も可能。


一定の訓練を受けた者であれば、炊事・給水・入浴支援は可能な活動であろう。陸自隊員固有の活動であることは証明されないのではないか。

地元消防団員の集結が比較的早く、災害地域の都道府県における陸上支援体制では、このような地域住民を主体とする団員を整備・組織することは費用対効果の面でも有効である可能性があり、今後政策上検討すべきであろう。

ヘリは数的に多いほうが有利である。特に運搬能力の高い大型ヘリは有用であった。消防組織において大型ヘリ運用は想定しにくいかもしれない。自衛隊保有でよいと思う。

財務省は野武士?

2004年12月06日 19時49分50秒 | 経済関連
「自衛隊は1人何役もやって大変だ」と答弁していた人は誰だったか忘れましたが、その通りですね。陸自隊員は災害救助活動やイラク派遣、PKO等何役もこなさねばならないので、これをある程度区分して役割を分担するようにした方がよいでしょう。制服組もそれを自ら主張しているようですから。

与党族議員も本当に考えているんだかどうなんだか分りませんが、民主党議員も少し努力して、本当に政権を担う意志をお持ちならば、「越権行為だ、スタンドプレーだ」などと財務省批判をする前に、自らの政策立案能力を国民の前に明らかにすべきです。




12/5の読売新聞朝刊に「財務省が変わった」という見出しで記事が出ていました。
それによると・・・(以下、部分的に抜粋)




防衛庁との攻防に関して、大野長官は「なんで場外乱闘ばかりやるのか」と谷垣財務相に詰め寄った。
「今日は個別的自衛権で来たが、集団的自衛権を使うかもしれませんよ」と自民党の防衛族議員などとの連携をにおわせた。

防衛庁幹部は「・・・公家集団だと思っていたら、意外と野武士みたいな戦い方だ」と財務省の変化に驚きをあらわにする。

谷垣財務相は「改革を続けると相当な痛みを伴う。できるだけオープンな議論で国民に問題点がどこなのか知ってもらわないとうまくいかない」と強調する。

財務省幹部は「政治家に配るアメの余地が少なくなり、調整役を果たせなくなった。予算のどこを削るかの押し付け合いとなると、政党も省庁も水面下の調整だけで納得できるはずがない」と、「地上戦」を選ぶ理由を語っている。




「政治家に配るアメ」なんて初めから必要ない。谷垣さんが言っているように、国民はよく考えて財務省と防衛庁のせめぎ合いを注視するべきであろう。また、族議員の抵抗に打ち勝つには国民の援護射撃が必要だ。私は以前からの主張通り、財務省を当然支持するし、応援する。民主党議員は一体何をやっているんだ!討論番組とかでも自民党議員に踏み込んだ議論を挑めなくてどうする!政権与党の政治決着にまでもつれているんだから、野党は官僚に意見するのではなく、政治的に政府に向かって意見すべきであろう。その点谷垣さんの方がエライぞ!主計局次長がやり込められても後ろに引いていないぞ!部下を信じてるし。


野党議員は防衛政策に関して何も具体的な説明を国民に示す事もなく、非難する相手を間違えているのではないのか。政権与党にこそ詰め寄るべきではないのか。
射程千km以下の地対地誘導ミサイルの意義と防衛政策上の利点・欠点を説明してほしいですね、民主党議員の方に。そういうことに何の反応も示さずに、予算決定過程の手法だけを取り上げて非難するなぞ、本当に国会議員としての役割を担っていると言えるのであろうか?


今後、災害救助活動とテロ対策について考えてみたいと思います。


常任理事国候補はどこ?

2004年12月06日 16時09分20秒 | 外交問題
中国はドイツの常任理事国入りを支持するとの報道に続いて、ロシアはインドの支持表明。日本は・・・・




米国は日本の常任理事国入りについては支持表明をしていない。日本は何処の支持を取り付けるのか?「ブッシュ再選」(カテゴリー:外交)に書きましたが、コイズミさんはブッシュのプッシュを期待していたはず。ところが、日本の国連改革案にちょっと面白くない米国は(実際どうなのかはわかりませんが)日本支持を表明するどころか、米パ首脳会談を開いている。これは、あからさまなプーチン大統領のインド訪問への牽制だ。中国は日本にそしらぬ顔をして、イヤミなあてつけで「ドイツ支持」を表明…。

ASEAN諸国が日本支持としても、現在の常任理事国のどこかから強力なバックアップは必要だ。ヨーロッパの旧大陸側は米国の単身行動が鼻についているから、国際舞台では浮き上がらせたいと思っているだろう。仏・露は特に。英はそうでもないかもしれないが、国内批判を浴びせられてやや恨み節という気分かな?中国は米に近づきたいが、貿易赤字でかつての日本のように疎ましく思われ始めてきたかも。


日本はインドに近づけ!と言ったのに(「日中の相互譲歩で修復?」、カテゴリー:外交問題)、ロシアにやられた。印パ関係のバランス(だと思う)で米はパキスタンに近づく結果となったから、日本にはチャンスだったかもしれない。ロシアは中国の成長を羨ましく思っており、インドと共同戦線を張るつもりなのかもしれない。この辺の情報はどうなんでしょう?印・露vs中の経済成長競争かな?ロシアにこなかけられちゃったから、日本が後からインドに近づくと米がへそ曲げるかな?今のところ名前が挙がっているのは、日本以外はドイツ、インド。地図上でバラして配分を考えると、アフリカ大陸から1、中南米から1、あとはどこだろ?ヨーロッパから1が妥当かな?


G7+1と中国だと9カ国。残り二つのイスのうち一つがインドだとするともう一つはアフリカ?かな。イタリアとかカナダはやる気あるの?どうなんでしょう。でもね、インド外交ではロシアに遅れをとってしまったか?インドの候補入りは全然考えていませんでしたよ、驚きです。外務省は情報つかんでいたのかな?


もうこうなったらパトロンいらないから独力で入るしかないね。中国が猛反対とかしたら?イヤだよね。
中国へのODAについては継続も廃止も言うなって忠告したじゃないか!なんでコイズミさん発言したんだろ?こんなことで逆恨みとかはやめてよね。


ごめんなさい。日印首脳会談は11/29に行われているから、ロシアより先だね!やったね。良かったよ。いいぞ、外務省。

TBとコメントについて

2004年12月06日 14時12分40秒 | 俺のそれ
私はまだ2ヶ月未満の初心者ブログですので、基本的にはどちらもうれしいです。

あんまり基本的なことを書くからといって、笑わないで下さいね。
まず最初にTBとは何か判らないまま記事を書いていました。ですので、30pvくらいでした(gooはページビューと言うらしい、でも数日前からpvとipの表示に変更になっています。人の数とページ数ということかな?)そのうち半分は自分(爆)。

でも、ある日初めてコメント記載があって、どこかの親切な人が見てくれたのだと思い、嬉しく思いました。こんな記事にでも書いてくれる人がいるのだ、と思い有難いと心底感じました。

そして、運命の初TBが来ましたー!!スタートしてから5日目の出来事でした。ドキドキしながらTB先に行ってみました。「これがTBかよー」涙が出そうでしたよ、ホント。お作法とかが分らずに、他の人のコメント読んで「TBありがとう~~」とか「トラバ~~~」とかの所謂定型文を見て、そうなんだーっと思い真似して書きました。でもって、「お気に入り」欄はガラガラでしたので、コメントくれた人とTBくれた人を順に入れていきました。でも、一番最初のTBの人は多分二度と私の所には来てくれなかったんじゃないかな、と思います。コメントとかで会話したことなし、ですので・・・。一ヶ月後くらいにブックマークからは「削除」となり、お別れしました(泣)


その後は数人の方とやり取りが続き、初期のころから引き続き現在も訪問し合っているブログはもちろんブックマークに入っています。TBのやり方とか聞いちゃったりして、アドバイスとかもしてくれて親切だなーと思いました。TB・コメントがなかったら出会わずじまいですから・・・。その後は自分でもTBしたり、他のTB欄から行ってみたら面白かったとか、段々広がりが出てきて、自分が気に入って訪問しているブログは増えました。TB欄がなかったら、実は木村氏のブログに辿り着けませんでした。存在を知ったのは先月で、わたしからTBをさせていただきました。そしたら、「国家公務員~~」の記事を紹介して頂いて、この時もドキドキ度120%でしたー!わー、有名人だよー、って思いまして。これ正直な感想です。
あー、有名人と言えば、過去に地方局アナ男性のブログからTBありましたが、「これきり、これきり、もう~これっきり~ですか~」(by 山口百恵風)で『一度きりの関係』の方がおられました。関係ないか。

その後も訪問しあっている方から、TB頂いたりしています。また、「国家公務員の制度改革」関係では、今「ぷろとたいぷ」のbuuさんと意見交換をしておりまして、これもTBがあったから出来ました。ですので、結論としては(私個人的には)TBは基本的にいいものではないかと思います。有名なランカーブログ(などとは呼ばないのかもしれませんが、上位の方々ということで)の人は、ランカーの人気を利用する「コバンザメ戦法」あるいは「他人のふんどし戦法」は許せんという気持ちになる場合もあるのでしょうか。でもあっという間に欄外に消え去ってしまうま。

逆にちょっと困っているのは、コメント欄ですね。防衛問題の記事も書いているのですが、これがねー。財務省vs防衛庁の構図が私のブログのコメントで見ることができます(爆)。大野長官は谷垣財務相に「集団的自衛権を行使するからな」と詰め寄った(読売新聞)らしいのですが、まさに(ちなみに私は「まさくに」です)これですね。

防衛族の集団的コメント攻撃の集中砲火を受けまして、結構大変でした。でも、専守防衛に努め(笑)財務省にエールを送っています。最近の記事にも連発で防衛関連の記事を書いてみたら、また何処からか押し寄せてきました。私も結構人気出てきた証拠なのでしょうか?(なわけないけど)
「防衛大綱の攻防」が私のブログで再現されていますから、興味がある方々は見てみて下さい。コメント数は10しか左欄に表示されませんから、新たなコメントが書き込まれたらちょっと分りにくくなるかもしれません。コメントの欄全部が防衛族に占拠されてしまっていることが2度ほどありましたが、消す事はしていません。自分の意見表明とは激しい抵抗も覚悟せねばならない、ということでしょう。


官僚は制度に負けるのか5

2004年12月05日 23時29分23秒 | 行政制度
buuさんからTB頂きました。こちらの返事が遅くてお待たせしてしまったようです。
途中になってしまった感じで、申し訳ありません。また切れぎれになってしまって・・・。お詫びいたします。

今までは、意見を出し合い、双方の主張の違いや対立点について見てきました。はっきり申し上げますと、最初に「国民にその責がある」という結論にはすんなりと同意できない気がしたので(私のせいだというのか!という短絡的な気持ちがありました)反発心から書いてしまったところが多かったと思います。他の方々からもコメントを頂いたりしましたので、勝手を申して恐縮ですが、私の個人的意見というか感想を述べることとします。

当初は、ブログのサブにもあるように「無能政治家や官僚をメッタ切り」しようと思っていました。これは、政治に対する一個人のあまりの無力さからくる不満以外何ものでもありません。動機としては不純と非難されるでしょう。ですが、過去の投票には殆ど欠かさず投票し(本当は2、3回行っていません)ても、何も変わりません。私がどんなに政策に対する意志表示をしようとしても、当然個人の声など届くものでもありません。かつては自民党に入れていました。何故かというと、比較の問題で社会党や共産党などに入れてもダメとしか思えなかったからです。消去法的に行う投票ですね(でも、あまりに頭にきて自民党よ思い知れ!という思いで共産党に投票したことが1度ありました)。

こうした投票行動は無力と思い知りました。組織票とかにトータルではかないっこないからです。新党旋風や社会党旋風とか言ってみたところで、一瞬の風というだけです。おまけに自民が野党のときの連立政権にしてもまるで役立たずで、結局何も変わらなかった。私の一票なぞ「カス」としか思えませんでした。ですから、「諦め」に陥って、投票するのを止めたこともあります。「政治には何も期待できない」という無力感だけがありました。でも、今は考え方を変えて、少しの希望を持つことにしました。それがブログです。

投票以外に個人で取り組める事は限りがありました。省庁がメールで意見を受け付けてくれるようになってからは、何度かメールしましたが、一度も返事がくることはありませんでした(なので、ここ数年前から出すのは止めてました。通知内容がちょっと変わったこともありましたので、少しは意味があったと思っています)。街頭演説したりビラ配ったり政党に入って活動するほどの時間も気力もありませんでしたし。ですから、「投票という権利行使」がひどく当たり前の答えすぎて、今までの無力さの繰り返しとしか思えなかったのが本音です。これに実効性を持たせるには、かなり多くの有権者の行動に影響力をもたらさなければならないと思ったからです。

一般国民の立場から言わせて頂けば、行政の内容は複雑多岐であり、仕組みについて理解したりすることも難しいです。誰かが基本的な説明をしてくれないとなかなか理解できるものではありません。選挙の時の「消費税反対」というような安易な対立の中でしか理解ができないからです。近年になってようやくマスコミもそうした説明を増やしてくれるようになりました。「年金問題」がいい例ですね。ところが、そのマスコミの視点も「悪代官」のようなイメージをつくることによって、大衆受けする方向にも行ってしまっているということはあると思います。それを象徴していたのは、議員さんたちの「未納問題」ですね。あれは行政側の説明不足とか徴収事務に関する制度上の問題点があったことが主な原因と思いますが、あたかも「悪意を持って払っていなかった」かのような報道でしたから。

このような事態についてはbuuさんが以下のようにご指摘の通りと思います。
『週刊誌やマスコミなどが面白おかしく書き立てていることは事実ではあっても、誇張や、誤解を招くように操作されていることが少なくないように感じます。公務員といっても家族を持ち、弱さも持ったひとりの人間の集合体であり、そこを認識した上で「ではどうしたら良いか」を建設的に考えていく必要があると思います。』

国民の考えるべき方向がこうした誤った方向へと導かれてしまっているということについては、国民の責任でありますし、またマスコミの姿勢についても熟慮しなければならないでしょう。また、前向きな代替案や対策などをもつことこそ、本当に意味のある批判になるということもご指摘の通りと思います。私も反省しています。

もう一つ、国民の責務として、ご指摘になっています。
『「国民が行政についての理解を深める労力を惜しまず、日常から行政の決定に関心を持って正しい判断ができるようになるべきである」、「こうした判断に基づいて投票という権利を行使してほしい」、この内容自体はまさしく僕が考えている通りです』

私たちが政治や行政について考える時の前提として、こうした責務を負うべきであることは当然であろうと思います。こうしたことを考えずに、安易に批判や追及に終始すべきではないという意見には賛同できます。

方法論としては、buuさんの以下のようなご指摘があります。
『当然外圧が必要で、外圧を効果的に働かせるためにはやはり政治に訴えるのが適切でしょう。世論が盛り上がってくれば、政治家にも党横断的な勉強会を設置しようという動きが出てくるかもしれません。何はともあれ、きちんと声が届くくらいに大きな声を出す事が必要です。最近は議員もブログを持っていたりしますから、そういうところにトラックバックをしてみるという手もあります。』

この辺も、私は限界を自分の中に作ってしまっていたのかもしれません。ですが、ブログによって考える機会をつくること、意見を聞いてみることには意義がありました。まだ、具体的な国家公務員制度の改革方針とういうか考えがまとまらないので、制度改革自体についての意見は出せない状態です(すみません、今までのやり取りはなんだったんだ、というお叱りを受けるかもしれません)。私は不正や非効率的な部分に目を向けていたし、倫理の問題ではないか、あるいは現行制度上の権限行使過程での評価機能が不十分であることが問題なのではないかというスタンスでしたので。

この点で、buuさんのご指摘では
『自浄作用も発揮されつつありますが、根幹にあるのはもっと大きな構造的問題だと思います。』ということで、実情は厳しい状況のようです。このための改革が必要であるということでしょう。
また記事をお読み頂いた方からのコメントには「官尊民卑の風潮」や「情報開示とインセンティブの問題」というご意見も寄せられています。国民としてはそうした構造的問題と見られる部分も感じておられるということですね。
多くの国民に理解を求めて世論形成につなげるための適切な説明や情報公開(行政もマスコミも)、国家公務員制度の抜本的改革を求めるならば国民がその意思表示をすること、具体性のある改革案を提言すること、というところでしょうか。

最後に少しだけお話しておきたいと思います。人間ですから弱さもありますし、いくら高潔といっても「霞」を食べて生きていけるわけでもありません。私にはやや幻想を抱いていたところがあったのかもしれません。優秀な人達が能力を自分のために使うのではなく、持たざるもののために使うことを期待しすぎていたと思います。また、集団というのは秋刀魚などの魚群と同じで、先頭の数匹に大多数が後ろからついていってしまいがちですから、国家の政策に携わる人々はその先頭で正しい方向性を示してほしいということもそうです。本来政治家がやらねばならないことなのですが。

私の知人に大学病院の若手医師がおります。彼らは、大学病院の正式なポストがないので、籍を置くために研究生のような立場で大学に授業料を払っているそうです。給料は正式には出ないようです。民間病院の当直のアルバイトをしなければ生活出来ないそうです。被用者保険も厚生年金もないので国民年金や国民健康保険に加入しなければならないそうです。地方に出張バイトにでることもあるそうです。重病の患者がいて何日間も家に帰れないことも珍しくないそうです。医師といえども世間一般で考えられているほど裕福で恵まれているのではないのだな、と気の毒に思いました。何年も前だったと思いますが、救急とかの制度が行政政策として十分確立される以前に、当直のアルバイトに出ていた若手医師が、搬送されてきた患者の救命ができず業務上過失致死罪の刑事責任を問われ有罪となった事例があったと記憶しています。当時の医療水準に鑑みて過失が認定されたようです。国家試験に受かっている以上、力量不足というのは許されないということです。その後は世間の非難もあり、行政側の施策として医師の救命救急研修が義務化されたようです(正確ではないかも。麻酔科研修でもよかったかもしれません)。行政とはこのような状況であり、そこに身を置く国民は法令の縛りを知らないうちに受けながら、その重大な責任も個人が負わなければなりません(そのような事態を受けて政策が考えられていくのです)。経済的・労働環境的に恵まれているとはいえないところで、ひたすら実力をつけるようなトレーニングを積み重ねるしかありません。怠れば、刑事・民事・行政責任を問われるリスクを常に負わねばならないのです。今年未経験の手術で過失があったとして3人の医師が逮捕された事件がありました(病院名忘れました)が、判断の誤りは許されるものではないということです。こうした過酷な研鑽や大きなリスクに比して医師の報酬が高いか安いかということは判断が難しいですし、高給取りの医師ばかりではない現実もあるのです。世の中には非常に厳しい環境におられる人々がいるのだな、と思い、私個人としては尊敬に値すると考えています。官僚諸氏が楽をしているとは思っていませんし、立派な人もたくさんおられるでしょう。それは常識的に分かることですが、責務の重大さとか自分の有する権限の意味するところについて、皆さんが心に留めて頂きたいと願っています。今医療制度改革についての記事が途中になっていますが(3で止まっています)、このようなこともいずれ書いていこうと思っています。


ちょっと時間があまり取れずに断片的な意見となってしまって、すみません。buuさんの改革案については、私の意見が現在まで関係したところは、その他の事項(4-1)だけ?ですね。役に立ってませんね、私。


長距離ミサイルは合法か

2004年12月05日 02時05分22秒 | 防衛問題
また、防衛問題です。防衛庁は通常装備の削減を受け入れざるを得なくなり、そのとたんに次期中期防衛力整備計画に文言を盛り込もうとする「権益確保」の浅ましさが現れています。ちなみに平成16年版防衛白書には「長距離ミサイル」に関する記述や構想さえなかったと思いますが。




また、asahi.comの記事を抜粋します。

次期防概要案、長射程誘導弾を研究 基地攻撃能力強まる

05年度から5年間の防衛力整備の指針となる、「中期防衛力整備計画」(次期防)の概要案が3日、明らかになった。地対空ミサイルなどによる敵の攻撃を妨害するための戦闘機搭載型電子妨害装置の開発や、地対地攻撃用の長射程精密誘導弾の研究着手を盛り込んだ。防衛庁は「離島が侵攻された際の対処がねらい」(幹部)としているが、敵国の基地への攻撃能力を持つことにもつながる。政府は専守防衛の観点からこうした兵器の保有を避けてきた経緯がある。

 政府は、新たな「防衛計画の大綱」と、それに基づいて具体的な防衛力整備方針を定める次期防を来週、閣議決定する予定。防衛庁は3日、自民党に次期防の概要案を示した。

 電子妨害装置はミサイルやレーダーなどから出る電波を妨害するシステム。この装置を搭載した戦闘機は「電子作戦用機」と呼ばれ、対空ミサイル攻撃を回避するほか、防空レーダーを無力化することができるようになるが、敵基地を攻撃する能力が高まることにもつながる。概要案には開発への着手が盛り込まれた。

 精密誘導弾は、軍事衛星からの位置情報に基づきピンポイントで攻撃する兵器。今年度から射程約30キロの精密誘導爆弾の導入を始めたが、概要案では「誘導弾の精密・長射程誘導技術の研究」が記された。防衛庁関係者によると、射程数百キロの地対地ミサイルを陸上自衛隊が保有することが念頭にあるという。

 政府は、敵基地攻撃能力について「他国に攻撃的な脅威を与える兵器を持つのは憲法の趣旨ではない」(59年の防衛庁長官答弁)との立場で、電子戦用機や精密誘導弾などを保有していないことを理由に「敵基地攻撃を前提とした装備体系になっていない」と説明してきた。細田官房長官も3日の記者会見で「従来の枠組みから出る考えはいまのところない」と語った。

 一方、新防衛大綱策定に向けて検討を進めてきた防衛庁の「防衛力のあり方検討会議」は「対地精密攻撃能力の向上」をめざす方針を決めたが、新防衛大綱ではこれに直接言及せず、離島などの侵略に対処する体制の整備を盛り込む方針だ。防衛庁は、電子妨害装置や長射程精密誘導弾も「離島対処に必要な装備の研究・開発」(幹部)と位置づけている。





中距離誘導爆弾から一気に長距離地対地ミサイルへ飛躍するというのも、節操がない防衛政策だ。射程と攻撃対象物についてきちんと検討しているか疑問だし、理由付けもあいまいである。ただ、文言を入れたい、予算を取りたいというだけにしか思えませんが。
本当に防衛政策の理念がない集団としか思えませんね。

外交上の反発を招きかねない問題であるのに、十分な検討もされないというのはどういうことなのであろうか。外務省はこのことについて、何もコメントしないのか?

防衛庁は矛盾を許容する集団か

2004年12月05日 01時26分35秒 | 防衛問題
防衛庁では、毎年防衛白書を出していますが、これはよく検討された結果出されているものと思っておりますから、信頼度の非常に高い防衛政策論と考えます。防衛庁の意思表示とも思っています。私はしばらく読んでいなくて、勉強不足の厳しいご指摘をたくさん頂きました。大変役立つとともに勉強になりました。この度防衛白書を読んでみて、防衛庁のご意見をご紹介しようと思います。




平成16年版 『防衛白書』より抜粋

・わが国に対する本格的な侵略事態生起の可能性は低下する
・従来の整備構想や装備体系について抜本的な見直しを行い適切に規模の縮小などを図ること
・わが国に対する本格的な侵略事態が発生する可能性は低下していると判断される
・従来の整備構想や装備体系について抜本的な見直しを行い、適切に規模の縮小や装備、部隊の効率的な保持による規模の変更を図る
・従来の整備構想を転換し、戦車・火砲、護衛艦・固定翼哨戒機、作戦用航空機などのあり方について見直しを行い適切に規模の縮小などを図り、新たな体制へ転換すること
・BMDシステムの整備という大規模な事業の実施に当たっては、第1節で述べたように自衛隊の既存の組織・装備などの抜本的な見直し、効率化を行うとともに、わが国の厳しい経済財政事情などを勘案し、防衛関係費を抑制していくものとする。

これらは、そのまま記載していますから、防衛庁の公式見解と言えると思います。





読んでみて、防衛庁が策定した新防衛大綱の別表記載事項に要求していたことは、一体何を考えて出したものかと疑問を感じる。当然財務省案とは大きな隔たりがあり、防衛白書に「うたっていること」と「やっていること」には矛盾があるのではないか?
激しく抵抗する以前に、計画を適正に策定すべきではないのか?

防衛白書は見せかけの空論を並べたものであり実際は違うというなら、防衛庁は嘘つきということになる。
何のための防衛白書か?
公約無視の議員もいますから、それを踏襲したということか?
単に「うたう」ことが好きな省庁ということか?

防衛白書が実質的に防衛政策の具体性を有しているならば、それを踏まえて防衛計画を策定すべきではないのか?財務省に切り込まれて、慌てて抵抗するような組織ということか?

矛盾することを容認する大臣や幹部ぞろいということなのか?それとも私と一緒で防衛白書を読まない人達で、そんな人が防衛庁を管理・監督しているのであろうか。

削減案にしぶしぶ応じて、政治決着まで持ち込もうとする姿勢も、それこそ今はやりの「噴飯」ものだ。