防災の日を前にあらためて日本の地震リスクについて考えたい。
地震リスクの最大の被害は人命の損失である。これまで各地で起こった地震により多くの犠牲者を出した。気象庁の資料によると明治以降、100名以上の死者・行方不明者を出した地震・津波の数は19災害にも上り合計158,989人が犠牲となった。
今世紀前半には首都直下地震、南海トラフ巨大地震等が発生するとされ、日本は地震活動期を迎えている。事前の地震発生の時を正確に予知することは現在不可能ではあるが、事前に地震災害の量を正確に予想することは可能であり、人的、物的被害を軽減する対策を実施することが急務となっている。
具体的には企業の事業継続計画策定、企業の防災投資、住宅の耐震化、地域の防災化、防災預金など今すぐできる事前対策が十分に推進されていない。以前の事後的救済対策に重点をおくことは、「人命損失は仕方ない」、「災害の悲劇は繰り返す」、「住宅再建補償は十分でない」的などうしようもない政策ばかりである。
1995年の阪神・淡路大震災以降、死者・行方不明者100名を超す大規模な地震災害は発生していないが、各地で死者・行方不明者を出した地震災害は続いている。
<参考図:地震調査研究推進本部 地震動予測地図「今後30年間に震度6弱以上に見舞われる確率」2009年1月1日現在>