![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/95/09a8220cc2bbc4b06f02b66aad330b2d.jpg)
昨年の11月くらいだったか、外出したときに電車の中で読む本を探して本屋をぶらついていて、ふと目にした一冊。
短篇のイメージとは真逆の、この分厚さに惹かれました。
こちら内容紹介。
大江健三郎の作品はあまり読んでないので読んでみよう、と買ってみたのですが、いやあ、かなり時間かかった、一冊読み終わるまで2か月近くかかりましたよ。
初期作品はそうでもなかったのですが、中期作品からは難解さを感じると共に、慣れない文体なので、文章の中に入っていくのに苦労することしばしばでした。
初期の作品。
単に過去の作品を集めただけでなく、書き直しがされているとのこと。
表紙は校正された文章の画像がありますが、これは「空の怪物アグイー」の校正だそうです。
初期の作品は、角が立ったというか、寄らば斬るぞ的な近寄りがたさと、鬱屈したパワーを感じるような気がしました。若い頃に読んだら刺激的だろうなという作品が多かった。とくに「セヴンティーン」は凄みを感じる文章です。
中期作品。
障害を持って生まれた長男、光氏に関する作品が多いです。
小説よりもエッセイに近いように感じながら読みました。
雨の木の連作は幻想的な雰囲気で、他の連作は内省的な内容も多く、読むのにかなり骨が折れました。特に、マルカム・ラウリーやウィリアム・ブレイクの引用がしばしば登場するのですが、これらの作家の作品に対する理解が無い(いずれもわたしは知らない作家だった)と、しっかりと読み解くのは難しいと感じました。
後期短篇。中期ほど抽象的な表現が多くないため、比較的読みやすかったけど、それでも時間かかった。
初出一覧。
後期作品は、60代後半のものです。
この一冊を機に、もっと大江作品を読んでみようという気になっていますが、とりあえず他に読みたい本があるので、それ以降に気が向いたら(気力が充実してたら^^;)。
書誌事項。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます