この物語を今は亡き名優・藤田まことさんに捧ぐ。
面白き 事も無き世を 面白く
格差、格差の野球界
熱き戦い仕立て上げ
闇の世界の仕立人
今宵も広島を駆ける...
安芸の国、宮島。 私は久しぶりにやって来た。 地元の人間は意外と行かないものだからな。 今回は久しぶりに”至高のもみじ饅頭”を買って食べてみようと船で宮島に渡った。 無論、母の職場である宮島松大観光船に乗って。 従業員の家族なので多少は”役得”もあるもので。 私も相当に悪よのう...などと馬鹿な事を言っている内に島に到着。 商店街を抜けて大鳥居の前に来ると観光客が写真を撮っている。 こんな見飽きた物の写真なんて撮る気がしない...と言いつつ何故か写真を撮ってしまったのだが。
私は厳島神社を素通りしてその先にある『岩村もみじ屋』にやって来た。 ここに生地も小豆餡も全て店内で手作りの”至高のもみじ饅頭”があるのだ。 店に近付くと人気が少ない、いつもは行列が出来るそうだが、今日は平日でしかも2月は観光シーズンでは無いからなと思って入ろうとすると、店の前に「本日分の商品は全て売り切れました。」と書かれている。 まだ15時30分だと言うのに...残念だがここのもみじ饅頭を買うには朝行くしか無いらしいな。 仕方が無いので商店街に戻り、揚げもみじでも食べて帰るとしようか...
商店街の中にはもみじ饅頭を売っている店が多くあるのだが、揚げもみじはお土産にして持ち帰る事は出来ず、店内で食べるしか無い。 私は茶店風の店内の奥に商品を持って入り、セルフサービスのお茶を飲みながら食べていた。 すると店内に居る観光客らしき女性3人連れが、もみじ饅頭の店が多過ぎてお土産にどの店のを買って帰るか迷うみたいな事を話していたのが聞こえた。 私はつい、お節介心が出て案内したくなってしまった。
「すいません、地元の者なんですけどもみじ饅頭を買って帰るんですか?」
「......え、確かにそうですけど。」
「もみじ饅頭には少しは詳しいんで案内しますよ。 でも宮島で一番美味しい店がもう品切れで買えないのが残念なんですが...」
「そんなに味が違うんですか?」
「ええ、餡も生地も手作りなのは知っている限りあの店だけなんですよ。」
「そうですか... じゃあそんなに詳しいのなら案内してもらえますか。」
「はい、喜んで。 それじゃあ店を出ましょう。」
「すごいですね、店の数も多いけどもみじ饅頭の中身の種類もこんなにあるなんて。」
「もみじ饅頭なら新宿ゆめてらすとか新幹線の中でも売っているけどこんなに種類は無いよね。」
「ええ、店が多いから競争が激しくて中身も工夫しているみたいですよ。 それと小豆餡を自分で作らずに製餡所に外注するから小豆餡ばかりだとどの店も味が似通っちゃうんですよ。 日持ちの関係なのか、宮島でしか変わった味のは買えないみたいですね。」
「キティちゃんのもみじ饅頭もあるんだ、可愛い。」
「私は食べた事は無いんですけどこう言うのって全国の観光地にありますよね。」
「あの”赤と黒”のもみじ饅頭は?」
「最近新発売になったやつで赤は唐辛子の粉入り、黒は竹炭入りだそうですよ。 味はかなり好みによるかなぁ...」
(最近の”萌えブーム”に乗って『もみまん。』(http://goto.momiman.com:80/)なるもみじ饅頭もあります。)
「あと変わった物は海を渡った宮島口側にあるんですよ、商店街を見ながら船着き場に行きましょう。」
「すいません、お兄さん。 あの店先に”当店のもみじ饅頭は昔ながらの製法で小豆餡を店内で手作りしています”って書いてますよ。」
「え!そうなんですか? あ、本当だ。 確かにそう書いてある。」
その店は商店街の中程にあるかなり古臭い造りだった。 看板を見ると『もみじ饅頭本舗 七浦堂』とある。 商品がこしあんしか無いのが難点だが、1個の値段が60円で安いな。 食べてみると味も悪くない。 私は小豆餡のもみじ饅頭は『岩村もみじ屋』しかダメだと思い込んでいたが、良く見ないと物事は本質を見誤るな...
宮島口に渡り、広電の船着き場からわざわざJRの船着き場に案内して、そこに売られている生もみじを紹介し、更に駅前の道沿いにあるデカもみじも一応紹介する。 残念ながら2つとも食べた事が無いのでお勧めは出来ず紹介しただけだったが。 これで宮島の”変わりもみじ”紹介は終わった。 ついでだから駅に行く前にもみじ本陣の中にあるもみじまんじゅうソフトをご馳走するか、貧乏なので4人分はキツイが久しぶりにお節介で観光案内して楽しかったし...
「アイスクリームが大好物です!!」
「何か言いました?」
「いいえ、こっちの話です。 皆さんお疲れでしょう。 帰る前にソフトクリームでも食べて行きませんか?」
松大汽船の桟橋に隣接して広電のターミナルビルがあり、そこに『もみじまんじゅうソフト』の店がある。
「すみません、”もみじまんじゅうソフト”を4つ下さい。」
「はい、もみまんソフト4つですね!」
「(...言いにくい名前をさらっと言うものだ) はい、そうです。」
”男は黙ってコーンカップ”と言いたいところだが最初からコーンカップのしか無いみたいだな。 私は出来上がりを2つずつ受け取って彼女達に渡した。
”もみじまんじゅうソフト”はなかなか美味しい。 前から宮島に来る度に食べてみたいと思いながらもなかなか機会が無かったもので。 今日は”至高のもみじ饅頭”を食べられなかったのが大誤算だったが、ちゃんと探せば手作り餡のお店は他にもあったのだな。 小豆餡を手作りの店はあそこしかないと頭から思い込んでいました。 先入観も無く観察し、その事に気が付いた物事の本質を理解出来るあの女性こそ新しい元締めにふさわしいのでは...
「あの、すいません。 広島スポーツの為に私の元締めとして共に戦ってもらえませんでしょうか?」
「は?...元締め? 何の事でしょうか?」
「広島では地元のカープが野村新監督を迎えて今年こそ悲願のプレーオフ進出を目指しています。 サンフレッチェはクラブ初のACLの舞台で世界を目指して戦う事になりました。 私はファンとしてそれらに立ちはだかる敵を打ち破りたいと思っています。」
「それに私が何の力になれると言うのでしょう?」
「いえ、難しい事では無いんです。 私の用意した台本通りに指示を出して頂ければ。」
「広島の為にどうしてもあなたの力が必要なのです!」
「...分かりました。 そこまで言うのならちょっとだけ力になってあげます。」
「ありがとうございました。 それでは2月21日にこの場所に来て下さい。」
広島市内の『広島東照宮』...相変わらず境内には誰も居ない。 前は旧市民球場に向かうルート上にあった『横川胡子神社』でやっていたのだけどカープが駅前地区に移ったので私もこっちに”移転”して来たと言う訳です。 私が長い急な石段を登って山門の前に座って待っていると彼女がやって来た...
「すごい急な階段ですね。 登っていてちょっと怖かったですよ。」
「山の斜面に作られた社ですからね、祀られている家康公の権威を高める演習効果も狙っているのかも知れないですね。」
「じゃあ、この紙に書いている通りに読んで私に指示を出して下さい。」
「そう言えば貴方の名前、聞いていないですね。」
「私の名前ですか? ”駿河守”と言う事にしておいて下さい。」
「”駿河守”ですか!? 凄い時代がかってますね。 ...言いにくいから”駿河さん”で行きますよ。」
「はい、じゃあ貴女のお名前は?」
「私の名前も言うのですか? ...じゃあ”マキ”とでもしておいて下さい。」
「私は呼び捨ては苦手なので”おまき”と呼ばせて頂けますか。」
「お、”おまき”...ですか!?」
「一応時代劇なのでお互いに昔っぽい仮の名前で行きましょう。」
「......分かりました、それでは行きますよ。」
「今回の頼み人はサンフレッチェのACL制覇を願う広島サポーターの人達。」
「やる相手は中国スーパーリーグ・山東魯能泰山、監督のイバンコビッチ、FWの李金羽、MFの崔鵬、周海浜。」
「じゃあ、駿河さん、お願いします。」
「はい!お任せ下さい、元締め。」
新たな元締め役を得て私の、そしてカープとサンフレッチェの2010年シーズンが始まりました。 サンフレッチェにとって今回のACL初戦はいきなりの”天王山”です。 勝てば自身を付けて勢いに乗ってJ1リーグの方も乗って行けます。 逆に負けるとかなり厳しいシーズンの始まりになります。 だから何としても勝たなくては...
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...異常です。
面白き 事も無き世を 面白く
格差、格差の野球界
熱き戦い仕立て上げ
闇の世界の仕立人
今宵も広島を駆ける...
安芸の国、宮島。 私は久しぶりにやって来た。 地元の人間は意外と行かないものだからな。 今回は久しぶりに”至高のもみじ饅頭”を買って食べてみようと船で宮島に渡った。 無論、母の職場である宮島松大観光船に乗って。 従業員の家族なので多少は”役得”もあるもので。 私も相当に悪よのう...などと馬鹿な事を言っている内に島に到着。 商店街を抜けて大鳥居の前に来ると観光客が写真を撮っている。 こんな見飽きた物の写真なんて撮る気がしない...と言いつつ何故か写真を撮ってしまったのだが。
私は厳島神社を素通りしてその先にある『岩村もみじ屋』にやって来た。 ここに生地も小豆餡も全て店内で手作りの”至高のもみじ饅頭”があるのだ。 店に近付くと人気が少ない、いつもは行列が出来るそうだが、今日は平日でしかも2月は観光シーズンでは無いからなと思って入ろうとすると、店の前に「本日分の商品は全て売り切れました。」と書かれている。 まだ15時30分だと言うのに...残念だがここのもみじ饅頭を買うには朝行くしか無いらしいな。 仕方が無いので商店街に戻り、揚げもみじでも食べて帰るとしようか...
商店街の中にはもみじ饅頭を売っている店が多くあるのだが、揚げもみじはお土産にして持ち帰る事は出来ず、店内で食べるしか無い。 私は茶店風の店内の奥に商品を持って入り、セルフサービスのお茶を飲みながら食べていた。 すると店内に居る観光客らしき女性3人連れが、もみじ饅頭の店が多過ぎてお土産にどの店のを買って帰るか迷うみたいな事を話していたのが聞こえた。 私はつい、お節介心が出て案内したくなってしまった。
「すいません、地元の者なんですけどもみじ饅頭を買って帰るんですか?」
「......え、確かにそうですけど。」
「もみじ饅頭には少しは詳しいんで案内しますよ。 でも宮島で一番美味しい店がもう品切れで買えないのが残念なんですが...」
「そんなに味が違うんですか?」
「ええ、餡も生地も手作りなのは知っている限りあの店だけなんですよ。」
「そうですか... じゃあそんなに詳しいのなら案内してもらえますか。」
「はい、喜んで。 それじゃあ店を出ましょう。」
「すごいですね、店の数も多いけどもみじ饅頭の中身の種類もこんなにあるなんて。」
「もみじ饅頭なら新宿ゆめてらすとか新幹線の中でも売っているけどこんなに種類は無いよね。」
「ええ、店が多いから競争が激しくて中身も工夫しているみたいですよ。 それと小豆餡を自分で作らずに製餡所に外注するから小豆餡ばかりだとどの店も味が似通っちゃうんですよ。 日持ちの関係なのか、宮島でしか変わった味のは買えないみたいですね。」
「キティちゃんのもみじ饅頭もあるんだ、可愛い。」
「私は食べた事は無いんですけどこう言うのって全国の観光地にありますよね。」
「あの”赤と黒”のもみじ饅頭は?」
「最近新発売になったやつで赤は唐辛子の粉入り、黒は竹炭入りだそうですよ。 味はかなり好みによるかなぁ...」
(最近の”萌えブーム”に乗って『もみまん。』(http://goto.momiman.com:80/)なるもみじ饅頭もあります。)
「あと変わった物は海を渡った宮島口側にあるんですよ、商店街を見ながら船着き場に行きましょう。」
「すいません、お兄さん。 あの店先に”当店のもみじ饅頭は昔ながらの製法で小豆餡を店内で手作りしています”って書いてますよ。」
「え!そうなんですか? あ、本当だ。 確かにそう書いてある。」
その店は商店街の中程にあるかなり古臭い造りだった。 看板を見ると『もみじ饅頭本舗 七浦堂』とある。 商品がこしあんしか無いのが難点だが、1個の値段が60円で安いな。 食べてみると味も悪くない。 私は小豆餡のもみじ饅頭は『岩村もみじ屋』しかダメだと思い込んでいたが、良く見ないと物事は本質を見誤るな...
宮島口に渡り、広電の船着き場からわざわざJRの船着き場に案内して、そこに売られている生もみじを紹介し、更に駅前の道沿いにあるデカもみじも一応紹介する。 残念ながら2つとも食べた事が無いのでお勧めは出来ず紹介しただけだったが。 これで宮島の”変わりもみじ”紹介は終わった。 ついでだから駅に行く前にもみじ本陣の中にあるもみじまんじゅうソフトをご馳走するか、貧乏なので4人分はキツイが久しぶりにお節介で観光案内して楽しかったし...
「アイスクリームが大好物です!!」
「何か言いました?」
「いいえ、こっちの話です。 皆さんお疲れでしょう。 帰る前にソフトクリームでも食べて行きませんか?」
松大汽船の桟橋に隣接して広電のターミナルビルがあり、そこに『もみじまんじゅうソフト』の店がある。
「すみません、”もみじまんじゅうソフト”を4つ下さい。」
「はい、もみまんソフト4つですね!」
「(...言いにくい名前をさらっと言うものだ) はい、そうです。」
”男は黙ってコーンカップ”と言いたいところだが最初からコーンカップのしか無いみたいだな。 私は出来上がりを2つずつ受け取って彼女達に渡した。
”もみじまんじゅうソフト”はなかなか美味しい。 前から宮島に来る度に食べてみたいと思いながらもなかなか機会が無かったもので。 今日は”至高のもみじ饅頭”を食べられなかったのが大誤算だったが、ちゃんと探せば手作り餡のお店は他にもあったのだな。 小豆餡を手作りの店はあそこしかないと頭から思い込んでいました。 先入観も無く観察し、その事に気が付いた物事の本質を理解出来るあの女性こそ新しい元締めにふさわしいのでは...
「あの、すいません。 広島スポーツの為に私の元締めとして共に戦ってもらえませんでしょうか?」
「は?...元締め? 何の事でしょうか?」
「広島では地元のカープが野村新監督を迎えて今年こそ悲願のプレーオフ進出を目指しています。 サンフレッチェはクラブ初のACLの舞台で世界を目指して戦う事になりました。 私はファンとしてそれらに立ちはだかる敵を打ち破りたいと思っています。」
「それに私が何の力になれると言うのでしょう?」
「いえ、難しい事では無いんです。 私の用意した台本通りに指示を出して頂ければ。」
「広島の為にどうしてもあなたの力が必要なのです!」
「...分かりました。 そこまで言うのならちょっとだけ力になってあげます。」
「ありがとうございました。 それでは2月21日にこの場所に来て下さい。」
広島市内の『広島東照宮』...相変わらず境内には誰も居ない。 前は旧市民球場に向かうルート上にあった『横川胡子神社』でやっていたのだけどカープが駅前地区に移ったので私もこっちに”移転”して来たと言う訳です。 私が長い急な石段を登って山門の前に座って待っていると彼女がやって来た...
「すごい急な階段ですね。 登っていてちょっと怖かったですよ。」
「山の斜面に作られた社ですからね、祀られている家康公の権威を高める演習効果も狙っているのかも知れないですね。」
「じゃあ、この紙に書いている通りに読んで私に指示を出して下さい。」
「そう言えば貴方の名前、聞いていないですね。」
「私の名前ですか? ”駿河守”と言う事にしておいて下さい。」
「”駿河守”ですか!? 凄い時代がかってますね。 ...言いにくいから”駿河さん”で行きますよ。」
「はい、じゃあ貴女のお名前は?」
「私の名前も言うのですか? ...じゃあ”マキ”とでもしておいて下さい。」
「私は呼び捨ては苦手なので”おまき”と呼ばせて頂けますか。」
「お、”おまき”...ですか!?」
「一応時代劇なのでお互いに昔っぽい仮の名前で行きましょう。」
「......分かりました、それでは行きますよ。」
「今回の頼み人はサンフレッチェのACL制覇を願う広島サポーターの人達。」
「やる相手は中国スーパーリーグ・山東魯能泰山、監督のイバンコビッチ、FWの李金羽、MFの崔鵬、周海浜。」
「じゃあ、駿河さん、お願いします。」
「はい!お任せ下さい、元締め。」
新たな元締め役を得て私の、そしてカープとサンフレッチェの2010年シーズンが始まりました。 サンフレッチェにとって今回のACL初戦はいきなりの”天王山”です。 勝てば自身を付けて勢いに乗ってJ1リーグの方も乗って行けます。 逆に負けるとかなり厳しいシーズンの始まりになります。 だから何としても勝たなくては...
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...異常です。